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花の妖精と腹黒王太子  作者: 水無月 撫子
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剣を交えて サフィー目線


 キーン、キーン


 金属のぶつかり会う音が聞こえる。

 私、サファイアはただいま軍務将軍であるワストロフ侯爵と打ち合いをしている。


 ヒュ、ガッカーーーン、カランカラン


 侯爵の剣が宙を舞私はすかさず侯爵の首もとに剣をおく。


「まいりました。」

「お手合わせ、ありがとうございます。」

「いえいえ、こちらの方こそありがとうございます!それにしてもサファイア殿下は手合わせするたびにお強くなられている。全くもって勝てる気がしませんなぁ。」

「そんなことはありません。侯爵様がお強くなられるので負けたくない一心でやっています。」

「ご謙遜を確実に殿下はお強いです。一度、軍のものたちと手合わせしてはいかがです?」

「そ、それが一度手合わせをお願いしたのですが、どうも遠慮されてしまい、手合わせすることが叶いませんでした…。」


「そりゃあ君は私の妻だからねぇ。」


 と、そこに空気をよまないアホが約1名。

 ちっ!めんどくさいのが来た!


「あら、エディー様。お仕事はおすみですの?」

「サフィー。今、めんどくさいのが来たと思ったでしょ?」

「さぁ?」

「それはそうとサフィーぜひ私ともお相手願いたいな。」

「えぇー」

「何あからさまに。たまにはいいだろ!?」


「…わかりましたよ。…めんどくさいなぁ。」


 どうやらエディーは準備万端で来ていたらしい。忙しい仕事の合間を縫って来たんだ。相手した方が後が楽だし……。


「それでは、侯爵頼むよ。」


 エディーの声に侯爵様が頷き、侯爵様が審判をすることになったらしい。


「両者、前へ!」


 私とエディーが構えたのを見計らい次の言葉を出す。


「それでは…始め!!」


 ガゴーーーンッ!!


 普通の剣が発する音ではないがこれは普通の剣で私たちが交わす音だ。


「サフィー。いつの間にか振りがずいぶん力強くなったな。たち筋が良くなってる。」


「それはどうも。エディーは少し鈍りました?」


 私とエディーは至って普通の会話を笑顔で交わす。


 ザッ。タタタタッ。ガンッ!!


「一旦退いてバランスが崩れたそこを打つとはまた…考えがレイドそっくりだ!!」


「ありがたいですね。水銀の軍師とまで呼ばれるお兄様に似ているなんてっ!!」

 カンッカン!!


 水銀の軍師…それは我が兄でエディーの側近でもあるレイドお兄様の軍の方での異名だ。美しいプラチナブロンドを僅かたりとも血で汚さず冷たく鋭い水魔法をつかいながら、相手が凍りつくような策を思い付くことからついた異名。そのくらいにお兄様の軍師としての腕は優れている。


 キキキーン、ガン!!


 打ち合いをするなかでこれほどまでに終わる気配のない打ち合いはないだろう。


 ガンッ!!カカーン!キーン


 そうしてるうちにこれは無理だと気づいた侯爵様が終了を示すように手を挙げた。


「そこまで!!」


 ハァ。疲れた。私が今まで剣を交えた中で絶対に勝負がつかないただ一人の相手。それが、エディーだ。


「お疲れ。ありがとういい運動になったよ。サフィー。」


「いえ、こちらこそ楽しかったです。」


 でも、楽しかった。本当に。

 そう言うとエディーは苦笑したけど。昔からここまで一緒に打ち合えるのはエディーしかいなかった。だから楽しい。


「ありがとうございます。エディー。」


 最後に満面の笑みを向けた。

 一応お礼のつもりだったんだけど…。


「サフィー!!」



 このあと、レイドお兄様が脅しに…もとい…引き剥がしに来るまでエディーが私にベタベタとひっついていたことは言うまでもない……。


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