85ー 根っこから叩けば解決
「というか厄介ですね! これは!」
私が発射するレーザーと似たようなレーザーが次から次へと飛んできます。
最初はとうとう相手も本気を出してきたかと心が躍りましたが、こうも連発されると心臓に悪いです。
『セツナを見た相手の心境がよくわかる機会だねぇ』
「そんな呑気にしてる場合ですか!」
どうやら私を狙って連発しているらしく、下手に人の多いところに逃げようものなら前線が壊滅してしまいます。
「発射位置が見えない以上このまま避けるのもなかなかにつらい……」
『本元叩きに行く?』
「アーマーが無い以上突っ込むのも難しい……」
――本当に?
アーマーが無くてつらいのは上に逃げられなくなるのと超出力レーザーによる迎撃ができなくなることです。
ですがぶっちゃけ逃げに徹すれば避けられる気がしなくもないです。
――やりますか。
「リア、【龍血晶】の倍率は何倍ですか?」
『――アーマーが使えなくなった時から等倍』
「何で黙ってるんですか……」
『だって聞かれなかったし、自分で出力調整するから言わなくてもいいかなって…… というか何で今そのことを?』
「はぁ…… じゃあリアはエネルギーの分配をお願いします。 脚力重視で」
『それは了解した…… というか質問に……』
「本元、叩きますよ!」
『やっぱりそうだよねぇ!』
アーマーも無いですが多分行けると思います。
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『セツナってこういうスタイリッシュな動きも出来たんだね』
「このスピードだと避けに徹すれば、ですけどね。 通常なら銃くらいなら使えるでしょうが」
レーザーの発射口目掛けて全速力で突っ走っていきます。
足場となる機械兵が多いので空中機動は楽でいいです。
機械兵のうち、荷物運び用らしき機械兵に足をかけて飛んでいきます。
相手も私を狙って銃を撃ってきますが、私のスピードにおいつけないみたいです。
「まぁ流石に対応してきますよね」
『相手の指揮官も中々切れ者みたいだね』
敵が大きく陣形に穴をあけ、中央に私を待っているかのように1体の長身が立っています。
私が立体機動の起点にしている機械兵をなくすことで的確に処理をしようとしているみたいです。
『流石機械兵。 こういう非常時の対応は素早いね』
「それに穴以外には行かせないように、兵を壁にしている辺り考えられていますね」
アーマーが使えればこんな壁どうってことないんですが、無い物ねだりはできませんね。
誘いに乗ってやるとしますか。
「分配のバランス、頼みましたよ!」
『オッケー! 任せて!』
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穴の中に入り、すぐにショットガンを装備します。
スピード勝負ならこっちの方が勝てる…… と思います。
『1体かと思ったら合計3体、そのうち2体はアサルトドッグ…… 行ける?』
どうやら見えなかったみたいですね。
結構いたい誤算です。
「とりあえずはやってみなきゃわかりません。 味方に当たるので奥のレーザーは来ませんから即死は無いでしょう。
目の前の4本腕の機械兵の目が赤く光ると同時に、左右のアサルトドッグをけしかけてきました。
下の☆☆☆☆☆を★★★★★にしてくれると、作者は口からドラゴンブレスを吐きます