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「役立たずと追放された俺、魔法陣がプログラムに見えるので最強の魔道具を量産します」   作者: れんれん


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第14話 魔道具師ギルド

「革命レベルだ」

査定官の言葉に、レオンは思わず瞬きをした。

「そんな大げさな……」

だが査定官の男は首を横に振る。

「大げさじゃない」

そう言うと、机の上にランプを置き、指で魔法陣をなぞる。

「普通の魔道具はな、魔力の流れがかなり無駄なんだ」

「無駄?」

「そうだ。だから魔石を大量に消費する」

レオンは小さく頷く。

確かに、この世界の魔法陣はかなり効率が悪い。

プログラムで言えば、無駄な処理だらけのコードのようなものだ。

「だがこの魔法陣は違う」

査定官は指を止める。

「処理が整理されている」

「……処理?」

レオンはしまった、という顔になる。

だが査定官は気にせず続けた。

「魔力の流れが最短だ。しかも発動条件も綺麗にまとまっている」

そしてランプを持ち上げた。

「これ、魔石どれくらい持つと思う?」

「三ヶ月くらいです」

査定官は黙った。

ゆっくりランプを机に置く。

「……普通は一週間だ」

「え?」

今度はレオンが驚いた。

「そんなに短いんですか?」

査定官は頭を抱えた。

「お前……どんな感覚で魔道具作ってるんだ」

レオンは少し困った顔をする。

「えっと……魔法陣がプログラムに見えるので」

「プログラム?」

「はい」

レオンは近くの紙を借りると、簡単な魔法陣を書き始めた。

円。

線。

符号。

だがその配置は、この世界の魔法陣とは明らかに違う。

「ここが魔力入力で」

「ふむ」

「ここが条件式」

「条件式?」

「一定量の魔力が流れたら発動するようにしてます」

査定官の目がだんだん鋭くなる。

「……続けろ」

「ここが処理部分です」

レオンは矢印を書いた。

「魔力を光に変換して、ここで安定化させます」

「……」

査定官は完全に黙った。

数秒。

そして突然立ち上がる。

「おい!」

受付の女性に声をかける。

「支部長を呼べ」

受付の女性は驚く。

「え? 何か問題が?」

「問題どころじゃない」

査定官は真顔で言った。

「大問題だ」

レオンは不安になる。

「えっと……」

だが査定官はレオンの肩を叩いた。

「安心しろ」

「はい?」

「これは怒られるタイプの問題じゃない」

そして小さく笑う。

「むしろ逆だ」

レオンは首を傾げる。

査定官は真剣な顔になった。

「お前、自覚ないだろ」

「何がです?」

査定官ははっきり言った。

「お前の技術」

「国宝級だ」

レオンは固まった。

数分後。

ギルドの奥から、一人の女性が現れる。

黒いローブ。

落ち着いた雰囲気。

鋭い目。

「支部長」

査定官が軽く頭を下げる。

女性はレオンを見た。

「あなたが例の魔道具師?」

「いえ、その……」

レオンは慌てる。

「ただの旅人です」

支部長は机の上のランプを手に取った。

そして魔力を流す。

ランプが点灯する。

しばらく沈黙。

次に魔法陣を覗き込む。

さらに沈黙。

そして。

「……面白い」

その一言だった。

支部長はレオンを見る。

「名前は?」

「レオンです」

「レオン」

支部長は椅子に座る。

「取引をしましょう」

「取引?」

「あなたの魔道具」

彼女はランプを指で叩く。

「ギルドが専属契約します」

レオンは目を丸くする。

「専属?」

支部長は微笑んだ。

「あなたは、まだ自分の価値を知らない」

そして続ける。

「ですが」

「この世界は、才能を放っておくほど優しくありません」

レオンは少し考えた。

専属契約。

つまり自由が減る可能性もある。

「少し考えさせてください」

レオンはそう答えた。

支部長は驚かなかった。

むしろ楽しそうだった。

「いいでしょう」

そして言った。

「ですが一つ忠告しておきます」

レオンは顔を上げる。

支部長の目が鋭くなる。

「その技術」

「いずれ貴族が放っておきません」

レオンは黙った。

その言葉は――

妙に現実味があった。

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