さっそく冒険者になります!
走って数分で城門前まで着いた。
さすがLv100のステータス、常人では出せない速度が出て驚いた。
いざ、門を抜けようすると門に立っている兵士に呼び止められた。
「嬢ちゃん、身分証を提示しないと」
「身分証?」
「そうだ、見たところ不思議な格好しているな。 もしかしたら冒険者か? ならギルドカードを提示してくれ」
「冒険者?ギルドカード?」
「おいおい、そんなことも知らずいたのかよ。どんな田舎者だよって……、その耳ってもしかしてお前エルフか?」
「あ、えっ? あっ、そ、そうなんです、エルフなんです!」
「お、おう。そうか、エルフはあまり里から出ないで生活してるもんな、それじゃあ仕方ない。冒険者じゃないとすると通行料を払ってもらうしかないのだが、通貨は持っているのか?」
通過? ゲーム内の通貨あるけどメニュー画面に表示されてるから、アイテムボックスにないんだが……。
どうしよ……。
冷や汗をかいて真っ青に血が引いていると、兵士が察したのか提案を出してきた。
「嬢ちゃん、エルフ何だから狩りとか得意だろ?魔物の皮とか肉を持ってきたら代わりに俺が買い取るからさ」
「おじさん……。いい人ですね!」
「お、おう。照れるじゃねぇか」
「じゃあ、行ってきます!」
「気をつけろよ!」
「はーい」
兵士の人が優しい人で良かった。
いやー、この種族で助かったよ……。
正確にはハイエルフなんだけど、別にいいか。
◇
魔物が居そうな森に着いた。
自分がどの程度通用するのか気になるけど、死ぬのも怖い。
一応、課金アイテムである蘇生アイテムは大量にアイテムボックスにあるから本当に死ぬことはないだろうけど、体験してなかったため恐怖がある。
とりあえず森を探索していると、草陰からガサガサと音を立てていたので、そちらに向くとオオカミが三匹が現れた。
三匹とも俺に向かって威嚇をして臨戦態勢をとっている。
一匹が攻撃仕掛けて来たので、杖を振り回すと偶然にオオカミの胴体に当たり、オオカミは中身が飛び出し絶命した。
その光景に引いていると、残りの二匹は森の奥に逃げていった。
「うわぁ、エグいよ……。 この死体モザイク処理されていないし……、本当に異世界に来たんだなぁー、あはは……」
この死体どうやって持っていけばいいの……。
これってアイテムボックス入るのか?
というか、メニュー画面がないのにアイテムボックスを出せるのか……?
魔法みたいに唱えればアイテムボックスが表示されるのでは、と思いついたので試みてみる。
「”アイテムボックス”」
すると、虚空から真っ黒いのが渦巻いて徐々に円を描いていく。
好奇心から真っ黒の円に触れていると、何も触感を感じない。
とりあえずアイテムボックスにあるアイテムを思い浮かべると、手に何かが触れた。
そこから取り出すと、思い浮かべたアイテムが現れた。
もう一度円に手を入れて、持っていたアイテムを放すとそれが突如消えた。
「なるほど、この中に入れればいいのかな?」
オオカミの死体を持ち、アイテムボックスに入れると仕舞うことができた。
手にはオオカミの血痕が付着して、地面に血だまり広がっていた。
汚れを落とすために、”水生成”を発動して洗う。
まさか、軽く振っただけで魔物を撲殺するなんて俺の筋力どうなってるんだ……?
