41ー イクスエルツ大研究室の強化ロボット
『――まあいい。 火力は申し分ないからな!』
「さっき意気揚々と展開した翼をしまいながら言っても全然決まらないと思いますがね」
『うるさぁい! こいつでもくらうがいい!』
中央の球体から光の粒がロボットの左腕の大砲に集まり、レーザーが発射されます。
レーザーなので速度は中々ですが太さが全然です。
これなら簡単に避けられ……!?
避けたはずのレーザーが後ろから伸び、リルの背中の装備を貫通した後、もう一回壁に衝突し消滅しました。
「壁に当たって反射している! 死角からの攻撃に注意しろ!」
「「了解」」
ルイスは普段のアサルトライフルを、リルは背中の壊れてしまった装備を解除しルイスと同じくアサルトライフルを装備しました。
『何人だろうがここから消し去ってくれる!』
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ケイがロボットが大砲をチャージするスキに突っ込み、アサルト二人が後ろから、追撃します。
「ケイ! 背中借りますよ!」
ケイの背中を踏み台にしてロボットの上からパイルバンカーを発射します。
『いい攻撃だ。 だが通るわけがない』
ロボットはさっき仕舞った羽を展開し、全方位の攻撃を防御します。
機動用の羽かと思っていましたがそんな使い方もできるんですね。
展開した翼の隙間から大砲が伸び、一番前にいたケイに向かって発射されます。
レーザーはケイの右わき腹を掠め、壁に衝突します。
反射したレーザーは天井にぶつかり再度反射し、部屋の中央にある球体に衝突しました。
【フュージョンコアの損傷を確認しました。 残存耐久80%】
――なるほど。 ここの目標はロボットの破壊じゃなくてこのフュージョンコアの破壊が目標ですか!
すぐさまロボットから距離を取り、パイルバンカーを球体に向かって発射します。
ですが紫色の障壁に阻まれてろくに刺さる気はしません。
『神聖なものに触れるんじゃない!』
ロボットがコア近くにいる私ごと消し飛ばそうとレーザーを発射します。
私はそのレーザーを難なくよけ、コアの紫色の障壁にレーザーが反射し、壁に消えていきました。
「反射したレーザーだけというのもまたいやらしいですね!」
『やかましい! さっさと消えるがいい!』
背中の羽の先端が8つに分裂し、空中に浮いて砲身の持つドローンのように変形します。
そのドローンから発射されるレーザーはケイたちを狙います。
「レーザー発射の砲門を増やしただけだと思ったが反射もしないのかよ!」
「こういう細かいのは任せといてね。 リルもアサルトを装備したからにはよろしくねぇ」
「頼んだぞ!」
ドローンはリルとルイスに任せ本体のロボットにケイは向かってきます。
「攻略方法の説明はしなくていいですよね?」
「ああ、さっさとこのコアを破壊させてこんな地下からはおさらばしようぜ」
『さっさと散るがいい! 【強化】』
ロボットは背中の羽をさらに大きく展開させます。
ここからが正念場のようです。
ケイは大剣をロボットに向けて構えなおし、私もパイルバンカーから杭を取り外し剣のように構えます。