春の夜会(2) サフィー目線
更新が遅くなってすみません!
真っ白だ....。
見事に真っ白…。
え?あ?は?
あの人、貴族の常識知らないのかしら……。
「何事だ!!」
国王様のその声で飛んでいった思考が帰ってきた。
険しい顔をした国王様と同様に王妃様も自然とお顔が険しくなっているご様子…。
「私はサルビエナ・フローストですわ!エディー様の隣に居るべきはこの私ですわ!!」
『『『はァァァァァァ!!??』』』
会場は呆れた様子と殺気だった様子となりました。
貴族のご令嬢から子息、男爵から公爵にいたるまでが何を寝ぼけたことを、と呆れておられます。
「王太子殿下の隣にいるのが私ではいけないと?そうおっしゃっているのですか?」
呆れておられた貴族の沈黙を破ったのは、私でした。
「そうよ!よくわかったわね。いくら頭の弱い王太子妃もこれくらいの嫌味は分かるのね。」
その言葉で、会場は静まりかえった…否…殺気でみち溢れた。
それはそうだ。自分で言うのも何だが、私の頭は決して弱くない。頭が弱いなら今まで王太子の補佐で執務の手伝いが出来るわけがない。
国政の勉強から専門分野まで父…宰相と公爵家の専門家(研究員)たちからみっちりと叩き込まれている。
そこらの文官よりも仕事は出来ると思う。
それがだ…国王主催の夜会に王族以外が身に纏うことを許されない白のドレスを着てくる人に、私の頭が弱いだ、と!!!???
ブチッッ!!
私の中で何かが切れる音がした…。
「そうですかそうですか。私は頭が弱いと。なるほど。では、あなた様は貴族の常識を心得ていらっしゃるんですか?はい、とおっしゃるんなら笑えますわ。」
「な、なぜよ!!」
「あら、そんなこともお分かりになられないのではあなた様が頭が弱いとおっしゃった私よりもあなた様のほうがよっぽど頭が弱いですわ。」
「さっきからごちゃごちゃとあなたは誰に向かって口を聞いているの!?」
「あら、そのお言葉そっくりそのままお返し致しますわ。
私は身分をとやかく言うような者ではございません。ですが、あなた様がわかっていらっしゃらないようなのでお教え致しますわ。
あなた様はご自分の立場を理解しておられますの?」
「えぇ!もちろん!私は由緒正しき子爵家の娘!あなたは今の王太子妃という地位だけの所詮は顔だけの女。私にあなたが敬意をはらうのは当然だとおもうわ!」
え?まってよ。この人、私の実家がどこなのか知らないの!?
「あなたはいったい誰のことを言っている?」
ここで突然口を挟んできたのは意外にも王太子様でした。
「はい?誰とは?その女のことですわ!」
「その女呼ばわりとは……。呆れる。あなたは彼女の実家がどこか知らないのか?彼女の実家は三大公爵家とも言われ貴族の中心となっているユリニスト公爵家だ!現公爵は宰相として国王の最も信頼をおくものでもありその妻の公爵夫人は王妃のご友人だ。それにあなたの父、フロースト子爵は王太子妃派の人間で王太子妃命!の立派な文官であるぞ。」
「そ、そんな!!」
「衛兵!この者を別室へ!!」
王太子の鶴の一声で衛兵がサルビエナ嬢の腕をつかみ連行しようとしました…ですが、
「無礼者!離しなさい!!私を誰だと心得る!!私は王太子様の寵愛をいただく者であるぞ!!」
はぁ????
あぁしまったつい声が出そうに…。
「なんだと!?」
いやいや、私じゃありませんよ!
声をあげられたのは国王様です!
「もう、隠さなくてもいいではないですかエディー様。」
「一体どういう事なんだ!!」
本当に一体どういう事なの?
私は、冷たい目で王太子を見やる…。
あぁこいつやっぱり浮気か!!!
サフィーちゃん。疑惑が深まりエディーは大ピンチ!!