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10月20日 ストライキ

 教室内は、全ての扉が閉められ、カーテンまでされていた。外の景色を見たかった俺にとっては、鬱陶しかった。ここまでしてやる必要があるのか?疑問に思った。俺は、早く家に帰って、正田とゲームをしたかったので、なんでもいいから早く終われと願っていた。

 篠木と西畑の話には耳を傾けずに、ゲームのシュミレーションをしていた。今日しようとしていたゲームは、「NAP3」という最近発売されたものだ。ここ2.3日は、このゲームしかしていなかった。でも、正田はもっとやりこんでいるんじゃないかと思っていた。


 篠木「みんな、聞いて」

 

 篠木「やっぱり、このままだとダメになると思うの。どうせ卒業するならみんながいないと。だから、ストライキ起こそうと思って、、、。手伝ってくれる?」


 教室内は、ざわついた。そりゃあ、そうだろ。この時期のストライキなんて影響がでてもおかしくない。進学組も就職組も取り消しなんてこともある。でも、なんで篠木がそんなことを言ったんだろ?

 俺は、鼻を触りながら教壇の方を見ていた。それにしても、正田は、「NAP3」の中でどの敵を使うだろうか。武器もいろいろあるけど、そんなに強くなっているのか?篠木の話よりもゲームが気になる。

 机を叩いた音が鳴った。篠木は、真剣な目で俺たちの方を見ていた。さっきまで考えていたゲームの世界から一気に現実世界に引き戻された。篠木の考えに賛同するのは、少数派の様だった。


 須藤「七海を手伝いたい気持ちはあるけど、、、」


 啖呵をきって、声をあげたのは須藤だった。


 西畑「えっ、手伝ってくれないの?」

 須藤「私は、進学しないといけないの」


 どっちでもいいこの会話はあの時と似ていた。俺も、出していた筆記用具をしまい帰る準備を始めた。


 西畑「そんなの後でできるじゃん」

 須藤「じゃあ、進学できなかったら責任とってくれるの?」


 進学できなかったら、、、。そんなもんお前の責任だろ?くだらねぇ。早くゲームがしてぇ。まるで、自分が違う世界にいってしまうくらいに須藤や西畑の話が入って来なくなっていた。


 西畑「そんなの無理に決まってるでしょ」

 須藤「だったら、私は学校に行く。それだけだよ」


 そう言って、須藤は、カバンをとり、立ち上がった。


 西畑「ちょっと、待ってよ」


 須藤が進む道を塞いだ。「NAP3」は、もう少しやりこまないとな。でも、ゲームのしすぎで母に注意されているのも事実だ。

 

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