29- 探索続行
「にしても【量産機】でどうやってここまで…… あのドラゴンはどうした」
「あのドラゴンならしっかり倒しましたよ。 結構楽でしたね」
「あのドラゴンの攻撃ってビルドアーマーの弱点攻撃ばかりだから面倒くさいんだよねぇ。 HPが少なくなってくるとスピードと球数が増えて大変なことになっちゃうし」
「あのドラゴンそんな芸当ができたんですか」
【ドラゴンブレス】で消し飛ばしちゃったので見れなかったですか。
「そう。 だから3人の中でビルドアーマーが生きているのはケイのだけなんだぁ。 それでも壊滅状態だけどねぇ」
「そう思うと運がよかったです。 ビルドアーマーがないと素材集めの効率が落ちてしまいますから」
「やっぱりこんな辺境に来るくらいだしやりたいことは一緒だよねぇ。 私たちも2回目だけどホクホクで帰れるんだぁ。 そうだ! 一緒にパーティ組まない? 戦力は多い方が安全だしぃ」
「俺からも頼みたい。 戦力が増えるのは心強いし、【量産機】とはいえ、採掘できるビルドアーマーが増えるのは効率的にもいいからな」
「わかりました、お願いします」
【ケイのパーティに参加しますか】
ハイ…… っと
「これでいい。 じゃあ早速出発と行こう」
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私たち4人は洞窟の奥深くへと進んでいきます。
道中の敵は私とケイで前線を張り、ルイスとリルが後ろからアサルトライフルで攻撃し倒します。
途中でまたさっきの亀が出てきましたが、3人曰く「ボーナスモンスター」とのこと。
「この亀は動かないうえにこの辺のレア鉱石をかき集めてくれる習性がある。 そのせいでこの辺じゃレアは出なくなってしまうがな」
そう言い、ケイのビルドアーマーはピッケルで亀の甲羅のど真ん中を貫き、一発で絶命させました。
――私の倒した亀のドロップ品は甲羅だけでしたけど今回はしっかりと鉱石がドロップしました。
何ででしょうかね。
「にしてもここかなり大きいですね。 素材もなかなかです」
「この上の剣山の下にアリの巣みたいにはりめぐされているらしい。 でも入り口はあの大穴だけだ。 マッピングをしっかりやってないと帰るのがめちゃくちゃに大変になる」
『ズゥン……』
「――? この音は?」
「まあ待て。 リル、頼む」
「任せてください。 【探索】 ――何でしょうこの陰影、見たことないですね…… やばいです! 全速力でこっちに向かってきています!」
リルの言うエネミーがどんどんこっちに来ているのか地響きもどんどん大きくなっています。
「うわぁ…… 何これぇ…… クモ?」
地響きを鳴らし私たちの前に現れたのは直径2メートルくらいの黒い球体に、大中様々なサイズの昆虫足を10本以上持った気持ちの悪いエネミーが穴から這いずってきました。