173- 内ゲバ
「これで一番重い3体は持って行ったかな?」
「多分無限に出てきそうではありますが」
「確かに。 実際倒した偽セツナは出て来たし」
「どこかに偽物を発生させる機械があったりするのかな?」
「ミロクの持論の運営の調整無いような気もするけどねぇ」
「――確認のために進んでみます?」
「やめとく。 ほーら持った通り、ストラのお呼び出しだ」
「タイミングがいいというか何というか」
「理由は上を見てみて」
「上?」
上…… 上……
あ、上空に戦闘機が見えますね。
こうやって情報を入手していたわけですか。
「多分暴れたのを見てたんだろうねぇ。 飛んでいってストラの場所まで行こうか」
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やっぱり星1つともなると少し動くだけでも大移動です。
中々に遠い。
というかマナはどこか行ってしまいました。
アーマーの損害が大きかったんですかね?
「とりあえずはお疲れさん」
「ストラも大変そうですね」
「ああ、あの偽物ども厄介すぎる。 幸いにも3人の偽物は来なかったけどな」
「良かったじゃないですか」
「本当にな…… それでも被害甚大。 ミロクのチームはどうなってる? 集まってるって聞いたが」
「私のチーム? 自由人ばっかりだから読めないんだよね」
「一番の自由人が何言ってるです」
「うわ! ――お久しぶり…… ですかね?」
ストラの後ろにいたのはネロです。
何か久しぶりに会話した気がしますね。
「うわって言うのは酷いです。 こっちも結構大変なんです。 具体的には3人が暴れまわるせいで相手も活気ついて狙撃が間に合わないです」
「途中で合流してな。 15人近くの遠距離部隊を連れてたからうちの狙撃部隊に編入した」
「間に合わない…… 私が行きましょうか?」
「私の仕事がなくなる」
「それは失礼」
「団長のチームは入出団自由です。 むしろチームという箱があるだけって感じです。 だから基本統率なんてないんです…… でも今回は珍しく統率取れてたらしいです。 ――あ、そうです。 サブリーダーから手紙預かってるです」
――伝言?
メールという機能があるのにわざわざ便箋で?
というかその便箋辞表とかそういう折り方……
「伝言ねぇ…… 戦果の報告か何かかな?」
「ネロも初めて開けるです…… えーと?」
『宣戦布告。 サブリーダー以下ほぼすべてのチームメンバーがリーダーへと宣戦布告させていただく』
「――へぇ」
ミロクの顔が一気に悪い顔になりました。
「こんなイベント期間中にいいんですかね?」
「それは自由なんだが…… あのミロクに喧嘩を売るか。 よっぽどの馬鹿か対応手段を持っているのか」
『なお、この作戦には【魔剣】の賛同も得られている』
「あー、そういうことですか」
確かに【魔剣】がいればそれなりには戦える…… というか最低ラインは超えられるでしょうね。
というかいつから計画されてたんでしょうね。
マナなら今さっき連絡されて乗りました。
って言われても納得できるんですけどね。
ミロクはずーっとうつむいています。
「しっかし何でまた急に」
「流石にこのイベントで堪忍袋の緒が切れたんだろう。 ミロクが目立ちすぎてサブリーダー以下はただの飾りだからな。 それなりに廃人ではあるはずなんだが…… 結局ミロクの付属品とかそういう風になってな」
「でもそういう内乱も楽しそうですね」
「そうか? 大変だぞ?」
「そういうものですか」
【軍団】リーダーのストラとだべっていますが、とうとうミロクがその口を開きます。
「――ネロ、その喧嘩買おう。 バランスとるためにセツナもそっちに付かせるのも悪くない」
「何で敵側? というか私を勝手に」
「私と【魔剣】どっち戦いたい?」
「――ミロクですかねぇ」
でも流石にこういう形で刃を向けるというのも……
「リアルの方で何かを奢るのもやぶさかで無し」
「――」
うーん、食事でつられるのも……
でも戦いたいのも事実なんですよね。
あのラインについて知りたいってのもありますが、何より本気で戦って見たいってのもあります。
というか何故わざわざ自分に不利益があるようなことを?
「もしかしてミロクも戦いたいだけでは?」
「ばれた? やってみたいだけ。 サブリーダーもどんな隠し玉持ってるか知りたいし……」
「――この戦闘狂どもが」
まさかこんな形で戦う羽目になるとは。
でも楽しそうではあります。




