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白銀の美少女

先に攻撃を仕掛けたのは白銀の少女だ。

地面を蹴って加速しながら、こちらに向かってくる。

剣の間合いまで近づき、二刀の短剣で左右交互で斬りかかる。


俺の戦闘スタイルは支援魔法で能力を上昇、減少と妨害をして習得スキル《回避》を頼りながら攻撃を避けつつ攻撃魔法を放つ、回避型魔法職だ。


そのスキル《回避》によって少女の攻撃を避ける。

たまに攻撃が当たるが装備の耐性スキルのおかげで、幼い子供が拳で殴られたような剣の感触はあるが痛みを感じない。


それにしても、少女が攻撃するたびに剣を振る速度が上がっている気がする。


「……? 剣が当たってる感触するのに何で無事なの」


少女が少し不機嫌になり、さらに剣撃の速度が上がる。

攻撃の返しに杖を振ると、少女は軽々と攻撃を避ける。


PVPで戦士系と戦った時、8割の戦士系が持っていたスキル《剣戟加速Ⅰ~Ⅹ》と《加速Ⅰ~Ⅹ》を少女が習得している気がする。

ゲームでは《剣戟加速》の効果は、敵にダメージが入らなかった場合に数秒間だけ俊敏のステータスが上昇して、《加速》は常に俊敏のステータスが上昇だ。


少女を見ていると、恐らくスキルのレベルがⅢ以下程度しかないように見える。

回避しながら観察をしていたら、バックステップで少女は後ろに下がる。


「いくら攻撃しても攻撃が通ってない。どういうこと……」

「それはスキルの恩恵で防御力が高いということだよ」

「なるほど。 これならどう?」


少女は腰につけているベルトの後ろの鞘に短剣を二本納めて手を前に出す。

すると魔法陣が出現して、少女の身長と同じくらいの大鎌を取り出す。


「これが私の本気」


さらに、少女の近くに魔法陣を出現させて、そこから狼型の魔物とフクロウのような猛禽類の魔物が現れる。


「召喚魔法……」

「よく知ってるね。私は剣術の自信あるけど、本気は召喚魔法使うの」

「なるほどね。だから、ゴブリンロードが欲しかったのね」

「そう。人型で強い魔物を捕獲するためにここで3日間様子見してた」


様子見してたって俺の探知魔法に引っ掛からなかったぞ……。


「私が本気を出したから、待ったはもう聞かないよ」


再び、こちらに向かってくる。

召喚魔法で呼び出した魔物たちは、それぞれ別の属性――狼型の召喚獣は地、フクロウ型の召喚獣は風といった攻撃魔法を放ってる。

だが、《魔法反射》または耐性スキルで無効化している。

少女はそれに驚いたが、攻撃を止まらない。


大鎌は一振り一振り大きく攻撃を繰り返すのに、あまり向いていないがその代わり攻撃力が高い武器だ。

だが、少女はゲーム時代の常識を破るように大きく振った鎌を遠心力の容量で軽く回転させて、攻撃を繰り返す。


「”三日月の刃(クレセントエッジ)”」

「”下位(ロウ)反射結界(リフレクトバリア)”」


鎌の刃が微かに輝き、軌跡を描く。

ここにきて初めて技術アーツを用いた攻撃だ。

さすがにダメージが入ると思うので、物理攻撃に有効なノックバック型の防御魔法を使用する。


だが、防御魔法は意味なかった。

大鎌は結界を通り抜けてそのまま俺に直撃する。


「んくっ……!?」

「やっと効いた」


先程とは違い痛覚が刺激された。

装備自体は傷一つもなく、まるで不意で注射を刺されたような感覚だ。

俺の防具なら痛みも感じないくらい防御力があると思っている。


大鎌を使ったプレイヤーとの対戦経験が少しかないため、あれが技術アーツまたは武器の効果なのか分からないが、防御力を低下させるような効果があるはずだ。


杖一振りで大げさなこの世界で、私にダメージを通す者がいるなんて……。

こんな子がいるなら、それよりも強者……、いや俺よりも強い強者がいるかも知れない。

ゲームの世界ではない、この世界ならこれよりもさらに成長できるかも。

そう思ったら、何だかワクワクしてきた。


「まさか防御に自信ある者でも一発で仕留められるのに、お姉さん強い。 次行くよ……!」


召喚獣の攻撃が通用しなかったのか、再び魔法陣によって虚空へと消える。

そして、少女は鎌を振るために接近してくる。


「”衝撃波ショックウェーブ”!」


さすがに何度も痛みを味わいたいと思わないので、攻撃魔法で反撃を行う。


「……うぅっ!」


それにより、少女は避けることが出来ないまま、衝撃に耐えきれず後ろに吹っ飛び地面に転がる。


「”魔力弾マジックバレット”」


少女は立ち上がろうしたので追撃で魔力弾を放ち、大鎌を弾いて後ろに飛ばす。

そのまま少女に接近して杖を構える。


「チェックメイト。 楽しかったよ」

「参りました……。 お姉さん…いえ、お姉様ってすっごく強いのですね!」

「えっ?」


さっきは無口系のクールキャラだと思ったのに、180度違う態度に困惑してしまった。


「私、これでもS-(ランク)冒険者なんですけど、こんなにも力の差がある人と出会ったことがないです! 尊敬を通り越して敬愛してしまいます、お姉様!」


指を組んで俺を崇めてるような眼差しで見てくる。

どうやら白銀の美少女に懐かれてしまったようだ。

↓の星【★★★★★】をつけて~(*´▽`*)

星をつけるとモチベーションが上がります(`・ω・´)

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↓異世界転生王道ストーリー、自分の欲望のままに異世界を過ごす物語

神様の身代わりになったら、お礼に異世界転生させてくれました。

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抹茶プリン@kurogane_31

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