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もう諦めた。君は好きにすればいい

作者: 悠木 源基

新年おめでとうございます。

今年最初の投稿です。

楽しんでもらえれば嬉しいです。

「ごめんなさい、ごめんなさい。

 許して下さい、お願いします!」


 今日もまた、学園の裏庭からそんな悲痛な叫び声が上がっていた。

 まただわ、と皆思ったけれど、反応する者など一人もいない。

 この一年、毎日のように繰り広げられた光景というか、やり取りだったからだ。


 もちろん最初はみんなそんな修羅場など見たことがなかったので、騒然となった。

 何せこの王立学園に通う生徒達は、貴族の中でも選ばれし良家のご令息やご令嬢ばかりだったのだから当然だった。

 どう対処すればわからず、とりあえず教師を呼びに行った。


 その後、毎日のように同じことが繰り返えされるようになると、生徒達はさすがに動揺はしなくなったが、確実に不快感は募っていた。

 しかしそれを先生に訴えても無駄であることは、最初の対応で分かっていたので、そんな無意味なことをする者はいなかった。

 もちろん当事者達にもういい加減止めて下さい、とお願いできれば一番だ。そのことは誰もが理解していたのだが、それを実行する者は一人として存在しなかった。

 しかし、その翌年の新学期のことだった。


「ごめんなさい、ごめんなさい。

 許して下さい、お願いします!」


 またいつも悲鳴が聞こえてきたので、一人の勇気あるご令嬢が、その新入生に声をかけた。


「驚いたでしょう? 

 この一年、お昼休みになる度に、あの悲鳴と怒鳴り声が学園中に響き渡りますの。

 ですから、皆様ゆっくりとお昼を取れませんの。何とかならないでしょうか?」


 最上級生だというのに、やたら丁寧に話しかけた。

 なぜなら、その新入生は公爵家の令嬢だったからだ。

 すると、そのご令嬢は困った顔をして


「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」


 とまず謝罪をした。しかしその後でなんとこう言った。


「ですが、私ではどうしようもできないのです。

 私は家にいる時は絶えず()()を聞かされておりますの。

 そんな私を哀れだと思って、このお昼時だけ、皆様には我慢して頂けないでしょうか」


「まあ、お家でもあのような状態なのですか?」


「もっと凄いんですの。あれでも一応抑えているのだと思いますわ。ここは家ではありませんから」


 あれよりも凄いって……

 彼女は内心ではこの公爵令嬢に文句を言ってやりたかったのだ。妹ならあの姉をなんとかしてよ!と。

 しかし、家庭内でもあれをずっとやられていいるのかと思ったら、さすがに気の毒に思えてきた。


「失礼を承知でお聞きしますが、ご家族の皆様はどうなさっていらっしゃいますの?」


「触らぬ神に祟りなし……状態ですわ。

 たしかに我が家は皆魔力持ちですが、姉には敵いませんもの」


 そうか、やっぱり公爵閣下でも敵わないのか。それでは私達では到底歯が立たないわと、ようやく納得し、学生食堂の中は諦めムードになった。

 それを感じて公爵令嬢は内心ほっとした。

 本来なら家庭内の恥を晒すなんてとんでもないことだ。

 しかし、これからずっと周囲から責任追及されたのではたまったもんじゃない、と思ったのだ。


 ところが、ほっとしたのもつかの間だった。

 なんとそこに王太子が現れてこう言ったのだ。

 

「エミーリア、いくらなんでもそれは無責任じゃないのか。公爵令嬢というだけでなく、王太子である私の婚約者としても」


 すると公爵令嬢が音も立てずにすくっと立ち上がると、王太子であるアマンドに顔を向けた。

 その途端、彼女の婚約者と彼女に話しかけたご令嬢、そしてランチを食べようとして周りにいた生徒達は一様にギョッとした。

 なにせ公爵令嬢は、毎日のように、いや今も裏庭で一人の令嬢を虐めている彼女の姉と、同じような恐ろしい形相をしていたからだ。

 さすがは姉妹、よく似ていると皆が瞬間的にそう思った。

 

