116- リアの工作
『あ、お帰り。 終わった?』
「ええ、何とか ――何ですか? これ」
――入った瞬間目に入ったのは残骸で作られたロボットのようなものでした。
正しく言うなら何かのパーツのようなものです。
どうやら急に落ちたから肉体の制御がリアに移ってしまったみたいです。
「――変なことしませんでしたよね?」
『ここから出られなかったよ。 だから暇つぶしに作ってた』
一応の移動制限はあるみたいです。
同じ空間内かフィールド上だけか知りませんが、リアが母船内を歩くことは私無しでは無理みたいです。
とりあえずフィールド上で落ちるのはやめた方がいいですね。
「――そっかこっちはセツナだもんね」
「あなたも来ましたか、ミロク」
どうやらフィールド上で死んだ扱いになったみたいで、私の真後ろに現れました。
『やっほー、ミロクさん』
「うん。 こんにちは」
なんやかんやで仲いいですね、二人。
「で、セツナは何作ってるの?」
「これですか。 私が落ちた時にリアが勝手に作ったみたいです」
「へぇ…… 何だろうこれ、コンセントを2股に分岐させる奴みたい」
そう言われればそれっぽいですね。
『えーっと…… 羽の本数を増やせないかなって思って』
「羽の本数?」
「セツナのアーマーに生えてるあれ? 何か関係あるの?」
『――敵に教えたくないです』
「リア!」
「――ふふ、ははは。 そりゃそうだ。 別に良いよ」
「後で何でそれを作ったか聞きますからね……」
『ハイ……』
「――さて、何しますか? ミロク」
始めたのはいいですがやること決まって無いですね。
「そういえば考えてなかったね…… ちょっと待ってね、メール来た」
――そういえば落ちる寸前に誰かから来てましたね。
「ストラからか。 あら、セツナも?」
「ええ、私もストラからです」
ざっくりとした内容としては『アナイヤに来てくれ』というものです。
彼女の癖なのか説明が本当に最低限ですね。
――彼女の呼び出しなのでおそらく難題事でしょうね。
「ミロク、どうしますか?」
「やること無いし行こっか」
この後の予定が決まりましたね。
そういえばミロクは初日は用事があってイベントに行けませんでしたので、今日が初日ですよね。
「そういえばイベントの準備は済んでるんです?」
「そういやスキルの調整してないや。 ――にしても運営もひどいよね。 スキル1つしかないからコレ封印されたら私が私でなくなるっていうのに」
「確かあなたの弱体化のための構文でしたっけ?」
イベント説明の時言ってた気がします。
「うん。 私の【剣之王】は種族スキルさえも含んだ複合型。 逆にいえば【剣之王】をばらしてしまえば弱体化はするけども…… これで良し」
終わったみたいですね。
スキルの分解はアナイヤ上でできないのか、剣が消失しました。
代わりに装備したのは初めに見たハンドガンとレーザーソードです。
「あ、この状態だと私普通に死ぬからね」
「本当にスキル依存のキャラなんですね」
だからと言って弱いわけじゃないですがね。




