31- おかわり入ります
前話を少々変更しました
話の内容は変わってないのでどんどん読んでってください
「こういうエネルギーで形成されたエネミーなんてのもいるんですね。 知りませんでした」
ポカダムが衝突した場所を見ると最初のキャラクリエイトの時に見たサッカーボール君を真っ二つにしたような機械が転がっています。
なんというかこの惑星に出てくる敵にしては異質…… オルドルの周りの荒廃した場所と似たような空気を感じますね。
「ああ、確かにいる。 別の惑星…… 【アルデバラン】とかにはちょいちょい見かけるが【アース】で見かけたことはない」
「でも【アルデバラン】のエネルギー兵ってもう少しかっこよかったけどねぇ。 こんな足をわらわら生やして攻撃なんてしてこなかったよぉ。 唯一エネルギー兵っぽかったのはレーザーくらいかなぁ」
「僕のデータベースを見ても似たようなエネミーはほとんどいません。 ですが足の形状は様々なエネミーの足に酷似していますね」
「リルさんって本当に優秀ですね」
「へ! い、いや、ただ僕がやりたいことをやって行ったらこうなったっていうか…… その……」
「リルのスキルはこういう裏方に関しては随一だ。 リアルの図書館、そしてアナザーコスモスの図書館にも籠ってたもんな」
「リアルの話を持ってこないでくださいよ! 他の人もいるっていうんですから!」
「おっと、そういやそうだった」
二人はリアルで知り合いみたいですね。
息のあった連携も納得ですね。
「別に、私は気にしませんよ」
「それならいいんだが…… さて、これからどうしようか。 俺からとすれば撤退するよりかはここでビルドアーマーの修復をしてさらに奥に行きたいところなんだが」
「いいと思います。 私ももう少し素材集めたいですし」
「僕は任せます。 ルイスもそれでいいですか? ――ルイス?」
そういえばしばらく会話に入ってきてなかったですね。
ルイスの方を見るとなぜか固まっています。
「あわわわわ……」
「――うわぁ……」
ルイスの見ている方を見るとポカダムのサイズを小さくしたような黒い球体が最初にポカダムが開けた穴からわらわらと這いずってきています。
こうして群れると本当にゴキブリみたいですね。
とてつもなく気持ちが悪い。
「全員あのマグマの孤島に退避! セツナはルイスを担いで移動してくれ!」
とっさにケイの号令が響きます。
「ごめんなさい。 失礼します」
「へ? わわわわ」
ポカダムの小さいのを背に、ルイスを担いでマグマの孤島までスラスターを使って移動します。
リルもケイに担がれて飛んできました。
「何だこの数…… 近くにちょうどいい足場が合って良かったな……」
パッと見るだけでも数100匹以上の子ポカダムがいます。
幸い、壁や天井を渡ってくることはないようですが完全に包囲されてしまいましたね。