「ええ。そうでしょうとも。私は自分の姉すら制止できないような不出来な人間ですの。ですから、王太子妃なんてとても務まりませんわ。

 ですから婚約解消して下さい。貴方の為にも国の為にも」


 婚約者にそう言われた王太子はようやく自分の失態に気が付いた。

 あれだけ父親や側近達からも公爵令嬢の、機嫌を損なってはいけないと言われ続けてきたというのに。

 しかし彼は何の役にも立たない矜持を守るために、謝りもせずに誤魔化そうとした。


「王族の婚約がそんなに簡単に解消できるわけがないだろう」


「あら、できますわよ。

 貴族にとって家を継続させることは何よりも大切なことです。国を守ることよりもね。

 ですから、もし兄が()()()()()()()()()()()()場合は私が公爵家を継ぐことになるのです。

 そうなれば、当然貴方との婚約は解消せざるを得なくなりますもの」


「あっ!」


 王太子は何か大切なことに気付いて青ざめた。


「ご自分は恋人と楽しく過ごす時間はあるのに、妹を放置して我が家に全て丸投げしていますよね。

 それなのに、よくもそんな図々しいことが言えたものですね。呆れました。厚顔無恥も甚だしいですわ」


 公爵令嬢はすれ違いざまに王太子にこう囁くと、食べ終えたプレートを手にして離れて行った。

 しかし、ちょうどその時、裏庭からこんな声が聞こえてきた。


「もう私は諦めました。貴方はもう好きにすればいい。我が家を出てご自分のお住まいにお戻り下さい」


 みんなが一斉にその声のする方へ顔を向けた。

 するとサラサラのプラチナブロンドヘアの絶世のご令嬢が、くちゃくちゃな灰色の髪をした貧相な体型のみすぼらしいご令嬢を冷徹な目で見下ろしていた。


「私は今後一切貴方には関与しない。だからもう私に近寄らないで下さい」


「えっ? でもそれじゃあ、私はいつまでも貴方に償えない……」


「もう、結構。もう諦めました。もうこれ以上不毛な時間を費やしたくない。私に償いたいのなら、もう私には関わらないで」


 償い……という言葉を耳にしてみんな驚愕した。

 これまで美人の令嬢の方が絶えず声を荒げ、もう片方の弱々しそうな令嬢が悲鳴に近い叫び声を上げていた。

 それ故に、キツそうな美人がしつこく、預かっている親類のご令嬢を虐めていると思い込んでいたからだ。


 姉の言葉を聞いた妹は、振り向いて王太子に言った。


「お聞きになりました? 

 姉は貴方の妹君を矯正するのを諦めたそうですわ。ですから、私達の婚約も白紙になることでしょう。

 それと、急いで魔導騎士を招集された方がよろしいのではないですか? 王女殿下が感情を爆発させたら、学園が吹っ飛ぶかもしれませんから」


 そして彼女は裏庭に向かって歩を進めると、姉の腕を取り、二人で並んで歩いて行ってしまった。

 取り残された王太子とその妹はただ呆然とその後ろ姿を見つめて立ち尽くした。

 しかし、周りのざわざわは次第に大きくなっていった。


「王太子殿下の妹君? あのご令嬢は王女殿下だったのか?」


「だから、先生方もいつもノータッチだったのね」


「償いって何?」


「婚約解消、いや白紙ですって!

 公爵家の後ろ盾がなくなって、王家は大丈夫なの?」


「というか、学園が吹っ飛ぶって何のこと?」


 生徒達のざわめきが耳に入って、王太子はようやく我に返って、思わずこう呟いていた。


「婚約が白紙? そんなことになったら大丈夫なわけがないじゃないか!

