表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/209

51- 【龍血晶】

 「ん…… あ……」


――見事に食われましたね……


 どうやら体内は液体金属でできていたらしく、私にピッタリ合うように冷たいものが密着しています。

なぜか呼吸はできているし、ビルドアーマーも生きていますが液体金属の空間がどんどん狭くなっているので死ぬのは時間の問題でしょう。


 というかさっき話しかけてきた人は誰ですか……?


「っつくぅ!」


 液体金属の圧力で腕が折れましたか……

これで腕のスラスターは使えなくなりましたね……


『ねえねえ、このままじゃ死んじゃうよ? 頑張って作ったこの機体がなくなっちゃうよ?」


 別に死んでも問題ないですよ。

オルドルの効果でデスペナルティはありませんので。

死に戻ったらまた攻略方法を考えないと……


『それはあなたが抵抗しなかったが故の慈悲。 今のあなたはあの秩序オルドルに抵抗したからその効果は切れてるし、むしろ秩序オルドルの憤怒によってすべて失うかも』


 そんなこと言われてももうオルドルのお腹の中なので死ぬのは確定しているんですがね。

ビルドアーマーのエネルギーがほぼ枯渇しているのにどうやって脱出するんですか。


『知りたい? どうしよっかなぁ』


 もったいぶらずにさっさと教えてくださいよ。

そういえばあなたは一体誰なんです?


『私の名前はリア。 あなたの【龍血晶ドラゴンブラッド】に封印されたとでも言っておけばいいかな。 詳しく説明したいところだけど時間がなさそうだから単刀直入にいうね。 これ借りていい?』


 これというのはビルドアーマーのことですか?

それだったら自由にしてください。

どうせ壊れますし。


『わかった、ありがと。 それじゃ、しばらく借りるね』


 リアがそういったとたん、目の周りが包み込まれるようになり、意識が落ちていきました。



「さて…… 早速暴れようか! 【円環之龍ウロボロス】起動!」 


 私、リアはオルドルを倒すために【龍血晶ドラゴンブラッド】の力を開放する。

オルドルの内部で空間が限られているにも関わらず、無理やりビルドアーマーを変形させる。


 本体であるセツナの意識は【龍血晶ドラゴンブラッド】に押し込んであるから私がやられるとお互い死んじゃうからね。

 何とかしないと。


『ギュルガァ!?』


「よし! 成功!」


 【円環之龍ウロボロス】の効果の1つは【龍血晶ドラゴンブラッド】から動力水晶にエネルギーを戻して無限に得るという離れ業を行えるようにすること。

 これによりエネルギーは【龍血晶ドラゴンブラッド】か動力水晶が壊れるまで増え続ける。


 そしてビルドアーマーも【円環之龍ウロボロス】にふさわしい形に姿を変えていく。

背中のスラスターは効果をそのままに大きな龍の翼に、そしてレッグアーマーは龍の足のような大きな爪が、アームアーマーにも大きな爪と大砲に形を変えていた。



 もしセツナがこの技を使っても1秒もしない内大爆発が起こるが私、リアだからできる技だろう。


「どおりゃっせい!」


『グゥガ!』


 リアの右足とオルドルの右腕が空中で勢いよくぶつかり合い、衝撃波を発生させる。

かなりの上空で発生した衝撃波なのにも関わらず地面にまで届き、アンドロイドの残骸が巻き上がっていく。


『キュリュァ!』


 オルドルは巻き上がったアンドロイドの残骸をすぐさま液体金属で自分に接続し、私目掛けてレーザーを放なってくる。


「さっさと落ちろ! 【アンバランス】!」


 【円環之龍ウロボロス】で発生したエネルギーを【アンバランス】によって左腕に集め、全力でオルドルの顔面をぶん殴る。

大きく吹き飛ばされたオルドルは背中の羽のスラスターを使ってリアの方まで突っ込んでくるが、エネルギーを翼に叩き込んで上昇し、回避する。


『ギュルゥ……』


「まだまだ! 【魔龍脚】!」


 エネルギーの噴射が終わったオルドルの背中目掛けて龍の足で大きく蹴り飛ばし、地面にたたきつける。

 その衝撃で【アンドロイドの墓場】のアンドロイドたちを薙ぎ払うように地面を擦っていく。


『ギュルォ!』


 地面に立ったオルドルは再度私の方を向き、にらみ合う。

咆哮をしたと思うと、体がどんどんと小さくなり、車サイズまで小さくなっていく。


「諦め――!」


 今までとは比べ物にならない速度で突っ込んできて足を切断していきます。


「ここからが第2ラウンドかな?」


 目の前には、戦艦と見間違うようなサイズだったオルドルとは思えないようなサイズの小さい龍が空を飛んでいました。

 


追記

私はこういう他人が乗っ取って体を動かすというのが好きなのです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