37- 力学的解決法
リルの地図を頼りに赤い光のところまで進んでいくと大扉にたどり着きました。
そして扉の中央には勾玉が2つ組み合わさったようなくぼみがありますね。
というかこれもはや確定じゃないですか。
「青い光はサブクエストじゃなくて鍵の場所だったか……」
「無駄足みたいだったねぇ…… 諦めて鍵取りに行こうかぁ」
「――セツナ、一発やってみてくれ」
おっと、ご指名です。
言われたからには扉のノックと行きましょう。
「わかりました。 耳を抑えておいてください!」
耳栓を付けて【ドラゴンブレス】のチャージを開始します。
自由には動かせませんが固定砲台としてなら何とか使えますね。
チャージが終わったので【ドラゴンブレス】をぶちかまします。
【ドラゴンブレス】から放たれたレーザーは扉にぶつかり、吸収されていきます。
【ドラゴンブレス】のレーザーが止むと、目の前にはどろっどろに溶解した赤くなった扉だったものが散らばっていました。
「流石の威力です」
結果に満足しつつ、破裂したバッテリーパックの交換をしていきます。
――そろそろ弾切れが近くなってきましたね…… どこかで補充しなくては。
「すっげぇ…… けど何も見えねぇ」
扉があった場所は白い煙でおおわれてしまっていますね。
ですが穴は開いたので冷えれば通れるでしょう。
「――皆さん。 青い点が一斉に消滅しました」
「扉があいたから鍵が必要なくなって消滅したんだろ。 絶対正攻法じゃないだろうがな」
「これが正攻法だったら【ドラゴンブレス】をもってない人はどうするんですか」
それだとミロクか【魔剣】くらいしか突破できそうな人が思いつきませんね。
「まあ突破できたしいいじゃない。 そろそろ煙も引いてきたし行こうよぉ」
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私たちが扉だったものを通り抜けるとその先には最初に逃げた細身のロボットがパソコンを操作していました。
『な! お前たちどうやってここまで…… というか後ろのアレは何なんだ……』
「ここに入るための扉…… だったものです。 ノックしても反応がなかったので」
『あの轟音がノックなわけがあるか!』
「いいえノックです。 多少長かったかもしれませんが」
こいつ本当にロボットですかね?
異様に人間臭いです。
『はぁ…… 全く、防衛用のロボットが意味をなさなくなったではないか……』
多分青い点にいたであろう鍵を持っているはずのロボットでしょうね。
スルー出来たのは大きいです。
『ん? ああ、そうか、まだ残っているのか……』
「何か嫌な予感がするねぇ……」
「そうだな。 リル、分析の準備をしておいてくれ」
「はい!」
『タイミングが少しおかしいが順番通りに戦ってもらうとしよう!』
そう言い、ロボットが目の前のボタンらしきものを押すと私たちと細身のロボットを分けるように金網がせりあがり、2体のキュウリのようなものが降ってきました。
『ここの研究を存分に利用した私のお気に入りだよ。 ゆっくり楽しんでいってくれ!』
目の前のロボットが起き上がるとキュウリの中央あたりから黒いオーラが出始め顔と足といった体のパーツを構成していきます。
「ポカダムの成功個体って感じですかねぇ……」
その見た目はまるで真っ黒なドラゴンのようでした。