僕と私と、
「君は、まさか・・・あのロボットの、搭乗者!?」
「当たり。私は昨日の件で"最初に"出てきたロボットを動かしていたの」
「僕も、なのか?」
「察しが良いね。その通り、君は二体目のロボット」
朱鷺人は言葉に詰まった。
彼女の言う事は、冗談の様で、真に迫っている様でもあった。
彼女は何故自他に起こった境遇を知ったのだろう。
「何故、君は知っている?」
「僕は君に言われるまで気付かなかった」
「もしや、宇宙空間での特訓や協力者の存在、未知の存在から教えてもらったのか?」
「正解は二つ目。協力者の存在」
「そう。もう一人、このロボットを知る・・・・・・いや、"ギフト"の事を知っている
と言った方がいいかな」
このロボットの名、ギフト--
人に贈られた神の気まぐれ--
「ギフト、か」
「佐倉さん、僕もその協力者さんに会いたい。こちらも気になる事が山積みだ」
「うん、分かった。今日行ってみよ」
二人の一連の会話が終わったその瞬間、授業の始まりを知らせる本鈴が鳴り響いた。
(・・・つくづく腹が立つな。まるで人を急かして遊んでるみたいだ)
「ふふっ」
「ん?どうしたんです佐倉さん?」
「天津君って何だか、哲学者っぽーい」
「それがきっと、素直な天津君だと思うよ」
「そう、か・・・・・・」
「ありがとう、佐倉さん」
-一方、朱鷺人らが学校にいた頃、政府は自衛隊から優秀な自衛官を厳選し、
朱鷺人の住むこのn県で起こった巨大ロボットの件で調査をするため、
政府直属第二自衛事特殊部門第五特別派遣部隊、
通称「トクハ」の結成を発表した。