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33- 虎子はなかなかに大きい

 穴に入って数分、いまだに穴の底は見えませんです。

スラスターを使って減速しているからとはいえ、そろそろビルドアーマーのエネルギー的にも心配になってきました。


 壁を走る小さいポカダム達はこちらを攻撃してくる様子はないので安心して降りることができますがこのままだと落下死が心配になってきます。


「みんな、ちょっと急がないとやばいかもぉ」


「「「え?」」」


 3人が異口同音で反応をする。

上を見てみると少し遠くの方に黒い壁が迫て来ているのが分かります。


「あー…… そうですよね、薙ぎ払うといっても道を開けただけですし、残った分はこっちに突っ込んできますよね」


 巻き込まれないようにスラスターでの減速をやめ、落下スピードを上げていきます。

ケイも同じようにしたのかどんどんとスピードが上がって行っています。


「このスピードで追突すればひとたまりもないですよ」


「ああ、そうだな! 着地の逆噴射を忘れるなよ!」


 私たちはどんどんと穴の底へ落ちていきます。



 穴を落ちてしばらくすると壁の感じが岩から近未来的な研究所のような壁に切り替わり、下を見ると遠くの方に地面のようなものが見えてきました。


「着地の衝撃に備えろよ!」


「わかってますよ!」


 ビルドアーマーの全出力をスラスターでの逆噴射に使用することで落下エネルギーを相殺し、無事に着地することができました。


「ボケっとするな! 来るぞ!」


 着地と同時に即座に中に入ると薄い膜のようなものを貫き、ポカダムの群れはその膜に防がれるように穴に詰まっていきました。


 どうやら中には入ってこれないようです。

とりあえずは一安心ですかね……


【【量産機マスプロモデル】のエネルギー枯渇。 【量産機マスプロモデル】の稼働を停止します】


 安心と思ったらこれですか。

ビルドアーマーからすべての光が消え、【ドラゴンブレス】と大剣を残して消えてしまいました。


「残念ながら俺のビルドアーマーも駄目みたいだ。 ここからはプレイヤーの力で行くしかないな」


「【探索サーチ】もかけていますがジャミングされているのか全く使えません。 用心を」


 流石に私の力では【ドラゴンブレス】と大剣を満足には使えないので今まで取った素材をサクッと加工しパイルバンカーとその弾を作ります。


 最低限ではありますがないよりかはマシでしょう。


【職業 メカニック のレベルが上がりました】

 

 ――今来ますか。

今の今まで確認を忘れているのでいつか本当に確認をしなくては。 


【ダンジョンクエスト 『イクスエルツ大研究室』 を開始します】


「――これは?」


「ダンジョンクエスト。 特殊条件下で強制発動するっていうクエストのことだ。 素材を軽く集めに来ただけなのにまさかこうなるとは思いもしなかったな……」


「こういうクエストの報酬はおいしいっていうのはよく言うねぇ」


 なるほど。

 情報屋のおじさんがこのことを知っていたかは知りませんが塩漬けどころか超有用物件じゃないですか。

 さて、鬼が出るか蛇が出るか。

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