表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

プロローグ

俺の趣味は、MMORPGでネカマプレイすることだ。

ネカマとは、ネットで男性が女性を装うことである。

何故、ネカマプレイをしているのか?

ほかのプレイヤーにちやほやされて貢物を貰いたいから?


否!俺は自分の理想とする女性を見たいからだ!


俺はキャラメイキングが自由かつVRMMORPGとしてそれなりに楽しい【アドバンス】というゲームに魅了された。

このゲームはキャラ作りやりこみ要素が多く、見た目は勿論キャラ種族、ステータス振り、キャラ職業、スキル振り、技術(アーツ)作成に魔法作成がある。

VRMMOでよくネカマプレイできたな、と思うが自然に女性声に聞こえるようなボイスチェンジャーアプリを入れていたので問題はなかった。


サービス開始して10年たった今、俺はこのゲームではそこそこ強くロールプレイエンジョイ勢に関わらず、二ヶ月に一回で開催されるPVP個人戦でランキングTOP100で97位とギリギリ名が載り、PVPギルド戦ではランキングTOP100で63位と好成績を残した。


俺のキャラは、レベルがカンストの100で、種族はハイエルフという魔法職育成で有利に働く種族だ。

職業は多彩の魔法を操れる【マジックワイズ】だ。

ビルドは自己完結型で、回復魔法、支援魔法、探知魔法、防御魔法に攻撃魔法と万能であるが、攻撃特化の職業やビルドには大きく劣るものの万能故に色んな戦い方できた。

ギルドは、女性キャラだけが集まった【アイドルライフ】という全100名まで所属できるが、15名が所属していた。

ほとんど社会人で構成されていてオフ会など出来なかったが、たぶん皆もネカマだったんだろう。

何かと理由をつけてオフ会開こうとしなかったし……。


見た目だが、黒髪が好きなので黒髪のミディアムショートに前髪はヘアピンで留めていて、エメラルドのような透き通た緑色の瞳だ。

そして、身長は157㎝に設定している。


装備は課金装備か課金アイテムで作成した装備が主だ。

胴体防具は課金装備だと能力値が高いが、デザインは気に食わないのが多いので課金アイテム素材を多く使ったオーダーメイドの防具になっている。

学生服のような紺色のセーラーと少し短いスカート、セーラーの上に前が開いている白のもこもこのカーディガン。

下半身は黒のタイツで茶色のブーツと、ゆるふわ清楚少女をイメージした衣装となっている。

どれも優秀な耐性スキルを複数付与されている。

スキルレベルには10段階まであり、その性能は《物理攻撃耐性Ⅷ》、《魔法攻撃耐性Ⅷ》、《状態異常耐性Ⅹ》、《能力低下耐性Ⅹ》、《環境影響無効》、《探知抵抗Ⅸ》、《魔法反射Ⅴ》、《HP自然回復Ⅳ》、《MP自然回復Ⅵ》となっている。

もちろん、ヘアピンも課金装備に含まれている。

さすがは、課金装備だ。


続いて、武器は自身のキャラと同じくらいの杖で名は「究極(アルティメット)星杖(スターロッド)」という無課金で作成できるが、各高難度ボスから出るドロップアイテムを複数集めて作成した武器となっている。

