お仕置き 国王様目線
腹黒王太子、国王には弱かった!?
「だから何だ」
久しぶりに出した低い声。しかし、それほどまでに私は怒っている。
目の前には息子、エレディオールがいる。私はこの国の国王。だからこそ!!
今回ばかりは
許せん!!!!
「いや、ですから……」
たじたじとはっきりしない様子で狼狽えるバカ息子は、本当にバカだった。
このバカ息子を呼び寄せた理由___。
それは、サフィーを傷付けたためだ!
わたしのかわいいかわいい娘を傷付けた償いを必ずさせてやる!!
「それで?サフィーとはどうなったんだ。………まさか離婚などと言ったらただじゃおかぬぞ?」
「こ、国王陛下」
「よい。そなたと私以外おらぬ。」
「そ、それでは父上。サフィーとはちゃんと仲直りいたしました…。離婚は絶対にしません。」
「そうか、それはひと安心だ。…………だがしかし!!エディー、そなたの罪が軽くなるはずはない!」
「そ、そんな!父上。どうか勘弁して下さい!!」
「ハハハハッ!それは……………
………無理だ!!」
何故って?簡単なこと。
王妃と宰相が怖いから!!
「……父上…。どうせ宰相と母上が怖いのでしょう?…」
「わかっておるではないか。そうと決まればあとは早い!そなたの執務室に宰相がいるであろうからせいぜい絞られてこい!!」
「うっ!…分かりましたよ……はぁ……」
これから宰相に過酷な仕事を山のように押し付けられるであろう息子を部屋からさっさと追い出すと、愛する妻との時間のため、自分の仕事に手を伸ばした。
ーーーー
「ん?これは何だ?」
書類の山を片付け終わろうとする頃私の前には山のしたから出てきた一通の白い便箋が……。
「何だ?ステラか?」
そんなことを思いつつ開けた手紙に私は一瞬で自分の顔がひきつるのが分かった……。
「 陛下へ
これを読まれているということはお仕事はもうすぐ終わるようですね。
さて、今回の件については私はエディー、それに陛下にも失望いたしました。
子爵令嬢の目に余る行為、陛下ならどうとでもできたはずです。それについて、事が起こるまでの間対処なさらなかった陛下にも非があると思うのです。
宰相、ならびに公爵夫人との協議の結果、陛下には罰としていつもの3倍の執務をこなしていただきます。
決して逃亡なさる、なんて無謀な考えはおやめくださいませね。
あなたの愛する妃 ステリアーノ」
そ、そんな…!
確かに知っていて何もしなかった私が悪い。
ただやっぱりエディーのせいに思えるのは何故だ!!
絶対仕組んだ、絶対仕組んだ!
あいつのことだそれとなくステラに吹き込んだんだろ!!
ちくしょー!!
やればいいんだろ!やれば!!
そうして5日もの間、命からがらの執務地獄があることをこの時の私はまだ知らなかった………。
国王は王妃と宰相に弱いです。
エディーは弱いというか国王を尊重している形です。腹黒発言もやろうと思えばできたりする……