2人の出会い
朝、目が覚める
また今日が始まると思いながら体を起こす
誰もいない部屋、当然であろう親はもう居ないのだから別に寂しくはない
…いや、少し寂しい気がする、この広い中を一人でいるのだから
するとインターホンが鳴る
扉を開け無くてもこの時間に来るやつは…
「ハロー!彩刀!迎えに来たよ~♪」
「あぁ桜七重、夏休み以来だな」
…この天然運動系女子みたいなのは皆美 桜七重…まぁ見ての通り、天然な力自慢の女子?だ
「今日は月曜日ー…つまり学校!」
「…今日は確かに月曜だが休日だぞ…んじゃおやすみ」
「なん、だと…だったら遊ぶ~♪」
「なんでだ!寝かせろよ休日くらい!」
「…だって暇だし」
お前は暇ならどんな人とでも遊ぶのかよ…と、思いながら仕方なく家にいれることにした…その時ふと、外に佇んでいる少女に目が行く、銀髪の…誰だろうか、この辺りでは見ないけど
「おっしゃァゲーム!ゲーム!」
「少しは静かにしてくれ…」
気のせいだったのかもう一度見た時にはそれは消えていた…
……暫く俺の部屋でゲームをさせられていたが何故か…外が気になった
黒い車が沢山流れている…何かあったのだろうか…
「…悪ぃ、ちょっと外で気分転換してくる」
そう言って黒い車が去っていった方向へ向かってみることにした
暫くすると黒い車が乱雑に止められているところに着いた
「…やっぱり何かあるのか?…てかなんで俺はこんなことを気にしているんだ…だけど…どうしても引っかかる」
周りを見てみる、特に変わったことは無い……だけど何か…
「…行ってみるか」
そうして車の前に出た途端、違和感が体を襲う
吐き気、目眩
…だがすぐにそれは収まる
そして目の前の光景に驚愕する、何故なら先程までなんてことも無かった建物がボロボロになって灰になっていたのだ
そして奥で少女が倒れているのが見えた、あの時の銀髪
すぐにその子に駆け寄る
「…よかった…まだ生きてる」
脈はあった、だがこの状況は一体なんだ…まるで天災が通り過ぎたような
だがそれ以上になんでこの少女は生きていたのか、そもそも目立った外傷がない
そんな時上の方から視線を感じた…ドロりと舐めとるような嫌な感じと恐怖、そして直感する、ここから逃げなければと
逃げる
だがどこへ
逃げなければ
何処に
こうして自身の家に逃げ込んだ、天災には意味が無いのに扉を閉め切り、立て篭もる
「…何だってんだよ…あれは…」
何かおかしい、何故なら桜七重が居ない、そして少女も担いでいたはずなのにどこにも居ない
屋根が吹き飛ぶ、なんの前触れもなく
恐怖と絶望が自身を支配する、目の前には分厚く大きな禍々しい雰囲気を放つ本
そしてそれを持った女性、それは空に立っている
女性は問う
「貴様、あの娘はどうした、連れて逃げていたではないか」
辛うじて言葉を絞るように答える
「すまないね…途中ではぐれたからな…で、あんたは何者なんだ…」
女性は答える
「私はアルス、貴様はこの世界とは無縁のようだな…だがあの少女と私を見たからには生かしてはおけぬ、済まないが…」
その答えを聞く前に動いた、死を直感してなお動こうとあがいた、だが黒い鎖に体を縛り付けられる
「…恐怖していた割には頭は回るようだな、だが私からは逃れられない」
女は何かを呟きを始める
『我が手には悪魔、汝は罪無き者、その魂我が狩り取ろう』
『ソウル…』
─俺は死ぬのか─
─まだ何も知らないまま─
─目の前からあの娘を救えなかった時のように─
─今度は俺が死ぬのか─
諦めようとした、その時だ、詠唱を遮るように焔が囲う、目の前にはあの時の少女がいた、その焔を纏い目の前の女を見据える
「…っ!? 何のつもりだレーヴァテイン!…まさかその少年が?馬鹿な!」
銀髪の少女は無言で俺の腕をつかむ、目は血のように紅くその目に俺は心を奪われた
「問います」
『一:貴方は死を恐れませんか?』
『二:貴方は世界を憎んでいますか?』
『三:私を…捨てないでくれますか?』
「…俺は…死ぬのは怖い、世界なんてクソ喰らえだ、だけど憎んではいない…そして…全て償うまで何も見捨てたりしない、そう誓ったんだ」
「…契約は完了しました、これより貴方は私の主」
その言葉と共に体を火焰が包む、焼ける感覚はない、痛みもない
─俺と少女、レーヴァテインの出会いがあった─
─突然の理不尽に襲われ、彼女に救われた─
ここまで読んでいただきありがとうございます
…ええ導入が酷い感じがありますがこの後はきっと良くなる…はずなので応援してくれると嬉しいです
ご感想等は@Negro Auraにお願いします