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第39話 狙われた研究

爆発の翌日。

研究所予定地は――

軽く荒れていた。

地面は抉れ、焦げ跡が残る。

即席の作業台も半壊。

レオンはその中心で頭をかいていた。

「やりすぎましたね」

ミレナ・アストラが真顔で言う。

「かなりです」

ガルドは満足そうだった。

「いい威力だった」

レオンが即座に否定する。

「研究目的違いますからね?」

少し離れた場所で。

腕を組んでいるのは

アルベルト・グランディス。

その隣には伯爵とディラン。

アルベルトが低く言う。

「問題は爆発じゃない」

レオンが振り向く。

「え?」

ディランが静かに続けた。

「見られました」

空気が変わる。

レオンが聞く。

「誰に?」

ディランは視線を遠くに向ける。

「分かりません」

「ですが」

「確実に誰かが」

伯爵が言う。

「この規模の爆発だ」

「隠せるわけがない」

その時。

足音。

護衛騎士が走ってくる。

「伯爵様!」

「報告です!」

伯爵が振り向く。

「何だ」

騎士は言った。

「昨夜」

「研究所予定地付近に不審者」

ミレナが息を呑む。

レオンが聞く。

「捕まえたんですか?」

騎士は首を振る。

「逃げられました」

ディランが静かに言う。

「やはり」

アルベルトが眉をひそめる。

「早すぎる」

その時。

後ろから声。

「当然よ」

振り向くと――

セレスティア・フォン・アルヴェリア。

王女が歩いてくる。

「情報は漏れるもの」

伯爵が言う。

「王女殿下」

王女はレオンを見る。

「あなた」

「もうただの研究者じゃない」

レオンが苦笑する。

「ですよね」

王女は続ける。

「国家レベルの技術」

「当然狙われる」

ガルドがぼそっと言う。

「面倒くさいな」

ミレナが不安そうに言う。

「どうするんですか?」

王女は即答した。

「守る」

そして騎士に言う。

「護衛を増やして」

「常時警戒」

騎士は敬礼する。

「はっ!」

ディランが言う。

「相手が分からないのが厄介ですね」

アルベルトが頷く。

「王都の貴族か」

「他国か」

伯爵が低く言う。

「どちらにせよ」

「油断はできん」

レオンは少し考えた。

そして言った。

「だったら」

全員が見る。

レオンは言う。

「完成を急ぎましょう」

ミレナが驚く。

「え?」

レオンは続ける。

「中途半端が一番危ない」

ガルドが笑う。

「確かにな」

アルベルトも頷く。

「完成すれば」

「逆に抑止力になる」

王女が微笑む。

「いい考え」

レオンは言う。

「だから」

「一気に仕上げます」

その時。

遠くから音。

馬。

一頭。

全力で走ってくる。

護衛が警戒する。

「止まれ!」

だが馬は止まらない。

そのまま研究所の前で止まり。

乗っていた男が落ちるように降りた。

息を切らしながら叫ぶ。

「レオンはどこだ!」

レオンが前に出る。

「僕ですけど」

男は言った。

「王都から来た!」

「急報だ!」

王女が眉をひそめる。

「何?」

男は叫んだ。

「同じ技術を使った魔道具が――」

全員が息を呑む。

男は続けた。

「王都で目撃された!!」

沈黙。

アルベルトが低く言う。

「……ありえん」

ミレナが震える声で言う。

「まだ完成してないのに…」

ディランの目が鋭くなる。

「盗まれたか」

王女はレオンを見る。

「どう思う?」

レオンはゆっくり言った。

「多分」

「盗まれてないです」

全員が見る。

レオンは続けた。

「再現された」

アルベルトの目が見開かれる。

「……そんな馬鹿な」

レオンは言った。

「でも」

「可能です」

ガルドがニヤリと笑う。

「面白いじゃねえか」

王女の表情が変わる。

冷たい目。

「競争ね」

レオンは小さく笑った。

「負ける気しませんけど」

こうして――

レオンたちの研究は

「開発」から

「競争」へと変わった。

相手は不明。

だが確実に存在する。

そしてこの競争は

やがて――

王国を巻き込む

大きな戦いへと発展していく。

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