１３２－ 狭い姑息そして多い
リルの地図を頼りにどんどん上層へと向かっていきます。
地図を見た時からわかってたことでしたが、中に入るとめちゃくちゃに広く、入り組んでいます。
そのくせ曲がり角にレーザー網が設置されていたり、上から降ってきたりと殺す気しかないような罠まみれです。
「――これリルの地図無しだったらどのくらいの被害が出るかわかった物じゃありませんね」
道は体を横にしないと進めないくらい狭いですし、ストラが探知用に飛ばしているアーマーが無ければ普通に罠にかかりますね。
「ああ、ただ敵が出ないのは幸いだな」
「こんな肩幅以下のスペースで出たとしても自爆するだけでしょ」
「今までそれっぽい機械兵って最初の細身くらいですしね」
一列になって進んでいると一番最初を進んでいるストラが急に動きを止めます。
「どうしました？」
地図的にはやっと大広間に到着しそうなころなので罠があるとも考えにくいですね……
「大広間に入って少ししたら何かにアーマーが潰された。 何かいるな」
「中ボスと言ったところですかね」
「まぁそうだろうな」
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狭い道を抜け、大広間に入ると目の前には大型の機械兵が鎮座しています。
今まで見た機械兵の中では一番大きく、とりあえずの見た目でいえば腕と武器がめちゃくちゃ多く、短足です。
「さーて…… ちょうど鈍ってた所です」
「やるか」
「少しは楽しそう」
「せめて協力的に行こうぜ？ 私の合図で散開してくれると嬉しんだが」
「「「了解」」」
「わかった…… 散開！」
ストラのアーマーの全砲門が機械兵に射撃したのを合図に全員が３方向から攻撃を仕掛けます。
「まぁわかってましたが全てかき消すとは！」
マナとミロクの剣と私の拳が機械兵の武器で受られた後、相手の残りの腕で攻撃されないように翼で守りながら距離を取ります。
ミロクは銃で、マナは蹴りで距離を取って再度攻撃を仕掛けます。
「まずは腕を減らしましょう！」
「了解！」
「任せて！」
両腕で腕を２本つかみ取り、マナとミロクが関節の所で切断します。
切れないわけでは無いですが、やっぱり硬さが段違いですね。
「こいつ中々硬いな 【斬黒】」
マナが技を放った瞬間、機械兵の向きが大きく変わって無くなった機械腕で受け止めています。
「――また腕生えてる」
生えてきた腕はマナの【斬黒】と同じ真っ黒な靄がかかっています。
めちゃくちゃ嫌な予感がします。
ここからは技無しの素で戦わなければいけませんね。
「マナ」
「自分でやったことは自分でやるよ！」
マナの剣が黒い靄がかかった腕目掛けて攻撃します。
お互いから今までになかった黒い火花が散っているので変化が会ったことは確かですね。
「ま、私達も仕事はしないとね。 自己強化系のスキルならあんなことも無いでしょ。 【特殊弾倉 ウエイト】」
ミロクの銃が軽く光ると同時に拳銃で撃ち抜いて着弾と同時に腕が地面にぶら下がりになりました。
「――得意分野外ですね」
殴る蹴るの近接は私の領分ではありません。
むしろこっちの領分は……
「リア」
『オッケー！ 暴れさせてもらうよ！』
変わった瞬間即座に両腕を掴み、それを軸に一回転すると同時にエネルギーを通した翼で腕をたたき切ります。
『うーん。 良好良好』
「にしても何本あるんですかね、腕」
