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贈物 ギフト  作者: テンペスティア
1/11

少年

 ー彼には、夢は無かった。

  夢を、未来を見たって今は何も変わりやしないから。


 ー彼は、天津 朱鷺人(あまつ ときひと)

  17年間生きてきて、現在の人生の感想はー


 ーこんな世界、無くなってしまえば良いのにー



 

 

 「みんなー!おはよう!」


 県立飛鳥大学付属高校、2年B組の扉を勢い良く開き、

 教室に入って来たのは担任教師の小林である。

 彼の元気さには一回り程年下である生徒達ですら着いていくのは

 困難だった。


 小林のテンションに流されている生徒の中に、朱鷺人は居た。


 「出席取るぞー!青木!」


 「はい」


 「木下ー!・・・・・・」


 (まただ。また小林が僕の名前言ってない。どれだけ省かれれば良いんだよ)


 (それに、"全員"を呼んで出席確認って、小学生かよ。面倒くさい)


 「あ、忘れていた!天津ー!」


 小林の声が朱鷺人の耳に届くと、どこか上の空だった朱鷺人の表情は

 豹変し、満点の笑顔を作った。


 「あっちゃー、また僕がおいてけぼりですね!」


 「おお、済まないなぁ」


 (ふぅ・・・・・・)


 (また、仮面を被ったな。僕)


 (無意識に僕は心理学で言う所のペルソナと呼称されるそれを付けている)


 (そうやって自他共に騙している。嫌な気分だ。)


 (だからといってペルソナを外し、素顔(ネイキッド)の状態の僕を見せる訳にはいかない)


 (否、そもそも"素顔"の僕とは一体何者だ?)


 (僕は自分を固定出来ていないのにこんな事を考えているのか)


 (今の矛盾に満ち溢れている気分、吐き気がする・・・・・・)


 ー彼は、今が精一杯で、破裂寸前の風船の様な現状を忌み嫌っている。

  だから、今を変える力を求めている。創生の前に起こる必然たるプロセス、

  "破壊"を求める。



 ーそして、その(ギフト)を彼が手に入れた時、彼はその力をどう体現させていくのだろうかー

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