60- PVP
『それでそれで? この後はどうするの?』
「そうですねぇ…… この種族がどんなものなのかも知りたいですし、何よりビルドアーマーがどうなったのかを確かめなければ」
『ビルドアーマーだったら私の後ろにそれっぽいのがあるけども?』
「何で言わないんですか……」
『いや、だって聞かれなかったし……』
とりあえず良かったです。
ビルドアーマーの飛行機能がなければこの断崖絶壁を登れませんからね。
「で、どうやって出すんです?」
『えっとね、【展開】って言えばいいみたい』
「結構簡単ですね。 【展開】」
背中が展開し、龍の羽のようなものが生え、レッグアーマーとアームアーマーが自動で装備されます。
私が作ったビルドアーマーはもう完全に素材にされてしまいましたがまぁ、もっといいものになったのでいいですかね。
――明らかに私の体の中に入らなそうな体積してますがそこはいいんですかね?
『――龍の形から変わらないね』
「誰がこの形に変えたと思ってるんですか」
『ごめんちゃい』
必要があったとはいえずっとこのままというのも寂しいですね。
アーマーは外せそうなので改造はできそうですが。
「そういえばここはもう安全地帯ですよね……」
オルドルの根城だった【アンドロイドの墓場】はもう安全地帯のはずです。
元人間のアンドロイド達もしっかりと使ってあげましょう。
そっちの方がこんな残骸で散らばっているよりかはいい気がします。
〈ピコン〉
「おや、ミロクからメールですか」
『ミロクって誰?』
「私の友人。 そして、このゲーム最強のプレイヤーですよ」
『ボス討伐お疲れ様、セツナ。
肉弾戦になったころからライブされてたけど見てたよ、いやーすごいレーザーだね。
あんなエネルギーどっから持ってきたんだか。
そんなもんでいい話と悪い話が1つずつ。
悪い話は、安全地帯になったと思ってるプレイヤーたちが素材を求めてそっちに行ってるって話。
いい話は、このゲームはPVPOKってこと。
それじゃあ、グッドラック!
追伸
私も行くね』
中々おちゃめな人ですね。
というかたくさんのプレイヤーですか……
このゲームの星は広すぎるがゆえにほとんど会わないんですよね。
そしてPVPが許可されているということ、そして最後のグッドラック。
やっぱりよくわかってるじゃないですか。
『面白そうな人じゃん。 今度会わせてよ』
「会ったことありませんでしたっけ…… ああ、まだリアが覚醒する前だから見れていないんですか」
『そういうこと。 じゃあ約束ね…… と言いたいところだけど、そろそろ来たみたいだよ。そのプレイヤー達が。 ほら、上』
「上…… ああ、あれですか」
崖の上を見ると、何やら小さい人影のようなものが見えます。
あれがミロクの言っていた素材目当てに来たプレイヤーってやつですかね?
『で、どうする? やる?』
「もちろん。 私の体の性能も知りたいですしね」
背中の羽にエネルギーを送り込み、崖の上まで急上昇します。
「少し運動と行きましょう!」
『おー!』
これで第2章〆となります!
第3章は1本の番外を挟んでから投稿となります。
感想、レビューよろしくお願いします。
もしポイントを入れてないようだったらポイントもお願いします!
追記
やっとプレイヤー同士のお話が書ける