７１－ 裏口神殿
扉を開けると、扉側も水に浸っていました。
「扉の奥も水とは…… どうなってるんですかね？」
『このダンジョン自体が水に浸かってるんじゃない？』
「そんな面倒くさいダンジョン作りますかね？」
『裏口からだし文句は言えないんじゃない？』
「それもそうですね」
水浸しの廊下をゆっくりと歩きながら進むと、大きくへこんだ、大部屋を見つけました。
「――気持ち悪い」
『ヤドカリ、ヤドカリ、ヤドカリ…… 何匹いるの？』
部屋の底にはたくさんの大きなヤドカリがうじゃうじゃしています。
ヤドカリの養殖場ですかね？
倒さなくても進めそうではありますが、正直きついのでさっさと倒してしまいたいんですが。
「リア、外に影響が出ない程度に殲滅できますか？」
『うーん、できないことは無いかな……？ 水の中だとわかんないや』
「わかりました。 体、貸しますので殲滅お願いします」
周りの景色が真っ赤な空間に変わります。
うまく行ったみたいです。
『もしかしてヤドカリ嫌い？』
「単純にうじゃうじゃしているのが嫌いなだけです。 さっさとやってください」
『はいよー。 【円環之龍】起動！』
ドラゴンの翼の先から白い光が広がり、壁に沿って広がっていきます。
その光に当たったヤドカリの殻が音を上げて砕け、中身も同時に倒されていきます。
『終わったよ、セツナ』
「いつこんな攻撃覚えたんです？」
『埋め込まれたあたりからかな？ エネルギーを出す場所が増えたからそれで使えるようになったよ。 【円環之龍】状態じゃないと使えないけど』
「実質リア専用技ですか。 何か残念ですね」
【円環之龍】の解放は体を動かすのがリアじゃないとできないらしいんですよね。
解放状態で入れ替わっても効果は切れないので使えないことは無いですが、普段使いは無理でしょう。
リアが【円環之龍】を切って私と変わります。
「さて、邪魔物はいなくなりましたし先にすす…… アレ、さっきこんなものありましたっけ？」
部屋の中央に抱えるくらいの大きさの球が転がっています。
『多分、ヤドカリに埋もれてたんじゃないかな？』
なるほど、それで見えなかったわけですか。
軽く動かしてみると、下方向に軽く沈み込みました。
「これ以上は行きませんね…… もう少し！」
『少し力を入れすぎな気が……』
右腕にエネルギーを送り込み、力いっぱい球を下に押し込むとビキバキという音と共に、球が完全に沈み込みました。
「さて…… これで何かギミックが…… あれ？」
弾を中心に、床にひびが広がっています。
『力、入れすぎたみたいだね』
「キャァ！」
そのまま床が崩落し、大量の水と共に、落ちていきました。
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「――また地響きです」
「これはどっちかなぁ？ セツナ？ それともエネミー？」
「どっちにしても早く行った方がよさそうです」
「同感。 早めにいかないと少し面倒なことになりそう……」
「順路わかるです？」
「作る」
「やっぱり脳筋です。 バカです」
