84- 前線を進めよ
前から飛んできている砲弾はストラの的確な狙撃で空中爆破しています。
もしなかったら今頃全滅してるかもしれません。
ストラと私はやっていることは同じですが無駄が無いですね。
『セツナってああいうのは向いてないもんねぇ』
「ええ、使えれば便利だと思いますが使い道はありませんからね」
やっぱりあの数は魅力的です。
『それで? 今何やってんのさ』
「何って爆弾の投擲ですが?」
野球の外野のように大きく振りかぶって前にいるビルドアーマー部隊を超えるように爆弾を放り投げます。
種族的な効果はビルドアーマーの時間が来ていても使えるようで助かりますね。
爆弾を放り投げてしばらくすると前線の少し向こうで爆発が見えます。
成功見たいです。
「――良い」
『手投げ弾サイズであの爆破力って何使ったっけ?』
「密度の方を少々いじりましたかね!」
『事故の可能性を考えないねぇ!』
やっぱり爆発はレーザーとは違った良さがありますね。
少し遠くでまた大きな爆発に機械兵が持ち上げられました。
「――投げるだけというのも暇ですし、パイルバンカーとショットガンもありますし、少し前線上げますか」
『アーマー無しで大丈夫?』
「何とかなると思います!」
そういえばアーマー無しの近接戦闘は久しぶりですね……
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前線の中でも人が少なめの所に行き、敵を迎え撃ちます。
早速機械兵の胸に爆砕ボルトを打ち込み、上半身を爆破させます。
「そういえば持てる力は種族的にはどうなってるんです…か、ね!」
残った下半身を掴み、体を捻って前に向かって放り投げ、1体の機械兵に当たり、下敷きになりました。
どうやら普通の人とは力はかけ離れているみたいです。
それにエネルギーを供給すればアーマーほどでは無いですが、さらに強力にできそうですし。
下敷きになった機械兵を追撃しようにも流石に奥すぎます。
第2陣のビルドアーマー持ちが来てさらなる速度で進んでいるとはいえ、アーマー無しじゃハチの巣確定ですかね。
「おっと」
遠くからの銃弾がお腹すれすれを掠めていきます。
『流石にここまで近いと敵の攻撃も来るね』
「ええ、私も2回目のアーマーを使わずに死ぬのはみっともないですからね…… とは言っても活躍できる限界もある。 なら今の私に出せる最大面積を持つ攻撃でやりましょうか」
両手に爆弾を持って前に向かって大きく放り投げます。
『流石』
前方が大きく爆破し、敵の機械兵が大きく吹き飛んでいきました。
「うーん…… 良いですね」
「こっちが空いてると思ってきたらこれか……」
「――第2陣ですか」
少し遅かったかもしれませんが、これで前衛の薄さは何とかなりましたかね。
そう思った次の瞬間、私のすれすれを太いレーザーが通り、爆発の砂煙と共に私の横にいたプレイヤーをかき消していきました。
「――は?」
『何今の』
中々類を見ない太さのレーザーです。
というか今の攻撃はどこから……
どうやらいろいろやってるうちに前線が進んでいたらしく、少し遠くに空から降ってくる弾丸を発射している船のようなものが見えました。
『どうやら大物のようだよ?』
「ええ、やっぱりこうじゃなくては!」