69ー 海の惑星
私もミロクも晩御飯を食べた後、マザーシップで合流することになりました。
どうやら2人ではだめで、3人必要とのことなので、もう一人連れてくるとかどうとか。
『あ、来たみたいだよ?』
――前から思ってましたがリアの結構視野広いですよね?
『うん。 魚眼レンズと広角レンズを合わせたみたいに見えるよ?』
「さっきから何を突っ立てるです?」
「ミロクがもう一人連れてくるとか言ってましたがネロさんでしたか」
「私のチームメンバーが軒並み全滅でね。 ちょうど空いてたのがこの子」
「手軽な奴みたいに聞こえるからやめてほしーです」
「ごめん、ごめん」
「で、3人…… 3人でどこに行くんです?」
これリアは人数に含めていいんですかね?
「惑星【サンドラ】。 地面がほとんどない水の惑星さ」
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【惑星突入】で惑星【サンドラ】まで着地します。
ミロクが言っていた通り、ほとんど水で、着地地点も足首まで水が浸かってしまっています。
そしてわずかな地面と思われる島以外はあたり一面が水平線です。
「本当に水まみれですね……」
「ここは素材集めとして来る場所じゃねーです。 のんびりするにはいい場所です」
「確かに、別荘でも立てればモルディブみたいに満喫できそうですね」
行ったことは無いですが、実際楽しそうです。
「クルーザー型のビルドアーマーを作れば実現できそうです」
「主催をほっといて盛り上がらないでくれるとうれしいんだけどー」
ミロクが1本の棒をくるくる回しています。
「今回はいつもの剣じゃないんですね」
「今回の場所はあまりに相性が悪くてね。 ビームソードみたいに長さ調節できないとやってられない」
「そんな場所ですか。 それでこの惑星のどこに用事があるんです?」
「あの島」
ミロクはそういって、今唯一見えている島に向かって指をさします。
それなりに遠そうですが飛んでいけば一瞬ですね。
「――私はついて行けるけどネロが付いてこれなくなるよ?」
「――よくわかりましたね、私の考えていること」
「バカ出力のセツナさんに追いつけるとは思わないです。 合わせてくれると嬉しいです」
「じゃ、セツナも新しい機体の出力調整、頑張ってね」
他人事ですね……
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【龍骨晶】の出力調整、これが中々に難しいです。
リアが増幅率をいじっているので、海に落ちずに済みますが、もしなかったら、今頃墜落です。
「――あれで本当に抑えているです? 今のネロの出せる最高速度です」
「出力がとびぬけているからねぇ。 多分もっと早くいける。 その代わりに制御できなさそうだけど」
「ネロもあの出力欲しいです。 ――でも扱いきれなそうです」
「ネロはそのままがいいかなぁ? ネロまで変になったら扱いきれない」
「何が変ですって?」
「何でもない、何でもない。 そろそろ目的地だから武器用意しておいてね!」