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127- ハーレムか脅迫か

 ストラの見ている箱は金属製の箱の中央に青い円盤がはめ込まれています。

中央の円盤以外はただの箱にしか見えませんね。


「どうする? 開けるか? これ」


「ま、明らかに怪しいものではあるよねぇ」


 4隅がねじ止めされているので中を見れそうではありますね。


「――正直中見てもいじれる気がしないんだよなぁ」


「うーん…… セツナ、できる?」


「――多分行けると思います」


 義肢を自分でいじってリミッターを外してますし、意外とそのあたりの心得はあります。

――ただ未開のゲーム技術です、中身がまともかどうかわかりません。


 とりあえずドライバーをサクッと作り出して中身を見てみます。


「――思ったより普通…… というか究極にシンプルですね…… ただパーツの意味が……」


『全部のコードが青い円盤につながってるね』


 あの果物のあった木の大体3倍近い電線が取り付けられています。

この辺りの制御パーツであることは確かでしょうが。


「セツナって意外と機械いじりできるんだな」


「結構得意よ? あの子」


「何話してるんですか?」


「何もない。 で、どうだ?」


「中身がシンプルすぎますね。 解析系のスキル持ちじゃないと何もわからないです」


「――誰か解析できる奴は?」


 全員が首を横に振ります。

まぁ思った通りですね。


「じゃ、呼ぶか。 確かあいつがいたな……」


 誰かに連絡を入れているみたいですが、中々に雑に呼びますね。

自分の影響力を理解していないというか何というか。


「来るってさ。 とりあえず遺跡に戻るぞ」



 あの機械をいじり始めてから大体20分後です。

どうやらリルを呼んだようです。


 やっぱり人脈はすさまじく広いですね。

その辺も指揮官と呼ばれる所以でしょうか。


「あ、セツナさん。 久しぶりです」


「どうも、急に呼び出してすみません」


「その謝罪はあっちに聞くようにしますよ。 で、来いとだけ連絡うけたんですけどこのメンバーでできないことって何ですかね」


 ――確かにはたから見れば弱体化しているとはいえ最強のミロク、剣使いとして名前がしれてるらしいマナ、そして指揮官のストラ。


 はたから見ればどんな無理難題を押し付けられるかわかったもんじゃないですね。


「なぁに。 少し見てほしいものがあるだけだ」


「頼んでもいい?」


「よろしくね」


『――ハーレムってこんな感じなのかな』


「ただの脅迫でしょう」


 ただやってくれそうではありますね。

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