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大学生活は、思ったよりも刺激的ではなかった。


誤解のないように言っておくと、何も楽しくないというわけではない。


最初の月は、どの講義を選択するのかとかどのサークルに入るのかとかオリエンテーションとか、それなりに行事が目白押しで、忙しかったし充実していた。


知り合いだってできたし、もう結構仲良くなった友達だっている。


それでも、私は、どこか物足りなさを感じていた。


高校の時に大学生の先輩から聞いていたキャンパスライフというものに、私が過度のあこがれを抱いていたということなのだと思う。


キャンパスライフという甘美な響きに、根拠のない空想を膨らませて期待しすぎていたのかもしれない。


私から見たキャンパスライフの最初の一カ月は、高校の最初の一カ月と大して変わらなかった。


新しい授業、新しい友達、新しいイベント、共通点も多い。


でも、それだけだ。


「……はあ」


知り合いからは、顔は可愛いのに性格がダウナーなのが残念と言われる。


鏡で、自分の顔を見てみる。


「……」


鏡の中の少し短めのクセっ毛に今一つやる気のない顔の私が、私を見つめていた。


死んだ魚のような目をしているのは、まぎれもなく鏡の中の私だし、それをこうして見ている私自身だ。


顔の良し悪しなどと言われると自信はないが、ダウナーな性格だという評価はあながちでもないと自分でも思う。


「……って、それじゃダメじゃん」


そんな独り言をつぶやきながら、インナーを取り替えた。


今朝は、白のインナーだった。

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