高難度ボスの素材なので、課金武器に匹敵するほどだ。

その性能は、《魔法威力上昇Ⅹ》、《必要MP低下Ⅶ》、《魔法詠唱短縮Ⅹ》となっている。

どの魔法職でも、《魔法威力上昇Ⅹ》と《魔法詠唱短縮Ⅹ》のスキルが必須で最低でも8以上付けないと話にならない。


自分のキャラは、かなり強いと自負しているがギルドメンバーにはこれ以上に強い人が5名はいる。

これじゃあ、ギルド内で四天王と呼べないのが何だか悔しい。

みんなエンジョイ勢って言っていたが、絶対に廃課金者でガチ勢だろと思う。

まぁ、この武器防具で俺も人のこと言えないが……。


これが今まで生活費を除いた給料をほとんどこのゲームに費やしたキャラとなっている。



そんなキャラを操っている俺は、本名は後藤彰(ごとうあきら)だ。

今日は帰宅してすぐにパソコンを起動して、今なお熱中している【アドバンス】にログインする。


『アリシアちゃん、コンバンハ♪』


ギルド【アイドルライフ】のギルドマスターから挨拶が来た。

アリシアとは、自分が操作している美少女キャラのプレイヤーネームだ。


「こよっちさん、こんばんはです」

『アリシアちゃんはもう引いた?今日、アップデートで追加されたガチャアイテムの”異界旅行チケット”』

「これから引こうと思ってました」

『だよね(笑) 私は7万ほどでやっと出たよぉ~(泣)』

「そんなにですか!?」

『まぁ初めてのワールド移動系アイテムだし、噂とかすごいよ。レアアイテムが簡単に取れるワールドに行けるとか、希少種モンスターを捕獲できるワールドにいけるとか』

「もし噂が本当なら希少種モンスターとか捕獲できるワールドにいけるモンスターブリーダーであるルルナさんは歓喜ですよね」

『ルルナちゃんは、今日は有給とるんだー!って言ってたけど……』

「まだINしてないですもんね」

『有給取れなかったらしいよ。有給取り過ぎてて、もうないって泣いてたよ』

「ガチャ更新でペット関連の装備が実装するたびに有給取ってましたからね、ルルナさん……」


ルルナさんは複数あるペット職である【モンスターブリーダー】という育成に特化した職業で、ドラゴンマスターという異名が付けられて、自分よりも強いプレイヤーの一人だ。

レアボスモンスターである地底龍アースドラゴンこと、あーちゃんを使役している。

防御面に特化したモンスターなのに物理攻撃力が高く育成されており、さらにそのモンスターは地底龍王アースドラゴンロードへと一段階進化したモンスターであり、ギルド戦では無類の強さを誇っていた。

ボスモンスターは捕獲が難しく捕獲率も低いうえに進化しないのだ。

ペット職は詳しくないが、きっとスキルやアイテムの影響だろうと推測する。


今回のアプデで追加されたアイテムを何より楽しみにしていたルルナさんが仕事でログインできなかったことにより、アイテムを引けるように祈ろうと思う。


『それでアリシアちゃんは今日のガチャは本気で回す?』

「そうですね、今回は予算を考えずに当たるまで回そうかと思います」

『私みたいにクレカの上限までいかないようにね(笑)』

「あはは、善処します」


その後、自分はガチャが置いてあるエリアに向かい、4万ほど課金して狙いのレアアイテムを引き当てた。

そこそこの痛手だったが、5万いかなくて良かった。


お目当てのアイテムを手に入れたので早速ギルドに戻り、こよっちさんに報告をした。


『アリシアちゃん、おめでとぉ~』

「ありがとぉ~、当たって良かったよ……」

『ねぇ~、天井ないもんね……』


こよっちさんと雑談していると、続々とギルドメンバーがログインしていき皆もすぐにガチャエリアに行った。

ギルドチャットには悲鳴のような文字列が次々と流れていく。


これで皆もチケット入手したことで、こよっちさんの合図でギルドハウスのエントランスに集まり、一斉に使用した。


全身が光に包まれ、エリア移動が開始される。





気が付くと、周りにはギルドメンバーがいなく周りには草原が広がっており遠くに城壁があった。


「ここどこのエリア?」


ギルドチャットを使用して連絡を取ろうと、メニュー画面を開こうとしても表示されない。


「えっ?え? 出ない……?」


何かのバグなのか?

このまま表示されないってことは運営に問い合わせできないのか……。

じゃあログアウトどうなる……?


この流れって異世界転移というやつ……?

ま、まさかそんなことないよね?


「もしかして魔法は発動するの?」


【アドバンス】では、技術アーツや魔法を発動するには専用のコンソール画面が表示されるかコントローラ―に設定されているショートカット欄から発動できる。


自分が握ってる操作できるコントローラーから魔法を発動しようと試みるが、ボタンを押してる感覚がない。

というか、自分のキャラの手が握るような動作をしている。


「えっ? 自分の手が自由に動かせる……!?」


魔法は発動しないが、手を動かせることに驚く。


「これってマジの、異世界転移……?」


帰れないという絶望による喪失感と異世界に転移できたことへの喜びの感情が混ざり、複雑な感覚に陥る。


「どうしよ……」


このまま魔法が発動できなければ、ただ可愛い美少女の一般人じゃん!?


「美少女……?」


下を向き、自分の体を確認する。

胸は……ない。

胸部を触ってみると微かに柔らかい感触があった。


「元からひんぬーキャラだったわ」


もうこの現実を受け止めようかなと思いつつ、胸部マッサージを繰り返す。


「はっ!?」


気が付けば、数十分も経っていた。

このままだといけないと思い、マッサージを辞めて今後はどのように過ごすか悩む。

間違いなく自分は、今まで育ててきたキャラのアリシアである。

なので、魔法は習得しているはずだ。

でも、どうすれば出せる……?


もしかして、声に出せば出るとか?

試してみるか……。

一番弱い魔法でここら一帯に被害が出ないような属性で――


「”水生成”」


手に持つ杖を構えて、魔法名を唱える。

すると、杖の先端から魔法陣が出現してそこから勢いよく水が放出した。


「あわわわわ!」


ゲームで出てたエフェクトのように水が放出したが、放出の反動によって尻餅した。


「いった……くない?」


自分が着ている装備のおかげで、ダメージもないし痛みも感じない。

なんか不思議な感覚だった。


とにかく魔法が発動できることが分かったので、なんとかなるだろうと楽観的に考えて、現地人に会いたくて視界に映る城壁の方へ歩き出した。

↓の星【★★★★★】をつけて~(*´▽`*)

星をつけるとモチベーションが上がります(`・ω・´)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

============================================================================================

↓異世界転生王道ストーリー、自分の欲望のままに異世界を過ごす物語

神様の身代わりになったら、お礼に異世界転生させてくれました。

↓作者のtwitterアカウント

抹茶プリン@kurogane_31

============================================================================================

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