表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/45

第28話 魔道具都市計画

翌朝。

伯爵邸の会議室には、珍しく多くの人が集まっていた。

伯爵。

リシア。

レオン。

そして

ヴァルディア公爵

アルベルト・グランディス。

机の上には地図が広げられている。

この街の地図だ。

公爵がゆっくり口を開いた。

「では始めよう」

全員の視線が集まる。

公爵は地図の中央を指さした。

「街灯魔道具の実験は順調だと聞いている」

伯爵が頷く。

「はい」

「すでに十基ほど設置しました」

アルベルトが言う。

「魔力消費は報告通り」

「従来の三割以下」

公爵は満足そうに頷いた。

「素晴らしい」

そして続ける。

「だがこれは始まりに過ぎない」

レオンが首を傾げた。

「始まり?」

公爵は地図にいくつか印をつけた。

「この街」

「全域に街灯を設置する」

リシアが目を丸くする。

「全部ですか?」

公爵は頷いた。

「夜でも安全に歩ける街」

「商人も集まる」

「人も増える」

伯爵も腕を組む。

「確かに…」

公爵はさらに続けた。

「そしてもう一つ」

今度は地図の外側を指さした。

「新しい工房区画を作る」

レオンが少し驚く。

「工房?」

アルベルトが説明する。

「魔道具製造の拠点だ」

公爵は言う。

「職人を集める」

「鍛冶師」

「木工職人」

「魔石加工師」

リシアが小さく呟く。

「街が大きくなりますね」

公爵は頷く。

「そうだ」

そしてレオンを見る。

「その中心にいるのが君だ」

レオンは苦笑した。

「責任重大ですね」

アルベルトが言う。

「当然だ」

「魔法陣を理解している人間は君しかいない」

レオンは少し頭をかく。

「まあ…」

公爵はさらに続ける。

「もう一つ」

「王都から技術者を何人か呼ぶ」

伯爵が聞く。

「ギルドですか?」

アルベルトが頷く。

「優秀な若手を送ろう」

そしてレオンを見る。

「教えられるか?」

レオンは少し考えた。

「たぶん」

アルベルトが笑う。

「その『たぶん』は信用できる」

リシアが少し嬉しそうに言った。

「研究仲間が増えますね」

レオンも笑う。

「ですね」

公爵が机を軽く叩いた。

「では決まりだ」

「この街は」

少し間を置く。

「魔道具都市になる」

その言葉に、部屋の空気が少し変わった。

伯爵がゆっくり頷く。

「面白い」

「やってみましょう」

会議はそれで終わった。

人が少しずつ部屋を出ていく。

最後に残ったのはレオンとリシアだった。

リシアは地図を見ている。

「街…変わりますね」

レオンも地図を見る。

「大工事ですね」

リシアは少し笑う。

「レオンのせいですよ」

レオンは肩をすくめた。

「そんなつもりなかったんですけど」

リシアは少しだけレオンを見る。

「でも」

「嫌じゃないですよ」

レオンが聞く。

「何がです?」

リシアは言った。

「街が変わること」

「レオンがいること」

レオンは少し照れた。

「ありがとうございます」

リシアは小さく笑う。

そして言った。

「忙しくなりますね」

レオンは頷いた。

「ですね」

その時。

廊下の向こうからアルベルトの声が聞こえた。

「レオン殿」

二人が振り向く。

アルベルトが立っていた。

「少し時間いいか」

レオンが答える。

「はい」

アルベルトは真面目な顔だった。

「王都の話だ」

レオンが聞く。

「王都?」

アルベルトは静かに言った。

「どうやら」

少し間を置く。

「商会が動き始めた」

リシアが不安そうに聞く。

「商会…?」

アルベルトは頷く。

「街灯魔道具」

「利権の匂いがするらしい」

レオンは少し苦笑した。

「もう来ましたか」

アルベルトは言う。

「むしろ遅い」

そして小さく笑った。

「どうやら」

「次の客は」

「少し面倒そうだ」

魔道具都市計画が始まったその時。

すでに。

新しい波が近づいていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