魔法職なので物理攻撃がかなり低いのだが、まぁオオカミの方も強そうに感じなかったので弱い魔物なんだと思う。
弱い魔物なら皮とか肉は安いから通行料払えるのか心配になったので、ほかに魔物いないか探索を続けた。
◇
その後、兎やオオカミを狩れた。
まず探知魔法の”生命探知”で探し出す。
その効果は、魔法名の通りに術者の周囲に生がある生物の感知する魔法だ。
逃げ足の速い魔物だが、支援魔法にある命中率上昇する”自動照準”で獲物を狙い、無属性攻撃魔法の”魔力矢”を放ち、魔物を絶命させる。
攻撃魔法には火、水、風、地、光、闇、無の7つの属性が分類されている。
そして防具や種族に有利、不利属性が設定されている。
ただし、無属性魔法はどの属性にも有利不利がないので使い勝手が悪い。
先程狩った魔物はアイテムボックスに仕舞い、城門へと向かった。
目的箇所に到着して、狩ってきた魔物を兵士に買い取ってもらい合計で銀貨4枚となり、交通料の銀貨1枚払って中に入れてもらった。
門内に入ると人が自由に出歩いていて賑わっていて、歩いていると出店などちらほら開いて客寄せしていた。
一人で街中を歩いているので、たまにイケメン野郎が話しかけてくる。
てめぇ、俺のアリシアに何話しかけてきてるんだコラァ!と思いつつ、無視をする。
その中でしつこいヤツが現れたので睨んでも怯まない。
さりげなく背中を触れようとしてきたので、レベル100の身体能力を使って避けて、
「失せろ、ゴミ野郎」
と言ってやるが、何故か怯まない。
鈍感なのか異常なヤツなのか分からない。
というか、こいつ喜んでないか?
しつこい奴に暴言を放ったのに表情が緩んでいる。
「気持ちわるっ」
ゾクっと悪寒がしたので、また暴言を言ってしまった。
すぐに路地に逃げて、支援魔法の”飛行”を使い建物の屋根に移動した。
「なんなの……」
ただでさえ、イケメン野郎は皆死刑なのにド変態がいたなんて、絶対にアリシアちゃんは俺が護らねば、と固く心に誓った。
その後、門内に入る前に兵士さんから冒険者ギルドを教えてもらったので、そこに訪ねてみる。
冒険者ギルドはアニメやラノベ見るような感じで、中に受付窓口があったのでそこに行くと、美人な受付嬢がいた。
「あら、お嬢さん見ない顔だね。依頼受け付けなら右側ですよ?」
「いえ、依頼しに来たのではなくて、冒険者登録をしようかと思って……」
「分かりました。 登録料は銀貨1枚で、名前とこの水晶に手を当ててください」
俺は指示通りに銀貨1枚払い、名前はアリシアと書こうとするがここの文字が読めない。
発している言語は日本語なのに文字がぐちゃぐちゃみたいな線で自分では読めない。
一応、ゲーム内で本を読む際に支援魔法で翻訳できるが、書くことはできない。
ということで、
「お姉さん、文字が書けないので書いて貰ってもいいですか?」
「ええ、もちろんよ。登録する人は文字が書けない人もいるから恥ずかしくないよ」
何というか、励ましてくれた!
何ていい人なのだろうか、もし男なら惚れてたよ。
今は自分を愛しているが。
「私はアリシアと申します」
「分かったわ。次に水晶に触れてみて、これはね犯罪履歴があるか確認するための魔道具なの。犯罪履歴があると光るからね。赤色に光ると登録は出来ないけど、黄色に光ると階級が上がりにくくなるの」
受付嬢さんが簡潔に説明してくれたので、そっと触れてみる。
結果は光らなかった。
そうだろうと思ったけど、少し緊張するのだ。
「はい、確認しました。 アリシアちゃん、これからはよろしくね」
と言いながらギルドカード渡してきたので、お礼を言い受け取った。
その後、冒険者のことを軽く説明受けた。
階級はF、E、D、C、B、A、Sの順になっている。
上級のBから前と後ろに-、+と明示的に差が表示されるようになるとのことだった。
ついでに金銭面も分からなかったので聞いてみた。
銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨の7つあり、銅貨が5枚で大銅貨、銅貨が10枚で銀貨と金貨まで同じ感じだが、大金貨になるとその10倍である金貨50枚の価値になり、白金貨だと金貨100枚になるらしい。
とりあえず聞きたいことがなくなったので、これから受付嬢さんにお勧めしてもらった女性でも安心して泊まれる宿を教えてもらったので、そこに向かった。
なんと、教えてもらったのが女性限定の宿で銀貨2枚という破格の値段で朝、夜の食事付きだ。
体は女性なのでセーフだ。
部屋に入り早速防御魔法で部屋に結界を張り、宿を堪能したのだった。
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