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「役立たずと追放された俺、魔法陣がプログラムに見えるので最強の魔道具を量産します」   作者: れんれん


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第31話 空を飛ぶ魔道具

応接室の空気が変わっていた。

原因はもちろん――

「空を飛ぶ魔道具」

リシアがさらっと言った一言だった。

沈黙のあと。

最初に動いたのは

アルベルト・グランディス

だった。

「レオン」

低い声。

「今すぐ説明しろ」

レオンは少し困った顔をする。

「いや…そんな大したものじゃないですよ」

アルベルトの目が鋭くなる。

「空を飛ぶ時点で大したものだ」

伯爵も腕を組む。

「聞こう」

ディランも笑っている。

「商人としても興味があります」

全員の視線がレオンに集まる。

レオンは頭をかいた。

「えっと…」

机の上の紙を引き寄せる。

さらさらと線を引く。

円。

魔法陣。

いくつかの補助陣。

アルベルトの目が変わる。

「……ほう」

レオンは説明する。

「浮遊魔法陣ってありますよね?」

アルベルトが頷く。

「ある」

「だが小物しか浮かない」

レオンは紙を指差す。

「だから」

「魔力を分散させます」

伯爵が聞く。

「分散?」

レオンは説明する。

「大きい魔法陣一個じゃなくて」

「小さい魔法陣をたくさん」

アルベルトがつぶやく。

「群制御か」

レオンは頷く。

「そうです」

「それを同期させる」

アルベルトは図面を覗き込む。

そして固まる。

「……待て」

「この制御陣」

レオンは普通に言う。

「自動調整です」

「重さが変わっても安定するように」

アルベルトが顔を上げる。

「そんなことが出来るのか?」

レオンはあっさり答える。

「多分」

伯爵が笑う。

「多分か」

ディランは静かに言った。

「もし成功したら」

「物流が変わりますね」

全員がディランを見る。

ディランは机を指で叩いた。

「荷車」

「馬」

「道路」

「全部必要なくなる」

伯爵の眉が動く。

「空輸か」

アルベルトは真剣な顔になっていた。

「これは」

「国家レベルの発明だ」

レオンは慌てる。

「いやいや」

「まだ試作です」

リシアが言う。

「でも」

「レオンなら出来そうです」

アルベルトはレオンを見る。

「試作はどこだ」

レオンは少し黙る。

「庭です」

伯爵が目を丸くする。

「庭?」

レオンは頷いた。

「小さいやつ」

アルベルトが立ち上がる。

「今すぐ見に行く」

伯爵も立つ。

「私もだ」

ディランは楽しそうだ。

「これは見逃せませんね」

数分後。

伯爵邸の庭。

芝生の上に――

奇妙な箱が置いてあった。

木製の箱。

その下に魔法陣。

アルベルトがしゃがみ込む。

「これが?」

レオンが頷く。

「試作1号」

ディランが聞く。

「どのくらい浮く?」

レオンは答える。

「人一人くらい」

伯爵が笑う。

「それは十分すごい」

アルベルトは言う。

「やってみろ」

レオンは魔石をセットする。

魔法陣が光る。

ブゥン……

低い振動。

そして――

箱が

ゆっくり

浮いた。

芝生から。

10センチ。

20センチ。

50センチ。

リシアが小さく叫ぶ。

「浮いた!」

ディランの目が鋭くなる。

伯爵は驚いていた。

そしてアルベルトは。

震えていた。

「……本当に」

箱は

空中で止まっていた。

安定して。

アルベルトがつぶやく。

「重さは?」

レオンは箱を叩く。

「50キロくらい」

アルベルトは言葉を失う。

ディランは静かに言った。

「これは」

そしてレオンを見る。

「王国の歴史が変わりますね」

その瞬間。

遠くから声が聞こえた。

「伯爵様!!」

門の方から兵士が走ってくる。

息を切らしながら叫ぶ。

「王都から!」

「王城からの急使です!!」

全員が振り向く。

兵士は叫んだ。

「王女殿下が!」

「こちらへ向かっています!!」

伯爵の目が見開かれる。

「……王女だと?」

兵士は頷いた。

「はい!」

「本日中に到着するとのことです!」

ディランが小さく笑った。

「なるほど」

アルベルトはレオンを見る。

「もう遅いな」

レオンが聞く。

「何がです?」

アルベルトは言った。

「君の発明」

「王城に知られた」

リシアが小さく呟く。

「レオン…」

どうやら。

街灯魔道具どころの話では――

なくなってきていた。

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