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第23話 王都からの来訪者

レオンが「余裕です」と言った瞬間、部屋が静まり返った。

リシアは目を丸くし、伯爵はゆっくりと腕を組む。

「……ずいぶん自信があるな」

伯爵が言う。

レオンは少し困った顔をした。

「いや、あの……」

「魔道具の仕組み自体はそこまで難しくないので」

伯爵は小さく息を吐いた。

「普通の魔道具師はそう言わん」

リシアは突然笑い出した。

「ふふっ」

「レオンらしいです」

伯爵は苦笑する。

「まあいい」

「だが、その話が現実になりそうだ」

レオンは首を傾げた。

「現実?」

伯爵は机の上の手紙を一枚持ち上げた。

封蝋のついた正式な書状だ。

「今朝届いた」

そして読み上げる。

「王都魔道具師ギルドより」

レオンは少し驚いた。

伯爵は続ける。

「地方で革新的な魔道具を開発した人物がいると聞いた」

「技術確認のため、代表魔道具師を派遣する」

リシアが目を輝かせる。

「本当に来るんですね!」

伯爵は頷いた。

「三日後、この街に到着する」

レオンは頭をかいた。

「早いですね」

伯爵は少し真面目な顔になる。

「向こうも焦っているのだろう」

「地方で新技術が生まれるのは珍しい」

レオンは椅子にもたれた。

「なるほど」

リシアは楽しそうだった。

「どんな人が来るんでしょう!」

伯爵は少し考えて言う。

「おそらく王都でも上位の魔道具師だ」

レオンは興味が出てきた。

「それはちょっと楽しみですね」

伯爵は少し驚いた顔をする。

「緊張はしないのか?」

レオンは笑った。

「むしろ話してみたいです」

「王都の魔道具技術ってどんな感じなのか」

リシアも頷く。

「私も気になります!」

伯爵は二人を見て苦笑した。

「……呑気だな」

だがすぐに真面目な顔に戻る。

「一つ忠告しておく」

レオンを見る。

「向こうは確認と言っているが」

「実際は試しに来る」

レオンは頷いた。

「でしょうね」

伯爵は続ける。

「場合によっては」

「技術の譲渡を要求してくる可能性もある」

リシアの顔が少し曇る。

「そんな……」

レオンは少し考えた。

そして言った。

「まあ、その時は」

伯爵とリシアを見る。

「普通に断ります」

伯爵は思わず笑ってしまった。

「ははっ」

「本当に面白い男だ」

だがその目は真剣だった。

「では三日後」

「王都の魔道具師を迎える」

リシアは拳を握る。

「楽しみです!」

レオンは少し笑った。

だがその時、伯爵がぽつりと言った。

「ちなみに」

レオンを見る。

「来る人物の名前が書いてある」

レオンは聞いた。

「誰です?」

伯爵は書状を見て言った。

「王都魔道具師ギルド」

「首席魔道具師」

一瞬の間。

伯爵はゆっくり名前を読む。

「アルベルト・グランディス」

その名前を聞いた瞬間。

部屋の空気が少しだけ変わった。

リシアが小さく呟く。

「……王都で一番有名な魔道具師です」

レオンは少しだけ笑った。

「へぇ」

どうやら――

本物が来るらしい。

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