38- 硬い敵が一番厄介
『ギュィィン…』
2体の黒いドラゴンがこちらを見たままたたずんでいます。
「リルは弱点を探れ! 俺らはそれまでリルの防衛だ!」
「了解しました」
「任せといてぇ」
前に戦った似たようなやつ…… ポカダムは足を再生させてエネルギーを使わせた後、エネルギー切れの時にとどめを刺して倒したんですよね。
面倒なので頭から狙いますが。
ドラゴンの頭に肉薄し、ゼロ距離でパイルバンカーをぶちかましてドラゴンを吹き飛ばします。
「ナイスだセツナ! 【バスターソード】!」
よろけたドラゴンをしたから大剣を振り、ドラゴンの体重を利用して足を切断します。
『足1本だけでいい気にならないことだな! 上の失敗作とは段違いのエネルギー量だぞ!』
ドラゴンは即座に後ろに下がり攻撃を受けなかったほうのドラゴンが前に出て大きな爪をこちに振り回します。
「くっ…… 何だこの重さは……!」
ポカダムの攻撃を受けた時よりも腰が低いですかなり重いことが分かります。
「解析出ました! ――何ですかこの装甲値は…… あまりに高すぎる!」
今回は解析が早いですが結果が不穏ですね。
「でも足の切断できましたよ?」
「はい。 あの足は本体じゃなくドラゴンの武器扱いなので直接的なダメージにはなりません。 本体のエネルギーを削ることができますがエネルギー切れを狙ったら倒すのに3日はかかるでしょう」
「つまりこいつを倒すことはできないってわけか! くそったれが! 【弦月】!」
リルが大剣を横に振り回してドラゴンとの距離を作ります。
前線を張れるのがケイしかいないので流石に2体同時は辛そうです。
「私の攻撃も無理だったりする?」
「私たちの持ってる武器であの装甲をぶち抜けるのなんてセツナさんの【ドラゴンブレス】ぐらいですよ。 若干オーバーキルですがね」
「頼ってくれるのはありがたいですけど無理ですね。 チャージしながら動ける大きさじゃありません」
常々大きく作りすぎたと思いますね。
まああのサイズありきの火力みたいなところありますけど。
「セツナ! お前なら前線張れるはずだ! パイルバンカーの杭でも何でもいいから手伝ってくれ!」
「わかりました! でも期待しないでくださいよ!」
まさか杭2本持ってエネミーと交戦する日がこようとは。
「セツナさん、【ドラゴンブレス】を貸してください。 何とかして見せます」
「――わかりました」
何か策があるんでしょう。
じっと私を見てきた目にはそんなのを感じました。
――何もなかったら帰った後でオシオキですが。
「防衛は任せといてねぇ」
「よろしくお願いしますよ!」
さて、私は棒二本であのドラゴンを何とかしなくては。
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