49- ミロクの種明かし
ミロクとの合流地点に行くとミロクが突っ伏してプルプルしています。
「ふ、ははは! まさか! 山に直撃するとか! あ、駄目だ! お腹が痛い…‥」
「笑いすぎじゃないですかね?」
「だって! あれ見てよ!」
ミロクが指さした方にはこの辺りで一番大きな山がある方向のはずです。
あんなに小さかったでしたっけ?
もう少し鋭かったはずでは……?
「セツナが超スピードで突っ込んでいってそのままどっかーん! それだけならまだしも山の山頂をあそこまで消し飛ばすなんて! はっはっは! どんな超エネルギーなのさ!」
そしてまたミロクは高笑いし始めました。
――今、ちょうどビルドアーマーを召喚できるようになりましたね。
ちょっと一発お見舞いしてやりましょうか。
即座に召喚、装備し【チャージ】を開始します。
「――ミロク」
「へ?」
「流石に笑いすぎです」
至近距離のミロクに向けて【ドラゴンブレス】をぶちかまします。
チャージ時間が短いのでそこまで最高威力ではないですがそこそこの威力はあるでしょう。
まあミロクのことです、殺しても死なないと思います。
ミロクの性格だと大体この後後ろに回っていると思います。
なので先回りです。
「なかなかの火力あるじゃんセツナ」
「さらに後ろですか……!? むぐ」
ジジジという音と、ミロクの声がさらに後ろから聞こえてきたので振りむいてみるとオレンジ色の半透明の指が私のほっぺをつついています。
「ふふ、成功!」
「そんなのはいいんですよ。 それより体どうなってるんです? 大丈夫なんですか?」
オレンジ色の半透明の物から元のミロクの体になっていき、数秒のうちに完全にもとに戻りました。
HPが減った様子もなくピンピンしています。
「これ? 私の種族の効果。 どんな種族かは流石に言えないけどね」
「へぇ……」
そういえばネロもキツネ耳持ってましたね。
あれがどんな効果があるか分かりませんけど。
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ミロクから話を聞いた後、【亜音速】の調整を行います。
流石にあの最高速度では曲がることができませんからね。
最高速度で真っすぐ飛ぶだけなら行けますがまた何かにぶつかって爆死がオチです。
「よくもまぁ、あんなピーキー機体をこんな短時間でマスターしたねぇ……」
「結局チャージ時間を短くすればいいだけでしたからね」
動力水晶すべてのエネルギーではなく、大体3分の1くらいのエネルギーなら曲がれるし制御が容易なことが分かりました。
「そんなこと言っても結構難しいと思うんだけどなぁ……」
「結局オルドルを倒したらまたこの機体は素材ですよ。 私はあのボスを倒したいがためにこの機体を作ったんですから」
「――そっか。 そういえばボス行くって言ってたっけ。 いつ行くの?」
「今から決行ですけど」
「さっすが」
「それじゃあちょっと行ってきますね」
「吉報を待ってるよー」
それじゃあ行きましょうか。
打倒、オルドルです。