1.始めに……って最初に書く作品多すぎない?
「うぁあああ……」
俺はいつもの通り、自分の小説情報ページを開いて奇声を上げた。
ブクマが減っている。ここ3日連続減!
更新しても増えたり減ったりで結局ブクマ数が変わらない。
こんなんじゃ日間ランキング入りなんて夢のまた夢。
底辺ロードまっしぐら、である。
いや、俺はブクマや評価が欲しいんじゃない。
感想が欲しいのだ!
でもブクマがつかないということは読者がいない、読者がいないという事は感想もつかないのだ!
「あぁああ……」
俺は頭をかきむしりながらキーボードに向かう。
これは、小説を書く全ての仲間たちに送る不人気作家の独白である。
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底辺作家、という言葉をご存知だろうか。
某掲示板では結構メジャーな言葉であり、「小説家になろう」内でもメタなエッセイなどではたびたび登場する単語である。
具体的に言えば、ブクマ100以下の作品しかない作家のことを指す。
とはいえ、この定義は色々と語弊がある。
ぶっちゃけブクマ100というのはジャンルによって大きく難易度が変わるのだ。
ハイファンタジーのブクマ100と、SFのブクマ100では後者の方が価値も難易度も高くなる。
なぜかと言えば簡単。
ジャンルの読者数の違いである。
読者が多ければ多いほど、作品が目につく機会は多くなる。評価される機会も多くなる。そのため、人気ジャンルのブクマ100は不人気ジャンルのブクマ100よりも比較的容易に達成できるのだ。
勘違いしないで欲しい、比較的である。
容易とは言ってない。
とにかく、この話から言いたいのは底辺作家なんてひとまとめに言っても、いろいろな要素から大きく意味が変わってくるのだということ。
例えば、ブクマ100に達していなくても感想が何十件もあって評価もされている作品と、ブクマ100以上でもほとんど感想がない作品があったとしよう。
作家の方だと分かってもらえると思うのだが、これは前者の方が価値があると思うのだ。いや、ある。だって俺たちは感想が欲しいのだから!
よこせ、感想! よこせ、割烹にコメント!
失礼、取り乱した。
今のでお分かりの通り私は後者である。
定義的には底辺作家ではない。だが、心は底辺作家なのだ。
え? 何?
感想が欲しければ面白いものを書けよ……?
うるせえ! そんなん簡単にできれば苦労しないわ!
俺は面白いと思って書いてんだ!!!
申し訳ない、何度も取り乱している。
とにかく、このエッセイは心は底辺作家の私が送る、全ての頑張る仲間たちへの独白だ。というか、記録だ。
人気作家の方々には、こんなときもあったな、と笑って欲しい。
自分と同じ境遇の方々には、共感してもらえたら嬉しい。
そして、これからデビューする方々には是非、私の経験を役立てて欲しい。
次回、底辺作家デビュー篇。