83- ストラ
「こういう時に発射を続けられるレーザーは楽でいいですね。【ドラゴンブレス】」
まずは1回弾幕に向かってレーザーを薙ぎ払います。
ですが、数が凄まじく、面攻撃の一部に隙間が空いたくらいです。
「――効果が薄いですね」
『もう少しレーザー太くできない?』
「――できますよ?」
【龍骨晶】の出力を調整して、【龍血晶】に送り込み、増幅させます。
増幅したレーザーを扇状に払い、弾幕を吹き飛ばします。
『ちょ! 上げすぎだって!』
「発破掛けられたのに思ったより効果無いですねぇ」
ぎゃーぎゃー騒いでますが無視です、無視。
『無視しないで!』
前に比べれば大きく減っていますが、やっぱり発射する砲門が多いというのは恐ろしいものですね、押し切られてしまいます。
エネルギー量的には勝ってると思うのが歯がゆいですね。
『時間も後3分だよ』
「――なら残り時間弾幕を処理し続けましょう!」
どんどんと奥から砲弾が降ってきます。
「その必要はない」
「! ストラ、ていうか何で声が届いて」
「さっきまでアーマーを動かし続けてたんだ。 そろそろ時間限界だろ?」
「ええ、まぁそうですが……」
「因みにそっちから何言ってるかは分からんから用件だけ言う! 後は任せろ」
「一方的ですね……」
まぁそうなんですけどね。
でもストラが来たということは進軍は進んだということです。
任せろと言ってますが、大丈夫ですかね……
『グダグダやってる間に残り時間が1分だよ』
「――降ります。 任せましょう」
一応ラストにバーッと薙ぎ払って着陸します。
これで少しは時間を稼げますかね?
「やっぱり規格外だ。 あれをこんな簡単に吹き飛ばすんだから」
「と言われましても。 私の最初なんてミロクと【魔剣】ですよ? エネミーでも一応はいましたが」
「なるほど、規格外について行ったら規格外になったわけか」
『いてもいなくても変わらない気がするけどね、セツナの場合は』
「――なるほど。 自由なスタイルだな、まぁかく言う私も似たようなものかもしれないが…… 前線のメンツもそろそろ来る頃合いだな」
「でもこの鉛の雨をどうするんですか? 私のビルドアーマーももうわずかですよ?」
これを何とかしない限り全滅は免れません。
「まぁ見てろって。 【全砲門解放】 【ソノ旗ハ栄光ヘト続ク】」
「――こんなビルドアーマーもあるんですね」
それに2つ目の宣言は何でしょう。
何か力が湧いてくるような感じがします。
そして、ストラの後ろに現れたのは何千門かというような先端が細く、お尻の方が花のように開いている砲台でした。
「【全門一斉掃射】! すべてを薙ぎ払え!」
砲台から細いレーザーが砲弾を的確に空中で撃ち落としていきます。
そしてそれに続くように、ビルドアーマーを装備したプレイヤーが、前線を押し上げていきます。
「威力は無いが便利なものだろう?」
「ええ、勉強になります」
私はこういう細かいのは苦手ですが、使えるようになると色々と便利かもしれませんね。
『――ずっと装備しっぱなしだったから時間が切れたよ』
そういえば背中の翼や手のアーマーが消えてますね……
「今回のイベントのアドバイスはビルドアーマーで攻め、無いときは防御に徹することだ。 頑張れよ」
「色々とありがとうございます」
「なぁに上の奴は任せておいてくれ」
次の私の番はビルドアーマー復活後ですね。
『一応私はビルドアーマー扱いじゃないみたいで助かったよ。 それで? 次は何するの?』
「砲台制圧、戦争と言ったらこういうのじゃないですか?」
「――お前アーマー無しでも変わらないのか」
爆弾と爆裂ボルトを装填したパイルバンカーとたくさん作った爆弾を腰に装備して、前線組へ続きます。
こういうのだったらアーマー無しでも通用するでしょうしね。
――多分。