錬金術について-2-
「なな、シショー?」
「なんだ?バカ弟子?」
「なんでシショーはすぐ頭叩くん?うちもな気にしてんねん。」
「いや、気にしてるんならすまない。。。」
「いやいや、突っ込み入れられることじゃなくてな、叩かれたら脳細胞死んでまうやろ?うち、アホになるやん。」
「大丈夫だろ。既にバカだ。」
「でも考えてーな。叩いてへんかったら今ごろ天才になってたかもしれへんで?」
「絶対にあり得ないから安心しろ‼」
俺としたことが、錬金術に話すつもりが大分と余計なことについて話してしまった。
ここで一度仕切り直すためにバカ弟子にお茶を入れ直させることにした。別に誉めるわけじゃないがあのバカ弟子、家事スキルがすこぶる高い。料理も掃除も洗濯もなんでもこなしやがる。そういうところでは有能なのだ。バカだけど。。。
「シショーお茶入れ直したで。続きをはよー。」
「どうぞじゃねえよ。というか何勝手に自分だけお茶請け用意してんだよ。」
「シショーの棚にあったんよ。」
「俺のは?」
「これでラスイチや。」
「。。。そこは師匠に譲るべきでは?」
「年長者は若いもんにいっぱい食えや?と言うとったのを町でみました。」
「俺、まだ若い方なんだが、、、」
「なら、シショー?半分こしましょう。シショーと弟子は苦しみも喜びも分かち合うもんやと思います。」
「バカ弟子の持ってくる面倒事や、やっかい事を勝手に分かち合われてる俺は不憫なんだが、」
「病めるときも健やかなるときもやね♪」
「ちげーよ‼ほらかせ、半分にしてやる。」
そういってシショーはお煎餅を半分にしようとしはったけど、結果として3:7ぐらいの欠片が出来上がってしもた。
「シショー?男の器が試されとります。」
「うるせえ‼こんなもんで測られてたまるか。」
そういって7の方をうちにくれた。流石シショーやー♪
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「錬金術の起こりについて話したが、とりあえずは理解できたのか?」
「わかったよー。とりあえず。土がちゅーぞーで金属やから。価値高え。これすげぇやんやろ?」
「とんでもなく端折ったがそんなもんだ。」
「それでな、うちな、聞いてて思てん。」
「ほぅ。何をだ?」
「錬金術って儲からへんやん・・・うちは浅はかな男やで、また、大人にだまされた。。。」
「浅はかというかただのバカだろ?それに、そんなこと出来るなら今頃世の中金だらけだわ!」
「パンデミック?」
「そりゃ広範囲感染。菌じゃねぇ金だ。」
「はぁ、うちもミダスのおっちゃんみたいにゴールドタッチが出来ればなー。」
「ミダス王を親戚のおじさんみたいに言うな。それに触れたもんが全部金になったらメシも食えねぇぞ?」
「え?シショーに食べさせてもらえば良い。くるしゅうないでな。」
ぺしん。薄い本で叩かれる。あ、別にくんずほぐれずする本じゃないで?
「バカ弟子の分際でふざけるな!!大体メシとかはいいとして、お手洗いとか風呂とかどうすんだ?体に触れられないんだぞ?」
「おぉー、風呂はなんとでもなるとして、トイレはきついなぁ、、、自分で触ってもーたら、名実ともに金の玉やなー重たそうや。」
パーン。今朝の新聞で叩かれた。うちは、黒くて速くて艶やかなな黒い虫の気持ちが少しわかった気がした。
「アウチ(´Д`)。。。なんや、今日はめっさ突っ込むなぁ?」
「お前がバカなことをいうからだ‼」
「まぁ、これで錬金術がお金儲けにならんーってことがわかりましたわ。ありがとーシショー」
「。。。あー。いや、、、金にならんこともない。。。」
「なんですとぉー‼」
このバカ弟子、金になるとわかるとこれか、、、
「シショー?シショー♪」
「なんだ、気持ち悪い‼」
「錬金術=お金儲けは幻やなかったんや。ほんまやったんや‼」
お目目が金綺羅金にさりげなくどころかギンギンに開いてる目に俺は若干引いた。
「さぁ、シショーその錬金術の真髄を極意をはよー」
~もしもふぁんたじぃだったら~
「ふははははは、ついに、ついに俺は錬金術の全てを会得したぞぉー。これで、これで金を大量に作って売りまくれば、大儲けだー世界の覇王だー黄金王に、俺はなる‼」
「。。。ていうなー夢を見てん。」
「いや、さっきの狂ってるやつ誰だよ。」
「シショー♪」
「俺か‼バカもの。錬金した金はこまめに売れ。というかこれのどこがファンタジーなんだかわからんのだが?」
「夢オチってやつでんなー」
「お前のそのふざけた幻想をぶち壊す‼」