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第13話 ギルドの査定

レオンが作った魔道具は、村の中で少しずつ数を増やしていた。

最初は水を汲み上げる魔道具。

次に、畑の土を柔らかくする農具。

そして夜でも明るく照らすランプ。

どれも地味ではあるが、確実に生活を変えていく物ばかりだった。

「これは……本当にすごい」

村長は水をくみ上げる装置を見ながら何度も頷く。

今までは井戸から水を汲むのにかなりの労力が必要だった。

だがレオンの作った装置は、ハンドルを回すだけで水が上がってくる。

「村の女たちが大助かりだ」

「それなら良かったです」

レオンは少し照れながら答えた。

だが村長は真剣な顔になる。

「レオン殿。これは村だけで使うには惜しい」

「え?」

「街に持って行くべきだ。冒険者ギルドか商人ギルドに見せれば、高く売れる」

その言葉に、レオンは少し考え込んだ。

確かにこの世界では魔道具は高価だ。

だが自分の作った物がどれくらいの価値なのかは分からない。

「……そうですね」

レオンは頷いた。

「一度、査定してもらいましょう」

村長は嬉しそうに笑う。

「明日、街へ行く馬車が出る。乗せてもらえるよう手配しよう」

こうして翌日。

レオンは村長と共に街へ向かうことになった。

馬車に揺られること二時間。

やがて大きな石の門が見えてくる。

「ここが……」

レオンは思わず呟いた。

「ローデルの街だ」

門の前では兵士が検問をしている。

荷物を簡単に確認され、二人は街へ入ることができた。

中に入った瞬間、レオンは目を見張る。

「すごい……」

人の数が桁違いだった。

露店が並び、商人の声が飛び交い、冒険者らしき人々が武器を背負って歩いている。

完全にゲームや小説で見た“異世界の街”だった。

村長が笑う。

「驚いたか」

「はい……」

レオンは正直に答えた。

そのまま二人は大通りを歩き、やがて一つの建物の前で止まる。

看板には剣と盾の紋章。

「ここが冒険者ギルドだ」

中に入ると、さらに賑やかな空間が広がっていた。

酒を飲んでいる冒険者。

依頼書の前で話し込むパーティー。

受付で手続きをしている人々。

村長はカウンターへ向かう。

「魔道具の査定をお願いしたい」

受付の女性は慣れた様子で頷いた。

「担当を呼びますので少々お待ちください」

数分後。

奥から一人の男が出てきた。

灰色の髪に、落ち着いた雰囲気。

いかにも職人のような目をしている。

「魔道具の査定と聞いた」

「はい」

レオンは袋から魔道具を取り出した。

水汲み装置の小型版。

そして自動点灯ランプ。

男はそれを手に取り、じっと観察する。

「ほう……」

最初は興味なさそうだったが、すぐに表情が変わった。

「この魔法陣……」

男は眉をひそめる。

「見たことがない構造だ」

レオンは少し緊張する。

「……問題がありますか?」

「いや」

男は首を振る。

「むしろ逆だ」

そして魔力を流した。

カチッ

ランプが一瞬で点灯する。

「……魔力効率が異常に良い」

男は小さく呟いた。

次に水装置を確認する。

しばらく無言で観察した後――

男はレオンを見た。

「これを作ったのは、君か?」

「はい」

その瞬間。

男の目の色が変わった。

「君……」

ゆっくりと口を開く。

「どこで魔道具師の修行をした?」

レオンは首を振る。

「してません」

「……は?」

「独学です」

ギルドの査定官は、完全に固まった。

数秒の沈黙。

そして。

「……冗談だろ」

レオンは苦笑した。

だが査定官の男は真剣だった。

もう一度ランプを見て、魔法陣を確認する。

そして小さく呟く。

「これは……」

「革命レベルだ」

ギルドの空気が、少しずつ変わり始めていた。

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