10月22日 篠木様
改めて、私たちは、教室に集まっていた。この前話していた西畑は、メインでおらずBIG3の篠木が教壇に立っていた。この前と同じメンバーでほぼ同じ時間帯。違うところがあるとすれば、俺の集中度ぐらい。今日は、一昨日と比べるとさらに集中力がなかった。気がつくと、いつもゲームの世界に入っていた。銃撃戦でシュミレーションをしている感覚だ。この感覚になると、なかなか現実世界に戻ってこれないことが多い。いつも周りや先生に声をかけられることが多かった。
篠木「みんな、また集めてごめん。でも、1日だけ協力してほしいの。1日でも、協力できない人おる?」
一昨日と同じ状況だったが、今日は、反対する人が少ない様に見えた。それは、一昨日の出来事があったからなのか、コイツが言っているからかはわからない。
須藤「明日だけなの?」
篠木「うん。明日やってみてダメなら、明後日からは通常通り来てもらって構わない」
佐藤「やってみた後は、どう想定してんの?」
篠木「私の計算だと、必ず私のところに連絡が来ると思っているの」
佐藤「どういう風にするの?」
篠木「明日休んで、休んだ理由を私から校長先生に連絡するの。そしたら、学校側は焦るはず。私のところに連絡がきたら、校長と交渉する」
佐藤「上手く交渉できそうなの?」
篠木「フフフ。私を誰だと思ってんのよ?」
佐藤「篠木様だったね、ハハハ」
荻野「七海がそこまで言うんだったら、手伝うよ」
鎌田「私も」
須藤「明日だけなら、私も協力する」
一昨日とはうってかわっての状況だった。この前帰ろうとした須田までも。やっぱり、篠木はただならぬヤツだと改めて思い知らされた。
橘 「なんとか、みんなのためにしてやろうぜ」
八幡「だな」
篠木「誰か異論はある?」
俺は、右手をそっと手を挙げた。
篠木「どうしたの、白州くん?」
俺 「明日学校来なくて何したらいいの?」
みんなが呆れた表情をしていた。どうやら、俺の発言が何かおかしかった様だ。
橘 「そんなの知らねねぇよ。自分で考えてやれよ」
篠木「そんな言い方しないでよ。普通の休みと考えてくれたらそれでいいから」
それなら、そう言えよ。遠回しの表現は、ASDの俺にとってはわかりづらい。でも、明日休みだと考えたらそれはそれで楽か。どこか気が楽になった部分があった。




