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「役立たずと追放された俺、魔法陣がプログラムに見えるので最強の魔道具を量産します」   作者: れんれん


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第10話 商人ベルク

村の入り口には荷馬車が止まっていた。

その横に立っているのは、商人ベルクという男。

三十代くらいで、身なりはかなり良い。

服の質も、この村ではまず見ないレベルだ。

明らかに成功している商人だろう。

ベルクは俺を見ながら笑っていた。

「あなたがレオンさんですね」

「魔道具を五分で直す男」

俺は苦笑した。

「ちょっと大げさですね」

横でガルドが言う。

「いや、そんなもんだぞ」

ベルクは興味深そうに俺を見ていた。

「井戸の魔道具」

「粉挽き機」

「暖房魔道具」

「全部直したとか」

どうやらかなり詳しい。

村人が話したのだろう。

俺は肩をすくめる。

「壊れてただけなので」

ベルクは一歩近づいた。

「そして改造もできる」

俺は少し驚いた。

そこまで伝わっているのか。

ガルドが笑う。

「粉挽き機のことだろ」

ベルクは頷いた。

「ええ」

「三倍速くなったとか」

……完全に広まっている。

俺は少し頭をかいた。

ベルクは真面目な顔になった。

「実は」

「お願いがありまして」

そう言って荷馬車の方を指差す。

「壊れた魔道具があるんです」

俺は少し警戒した。

「商人の魔道具?」

ベルクは頷く。

「王都で買ったものです」

それは少し興味がある。

王都の魔道具。

つまりこの世界で最先端の可能性が高い。

「見せてもらっていいですか?」

ベルクは嬉しそうに笑った。

「もちろん」

俺たちは荷馬車の後ろに回る。

そこには大きな木箱が置かれていた。

ベルクが蓋を開ける。

中にあったのは――

「冷却魔道具?」

俺は思わず言った。

見た目は大きな金属箱。

ミアの冷却箱よりもかなり大きい。

ベルクが説明する。

「保存用です」

「肉や魚を長期間保存できる」

なるほど。

つまり。

商人にとってはかなり重要な装置だ。

だが。

「壊れたんですか?」

ベルクは苦笑する。

「はい」

「王都で修理すると金貨十五枚」

ガルドが吹き出した。

「高すぎだろ!」

金貨十五枚。

村人なら一年以上生活できる金額だ。

ベルクは続ける。

「なので試しに来ました」

そして俺を見た。

「噂の真偽を」

俺は箱の前にしゃがんだ。

魔法陣を見る。

そして。

「……」

数秒で理解した。

俺は思わず笑った。

ベルクが首をかしげる。

「どうしました?」

俺は魔法陣の一部を指差した。

「これ」

「壊れてないですね」

ベルクが驚く。

「え?」

ガルドも覗き込む。

「またか?」

俺は頷いた。

「魔力制御のラインがズレてるだけです」

つまり。

ただの設計ミスに近い。

魔力がうまく循環していない。

俺は小石を拾った。

軽く削る。

ラインを修正。

たったそれだけ。

「これで」

俺は箱を閉めた。

ベルクが恐る恐る魔石を起動する。

次の瞬間。

ブゥゥン……

低い振動音。

箱の表面が淡く光る。

そして。

冷気がゆっくり流れ始めた。

ベルクが固まる。

ガルドが笑う。

「また五分だな」

ベルクはしばらく箱を見ていた。

そしてゆっくり俺を見る。

その目はさっきまでと違っていた。

商人の目だ。

利益を計算する目。

「……レオンさん」

「はい?」

ベルクは静かに言った。

「あなた」

「王都に行く気はありませんか?」

俺は少し驚いた。

「王都?」

ベルクは頷く。

「あなたの技術」

「この村で終わらせるには」

「もったいなさすぎる」

ガルドが横でニヤニヤしている。

どうやら。

話が。

少し大きくなり始めている。

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