６５ー ミロクVSリア
「セツナはボスを倒しに行くって言ってたけど何でかな…… 寄生型？ それともコピー型で本人はもう母船にいる……？ でもメールは見てくれたし……？」
『手応えありそう…… っていうか何か怒ってない？』
目の前の紺髪のプレイヤーは黄金に輝く剣を持ちながら突っ立っている。
「とりあえず捕獲するか！」
『来た！ 【アンバランス】！』
突っ込んでくるプレイヤーに対し、クロスカウンターを狙うも、剣ではじかれ、首を掴もうと狙ってくる。
『明らかに今までと違うね！』
「――少し弱らせるか」
即座に上に飛び、背中を狙って蹴りを入れようとするも、剣の腹に蹴りを入れることになる。
今までがただ鎧袖一触にできていただけというのを抜きにしても、今までとは明らかに強さの桁が違う。
さらに【リベリオン】を発動させている状態なのにここまで簡単に受けられるとは。
少なくとも見くびってはいられないみたい。
「韋駄天、起動」
『【アンバランス】！ 消えた！？』
「――ちょっと寝ててもらおうかな！」
『ガハァ！』
消え、真横に出現したプレイヤーが私のお腹に回し蹴りを入れる。
何、今の威力。 ただの蹴りのはずなのに威力が段違いすぎる。
この体がただの人間だったら今の一撃で死んでたかも。
「少し調整間違えたけど生きてるなら問題なし！」
目の前に瞬間移動し、剣の腹を振り下ろしてくる。
『あっぶな！』
羽にエネルギーを送り、回避する。
そのまま送り込んだエネルギーを使って回し蹴りを入れるが、即座に姿が消え、回避される。
『消えた？ ガ！』
「つーかーまーえーたー！」
『放…… 放せ！ 放せって！』
目の前に急に現れたプレイヤーに前から首を掴まれ、空中に持ち上げられてしまう。
「さて…… どこから聞こうかな……」
『放せって言ってるでしょ！』
さっきに広範囲のプレイヤーを消し飛ばした攻撃をもう一度放とうとするが、地面にたたきつけられ、強制的に攻撃をストップさせられる。。
「ねぇ。 会話できるくらいだからNPCだと思うし、そろそろ抵抗するの辞めたら？ そろそろ怒るよ？」
『――ハイ』
「うん、うん。 素直で結構。 それじゃあ聞くよ？ あなたは誰？」
黄金に輝く剣を首元に近づけながら脅迫してくる。
下手に答えたら死ぬ！
「リア、終わりましたか？」
『セツナ！ 助けて！』
「――どうしました？」
「セツナのことは知っているみたいだね！」
首にかかる力がどんどん強くなっていく。
セツナに説明するのと私が死ぬのどっちが早いかな……
「――あなた誰に喧嘩売ったのかわかってます？」
『四面楚歌はやめて！ 謝るから、助けて……』
「わかりましたよ。 ミロクとの話は私が付けます」
「誰かと通話しながらやってる……？ 操っている本体がいるのかな？」
「本体も何も体は両方私ですよ」
「――口調が変わった？ どういうこと？」
「とりあえずこの首の手を放してください」
「――わかった。 もし嘘だったらどうなるかわかってるよね？」
――何でこうなったんでしょうかね。
とりあえずミロクの誤解を解かなくては……
