旅とロリ侍
ロゼッタに連れられて長老の家に着いた。
ロゼッタに話を任せて外で待っていると家の中に通され、一際大きな部屋に連れて行かれた。
長老っぽい婆さんが奥に控えていて、隣にロゼッタ、左右にお姉様方が並んでいる。
皆様アラブの踊り子の様な格好をしていてとてもセクシー。ただし長老は見てはいけない。
「ひぇっひぇっ、お前が悠斗かね。迷い人とはロゼッタも珍しいもんを拾ったもんだわ」
「できれば拾いたくなかったのですがね」
本人を目の前に言いたい放題だ。だが良い目の保養をさせてもらったからそんなに気にならない。
「お前が帰る為には神の庭というダンジョンへ行かなければならん。そこは遠く、何より探索者としてAランク以上と認められん限り立ち入る事すらできん」
「なかなかハードだな。いつになったら帰れる事やら」
「伝承では迷い人は帰る時、来た時間、姿がもとに戻るそうだから焦る必要はないぞえ」
「なんだ、それは安心した。のんびり観光しながら目指すとするか」
「迷い人はダンジョンへの順応が高いと聞くからそれでも問題なかろう。しかしこの世界の常識がないのも辛いだろうねえ。どれロゼッタ、見習い卒業試験変わりに水の神殿まで着いて行っておやり」
ロゼッタがとてもげんなりしている。こちらとしてはとてもありがたい、優しい婆さんだ。
「心配するな、この坊主はヘタレで童貞な臭いがするから変な事にはならんさ」
「何だと糞ババア!」
前言撤回、とんでもないババアだ。
「それでどうするね、面白くなると思うが?」
「面白くなるでしょうね」
「では行くがよい。立派な巫女におなり」
ロゼッタがそう思ってくれているとは意外だ。俺は自分を面白味のない人間だと思っているのだが。
ロゼッタと一緒に家を出て、街まで案内してもらいつつ探索者ギルドや常識について説明を受けた。
ギルドの年齢制限は15歳。
ギルドはダンジョンから産出したアイテム、魔石を買い取る仲介料で経営されている。
依頼を受けると指定のアイテムを高く売れるが納期に縛られる。
ギルドランクはF〜Sランクまである。
各ランクの付けられたダンジョンを踏破する事でランクアップする。
一緒にダンジョンに入れるのは6人パーティーまで。
ダンジョンは侵入した人の体力、魔力を問題ないレベルで吸収し、それをモンスターやアイテムに変換する
モンスターは人に試練を与え、満足すると消えてアイテムを残す
試練はモンスターの種類や地域によって様々
試練を失敗したり無視をすると、裁きの女神に罰を与えられる
裁きの女神に5回罰を与えられるとダンジョンの入口に戻る
お金の単位は何故か円。千円は小銀貨、五千円は大銀貨、一万円は金貨
「とりあえずこれだけ知っていれば困らないでしょう。話してたらヴェニンの町についたわよ」
「何というテンプレ、何という中世ヨーロッパ」
「あなたが何を言っているのかわからないわ。まずはギルド登録してさらっと初心者ダンジョンに潜ってみるわよ」
「いきなりか、腕がなるな」
悠斗は武術の心得もないのに張り切っている。
ギルドに着くと猫耳で胸が豊かな受付嬢が居た。悠斗は余所見をせずに真っ直ぐ受付嬢へ向かう。
「いらっしゃいませ、探索者ギルドへようこそ。登録ですか?依頼の報告ですか?」
「2人登録をお願い、代筆は要らないわ」
「かしこまりました、こちらの用紙に記入をお願いします」
悠斗は猫耳受付嬢との会話を奪われた。
そんなことはさて置き字は日本語で書かれている、迷い人の遺産なのだろうか?
「それではこちらの水晶の上に手を置いていただいて登録は完了です、カードをお渡ししますね。再発行には5万円かかりますので注意してください。」
その後パーティーを組んで貰って依頼掲示板を覗くとロリ侍がうんうん唸っていた。
「どうちまちたか?かんわいいでちゅね〜。お姉さんが聞きまちゅよ〜?」
悠斗はギョッとした、ロゼッタがとてもよそ様に出せない顔で何か口走っている。
「むう、その話し方は止めてくだされ。拙者初心者ダンジョンへ行ってみたのだが、一階すらクリア出来なくてどうしたものかと悩んでおるのだ」
「初心者ダンジョンだけは攻略法が公表されているし私は知っているわ。せっかくだから一緒に行きましょう、是非行きましょう」
ロゼッタが暴走している、後で聞いたら可愛いものに目がないそうだ。
「それは心強い、そなたらがよければお供させてもらってよろしいか?」
「ええ、行きましょう。どこまでも行きましょう。なんなら宿にも。うふふ、うふふふふ。」
ロリ侍が仲間になった!
ロゼッタはもう駄目かもしれない!