10月18日 山田先生
今日から再び学校が再会した。問題は、担任がくるかだった。いつもは、担任に全くの興味を示さない俺だったが、今日ばかりは、とても気になっていた。8時20分のチャイムが鳴った。生徒は、自分の席に戻っていった。
教室扉が開いた。入ってきた先生は、担任の山田先生ではなかった。副担任の先生だった。教室の生徒は、少しざわつき始めた。
先生「山田先生は、体調不良で休みになりました。その関係で、私がお休みの間、代理をします」
驚きの顔をしている生徒も見られた。そんな中、委員長の西畑が声を発した。
西畑「いつ戻ってくるんですか?」
先生「それは、わかりません。私も、山田先生とは、連絡とれてないので、、、」
西畑「わかりました」
いったいどういう状況なのだろうか?
先生「山田先生がいないことで、何か困ることはありますか?」
西畑に続き、篠木も話し出した。
篠木「個人懇談は、どうなりますか?」
先生「山田先生が戻って来られない場合は、私が行います」
篠木「わかりました」
つまり、俺の個人懇談の相手は、副担任ということかぁ。
先生「もともと、私は、副担任なので、皆さんの進路に関して、山田先生とは共有をしています。なので、個人懇談はあまり気にしなくてもいいですよ」
先生は、私たちの動揺を抑えようとしているのだろうか?
先生「あと、この前の体育の授業と先日のホームルームの件に関しては、学校側も重く感じております」
急にスイッチが入り出したように話した。
先生「明日からは、野間さんも戻ってきます。ただ、戻ってきたから前のことがなくなったわけではありません」
俺は、何が言いたいのかよくわからなかった。
先生「今回、自宅謹慎にはならなかった横山さん、中村さん。そして、ホームルームの時の白州さん、篠木さん、橋本さん。あなたたちも、きっちり反省しないとそれなりの対応は学校側もとるそうです」
横山や中村は、イラついた目で先生を見ていた。
篠木「それは、どういうことですか?」
先生「篠木さん、あなたほど優秀な方でもわからないのですか?」
煽るように篠木の方を見て話した。
篠木「教育委員会ってことですか?」
先生「さすがね。そういうことです。あなたたちの言い分や思いも理解できます。ただ、ここは学校です。ルールを決めるのは先生です。あなたたちがどれだけ頑張ったとしても、立場がひっくり返ることはないんです」
そういうことかぁ。俺は、なんとなく理解することができた。
先生「あなたたちが今回の件で納得いかないのであれば、あなたたちがルールを変える側に立たないといけないのです。これが、私から言える唯一のことです」
みな真剣に話を聞いていた。
先生「もうすぐしたら、現代文の授業が始まるわね。では、これでホームルームは、終わりにするわ」
先生は、そう言って教室を後にした。この後、俺たちに待ってる運命とはいかに‥‥?




