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第17話 伯爵邸へ

翌朝。

レオンは街の宿の前に立っていた。

空はよく晴れている。

だが気分はあまり晴れていなかった。

「伯爵か……」

小さく呟く。

まさか異世界に来て、貴族に呼ばれるとは思ってもいなかった。

村長が横で笑う。

「そんなに緊張することもない」

「いや、しますよ」

レオンは苦笑する。

「相手は領主ですよ?」

そこへ、ゆっくりと馬車が止まった。

紋章付きの豪華な馬車。

扉が開き、騎士が降りてくる。

昨日の副団長、アルドだった。

「おはよう」

「おはようございます」

レオンは軽く頭を下げる。

アルドは頷いた。

「伯爵が待っている」

そして馬車を指した。

「乗ってくれ」

レオンは少し緊張しながら馬車に乗る。

村長も一緒だ。

馬車は静かに動き出した。

街の大通りを進み、やがて中心部へ向かう。

建物がどんどん立派になっていく。

石造りの屋敷。

広い庭。

高級そうな店。

レオンは思わず外を見ていた。

「完全に貴族エリアだな……」

やがて大きな門が見えてくる。

高さ三メートルほどの鉄の門。

両側には警備の兵士。

その奥に見えるのは――

巨大な屋敷だった。

「ここが伯爵邸だ」

アルドが言う。

門が開く。

馬車はゆっくり中へ入っていった。

広い庭園。

整えられた木々。

中央に建つ大きな石の館。

レオンは思わず呟く。

「……城じゃないですか」

アルドが少し笑う。

「伯爵家だからな」

馬車が玄関前で止まる。

執事らしき男性が待っていた。

「お待ちしておりました」

丁寧に頭を下げる。

レオンは少し居心地が悪かった。

完全に場違いだ。

屋敷の中へ案内される。

赤い絨毯。

高い天井。

壁には絵画。

完全に貴族の世界だった。

やがて大きな扉の前で止まる。

執事が言った。

「伯爵様がお待ちです」

扉がゆっくり開いた。

広い部屋。

大きな窓。

その奥の椅子に、一人の男が座っていた。

四十代ほどだろうか。

落ち着いた雰囲気の男。

だが、その目は鋭い。

「君がレオンか」

低く落ち着いた声だった。

レオンは軽く頭を下げる。

「はい」

男はゆっくり立ち上がる。

「私はヴァルディア伯爵だ」

レオンは改めて挨拶する。

「お招きいただきありがとうございます」

伯爵は小さく頷いた。

そしてレオンをじっと見る。

「査定官から話は聞いている」

「魔力効率の高い魔道具を作る魔道具師」

「しかも独学」

レオンは少し困った顔になる。

「たまたまですよ」

伯爵は小さく笑った。

「たまたまで出来るものではない」

そして机の上を指す。

そこにはレオンのランプが置かれていた。

「実物も確認した」

伯爵ははっきり言う。

「素晴らしい技術だ」

レオンは少しだけ安心した。

怒られるわけではなさそうだ。

だが次の言葉は予想外だった。

「君に頼みがある」

レオンは顔を上げる。

「頼み?」

伯爵は頷く。

「私の娘がな」

一瞬、間を置く。

「魔道具に興味を持っている」

レオンは首をかしげた。

伯爵は続ける。

「君に」

「家庭教師をしてほしい」

レオンは完全に固まった。

「……え?」

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