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23- 番外 アナザーコスモス最大のオークション

もうちょっとだけ続くんじゃ

「おいおいおい、何なんだよこの人だかりは!」


 ここはVRゲーム、アナザーコスモス内のオークションスペース。

普段開催されるオークションでも数100人程度、だが今回は軽く数千人は超えていた。


「知らないのですか? 今回の商品は個人が運営に依頼をしたという凶器的な代物ですよ」


 隣の男が話しかけてきた。

 情報屋名物の胡散うさん臭さは毎度のことだな。


「前に1度だけ運営に依頼した代物を見ましたがその時の換金額は10億ビルドを超えていましたね。 動画サイトで見たことありません? 落札時の盛り上がりが上がっていたと思うんですが……」


「10億…… 日本円で100万円換算かよ…… 確かにそのオークションの動画は見たけどよここまでの人だかりはなかったぞ?」


「つまりそれ以上の代物が出品されるってことですね」


【まもなくオークションを開催いたします……】

 

 隣の男が話を切り上げると狙ったかのようなタイミングでオークションが始まった。

観客の大歓声とともにステージの幕が開くと、そこには1対の剣と盾、そして勇者のような見た目をした1台のビルドスキンだった。



「マジかよ…… あれは……」


「アナザーコスモス最強プレイヤー【ミロク】の装備一式です。 総合アーマーネーム【聖剣カリバーン】、剣、盾、マシン…… どの性能をとっても最強…… いやそれさえも生ぬるい、あれを付けた状態のミロクは【全勝オールウィナー】の名を冠する化け物です」


「確か剣は視界内すべてを薙ぎ払い、盾はすべての攻撃を跳ね返し、鎧はそのすべてを制御しなお余る性能……だっけか?」


「掲示板の謳い文句まんまですねそれ。 まああながち間違ってはいませんが……正解はこれを見てください」

 

 そう言い、男は1通のメールを送ってきた。


 『剣ー性能 測定不能 少なくとも全武器最大射程の超大型重力粒子砲クアンタムグラビティキャノン以上 ミロクの反撃により粒子砲ロスト。


 盾ー性能 測定不能 最高威力の暗黒砲ブラックホールキャノンを反射、暗黒砲ブラックホールキャノンロスト。

反射の射程は剣以下であることが判明。


 ビルドアーマー ―性能 測定不能 動きがすさまじくプレイヤースキルによるものかシステム依存なのか判断不明』


「確かに俺以上の情報だけどもさ……なかなかにひどくないか?」


「俺ら情報屋がミロクに何回も喧嘩売って返り討ちにされた結果ですよ、そんなこと言わないでくださいよ」


 確かにすさまじいということだけは分かる内容ではあった。

 

 情報屋でもこのくらいの情報しか集められないのだ。

あれがどれほど破格の性能なのかは想像に難くない。


「そろそろメールは閉じた方がいいですよ。 巻き込まれますよ!」


 男がそういった瞬間すさまじい怒号が飛び交った。



 どうせ買えないということと、あの怒号に参ってしまった男はオークションエリアのバルコニーで休んでいた。


「どうでしたか、オークションは」


「ん? ああ、情報屋か。 すさまじいのなんのって途中で抜けてきちまった。 どうせ買えないしな」


「合計約1兆ビルドで落札されました。 一応教えておきましょう」


「すさまじいな……」


「額もすごいですが、買ったプレイヤーの方も問題です、ゲーム内のパワーバランスが崩れます。 ま、情報屋からすれば仕事が増えてカネが入るからいいんですけどね」


「やっぱりぶれねぇな、情報屋ってのは」


「はい、私どもは平常運転で行かせていただきますよ。 おや? あれは……?」


 情報屋の目の先にはあの最強装備をオークションに出した張本人、ミロクがバルコニーの外を見ていた。


これで番外は終了、それと同時に第1章もおしまいとなります。

感想、レビューよろしくお願いします。

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