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第36話 最初の研究員

伯爵邸の応接室。

今日はいつもと少し雰囲気が違っていた。

机の上には書類の山。

その前に座るのは

セレスティア・フォン・アルヴェリア。

隣には

アルベルト・グランディス。

伯爵とディランもいる。

そして――

レオン。

「面接って」

レオンが小さく言う。

「本当にやるんですね」

アルベルトが笑う。

「研究所だからな」

王女が言う。

「優秀な人材は欲しい」

ディランが補足する。

「変な人も来るでしょうけど」

その時。

扉がノックされた。

「失礼します」

若い女性の声。

騎士が言う。

「一人目の応募者です」

王女が頷く。

「入って」

扉が開く。

入ってきたのは――

若い女性。

赤い髪。

研究者らしいローブ。

真っ直ぐな目。

王女が書類を見る。

「あなたが」

「王都魔道学院首席」

女性は礼をした。

「はい」

名前を言う。

「ミレナ・アストラです」

レオンは少し驚いた。

若い。

どう見ても20歳くらい。

アルベルトが聞く。

「専門は?」

ミレナは答える。

「魔力制御」

アルベルトの目が少し変わる。

「ほう」

王女が聞く。

「なぜこの研究所に?」

ミレナは迷わず言った。

「空を飛ぶ魔道具」

レオンを見る。

「その研究がしたいからです」

レオンが苦笑する。

「噂広まってますね」

ミレナは頷く。

「王都では話題です」

ディランが言う。

「評価は?」

ミレナは答えた。

「革命」

部屋が静かになる。

アルベルトが小さく笑う。

「言い切るか」

ミレナは真剣だった。

「浮遊魔法は昔からあります」

「でも」

レオンの図面を指す。

「群制御」

「同期魔法陣」

「これは理論的に正しい」

アルベルトの目が鋭くなる。

「理解しているのか?」

ミレナは頷く。

「ある程度」

そして言った。

「でも」

「完成してない」

レオンが言う。

「そうですね」

ミレナは続けた。

「魔力効率」

「安定制御」

「長時間浮遊」

「全部問題があります」

レオンが笑った。

「その通りです」

アルベルトが腕を組む。

「面白い」

王女が聞く。

「研究内容は?」

ミレナは言った。

「魔力安定装置」

レオンが興味を持つ。

「どういう?」

ミレナは紙を取り出した。

さらさらと図を描く。

小さな魔法陣。

複数。

それを円状に配置。

レオンの目が変わる。

「……これ」

ミレナは言う。

「魔力振動を打ち消します」

アルベルトが言った。

「共振制御か」

ミレナは頷く。

「はい」

レオンが笑う。

「それ」

「僕も考えてました」

ミレナの目が輝く。

「本当ですか?」

レオンは紙に書き足す。

「この補助陣を足すと」

「さらに安定します」

ミレナが驚く。

「……なるほど」

アルベルトがぼそっと言う。

「もう研究会始まってる」

ディランが笑う。

「面接ですよ」

王女も楽しそうに見ていた。

そして言った。

「合格」

ミレナが顔を上げる。

「え?」

王女は言う。

「優秀」

「そして」

レオンを見る。

「相性が良さそう」

レオンが苦笑する。

「確かに」

王女は立ち上がった。

「王立魔道研究所」

「第一研究員」

ミレナを見る。

「ミレナ・アストラ」

ミレナは少し震えていた。

「はい!」

王女は微笑む。

「ようこそ」

「未来を作る研究所へ」

こうして。

レオンの研究所に

最初の研究者が加わった。

だが。

本当に問題になるのは――

次の応募者だった。

その人物は

王城でも扱いに困る

危険な天才魔道具師だった。

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