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贈物 ギフト  作者: テンペスティア
9/11

世界を壊せ

 「貴様こそ何だと思っている?親殺し」


 「く・・・・・・」


 「そういうお前は・・・でうちゃん、なんだろ?」


 デウスエクスマキナが歩み寄る。その瞳は怒りに満ちていた。


 「ふふふ、その名前、真面目に言っているのか?冗談で名乗った仮の名だぞ?

  真の名はデウス!創造と破壊の使者だ、覚えておけ!」


 「お前・・・お前は叔父さんを何処へやった!」


 歯軋りしながら朱鷺人は言い放った。しかし、その問いの答えは都合の良い物では無かった。


 「貴様の叔父?私の事か?」


 飄々としたその口振りは朱鷺人を激昂させた。


 「うわぁぁぁぁ!」


 「叔母さんはっ!どこだぁ!」


 「あいつは我輩の傀儡だよ」


 「佐倉さんはっ!天野さんはっ!」


 「見てみるかい?」


 デウスが迫ってきたデウスエクスマキナに手をかざすと、朱鷺人の視界が閉ざされた。

 その代わり、視界は天野邸に移った。


 そこで見たものは形容し難き光景であった。


 「な・・・これは・・・幻覚だ!」


 「二人はこういう関係だったのかー。フフ、貴様の一目惚れも虚しく失恋だな」


 朱鷺人の視界を元に戻すと、デウスは話を続けた。

 

 「貴様はこの世界で上手く、ズルく生きていこうと思っているが、

  良いのかそれで?」


 「・・・・・・」


 「貴様の望んでいた終焉、それは自分に都合良く世界を回すための戯言だったのか?」


 「お前は・・・何が言いたい?」


 「この世界、破壊すれば良いのさ。ここはもう潮時だ。進化の実験台であったヒトは

  汚れ、血塗られ、醜い生物が産まれた。他の生物だってそうさ。食物連鎖という名の

  パラドックスはもう見飽きただろう?しかし、我輩は貴様には見所を感じる。

  貴様の手で世界を壊し、造り、神となれ」


 「僕が神になるって事か」


 「その通りだ。神にも期限があってだな。見込みのある人間にその玉座を託すのさ」


 「僕が神になる、か・・・・・・」


 デウスエクスマキナは腕部ニードルを地面に突き刺した。

 そして、朱鷺人は応える。


 「良いよ・・・やってやる。ただ、頼みがある」


 「僕に関わった人間の僕への印象と、これからの世界の可能性を見せてくれ」


 「良いだろう。今から貴様に神の力を託す」


 デウスがもう一度手をかざすと、朱鷺人の耳に朱鷺人に関わった人々の印象が

 聞こえてきた。



 アイツ本当になに考えてるかわかんねー天津の笑顔って嘘くせーんだよキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい天津ってなんで髪の毛きんねーだろいつも世話かけたなあっちゃーまた天津の名前呼べなかったな

ー、今日も学校遅刻だしいっつもうちの床屋スルーしやがって、その髪の毛今度あったらぶったぎってやる生きてなんでアイツっていっつもヘラヘラ笑ってれんの?うちの家計考えろよどうせお前んちは裕福なんだろそんな顔しやがってお前にしか救えない命があるいっつも飯屋来てっけど親戚だからってサービスされて俺なんかいっつもかけそばだけなんだぞ人の顔を見ろよホントアイツ他の奴らの考えとか空気とかわかんねーだなwキモいしウザいんだよ死ねカスロン毛一目惚れとか超あり得ないね、でも面白ーい彼が何を考えてるかわからないやつかアイツいる意味あんのカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカスカス死ねカス



 「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 その叫びと共に地上は一瞬にして炎に包まれた。

 断末魔を聞く間もなくこの世から生物は消えた。

 

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