 あっ、まずそれよりも魔導騎士を呼ばないと!」



 ✽✽✽✽✽✽✽



「お兄様、本当に諦めたの? いいの? このままで……」


「いいも悪いも仕方がない。二年経ってもあの調子なんだから、とてもじゃないがこの先矯正できるとは思えない。

 これ以上時間を無駄にしても意味がない。時間は有限だ。諦めて新しい道を模索する方が有意義だよ。

 それにいつまでもこの状態が続いたら、本当にお前まで不幸にしてしまう。それだけは絶対に避けなければいけない。

 あんな愚鈍な王太子と結婚して将来王妃になったら、お前は一生苦労するぞ。

 父上もとうとう覚悟を決めて、密かにお前の婿に相応しい相手を他国から探し始めたよ」


「それではお兄様は今度こそ隣国へ留学されるの?」


「ああ。かけられた魔法を解除するためには、ファニー王女の精神を安定させるより、魔法研究の進んでいる国で自ら研究する方がよっぽど可能性が高い気がするよ」


「でも、二年前にはそうしなかった。それは彼女を救ってあげたかったからでしょ。

 お兄様はご自分のことより王女殿下のことを考えられたんだわ。それなのにいいの?」


「私は思い上がっていたんだ。自分なら彼女の心を開ける。心を通わせられるって」


「思い上がっているなんてことはありませんわ。お兄様はあの方をお好きだったのでしょう?

 決して同情なんかじゃなかったはずだわ」


「それも今となったらわからない。虐げられていた彼女を気の毒に思っていたのは確かなんだから。

 そもそもあんな性悪な王女達なんて庇わなければ良かったんだ。あんな奴ら生きていたって害にしかならなかったんだから。

 北の修道院へ入っても、一向に反省していないらしいぞ」


「でも、いくら相手が妹を虐待するような悪女達とはいえ、お兄様はファニー様に人を殺めさせたくなかったのでしょう?」


「ああ。体が勝手に動いてしまった。

 しかし、私に呪いの魔法を掛けてしまったことの方が、彼女にとってはショックは大きかったようだ。つまり、私の行為は本末転倒だったらしい。

 私の判断はいつも誤りばかりだ。二年前もさっさと留学して研究を進めていれば、もしかしたら今頃元の姿に戻っていたかもしれないんだから。

 そうしたら彼女を苦しめなくて済んだだろう?」


「それはわからないわ。お兄様がいなくなっていたら、今より精神的に不安定になっていた可性もあったでしょう? 

 もしかしたらご自分で命を絶っていたかもしれないわ。さもなくば、再び魔力を爆発させて王宮を破壊されていたかも」


「むしろ、あんな腐った王宮なんて、なくなった方がさっぱりして良かったんじゃないか」


「またそんなことを言って。お兄様はファニー様を大魔王にでもしたいの?

 ねぇ、この際だから、二人で留学したらいいんじゃないかしら?」


「無理だ。他国に迷惑はかけられない。彼女は人間兵器と変わらない。しかも制御不可能の。そんな武器持参で留学なんてできるわけないだろう」


「でも、あちらにはジュリアン様もいることだし。助けてもらえばいいわ。

 必ずどちらかが彼女の側にいれば、制御できるんじゃない? 

 彼はファニー様の従兄で王位継承権だって持っているのだから、少しは彼女のために何かしても罰は当たらないんじゃないかしら?

 なんなら私も同行するし」


 ジュリアンは王弟の一人息子で、父親に次ぐ王位継承権三位の人物なのだ。

 ところが愚王が色々とやらかすため、王弟は面倒事を避けるために、一人息子を早くから国外へ脱出させていたのだ。

 ちなみクリスティンとエミーリア兄妹とジュリアンは幼なじみだった。


「あんな卑怯者が何の役に立つというんだ? 嫌なこと、面倒なことがあるとすぐに逃げ出すような軟弱者が。

 それにあいつは防御魔法使いの私と違って、王女と同じ攻撃魔法使いだぞ。側にいたって意味ないだろう」


「だから、いざという時のために、治癒魔法使いの私がついて行くのよ。王家には隠しているけれど、私の治癒力増しているし。

 それに月日が経てば、ジュリアン殿下も少しは成長しているかもしれないし」


「お前、あいつと手紙のやり取りをしているのか?」


「まさか。届いたら即破り捨てているわ。当然返事なんて出していないし」


 エミーリアはそう兄のクリスティンにそう言ったが、実はそれは嘘であった。

 王族であり強い魔力を持つジュリアンは、十四の時に魔法が発達している隣国へ留学した。行かないで欲しいと懇願したエミーリアを振り切って。

 彼が国から逃亡したせいで、彼女は王太子であるアマンドと婚約させられてしまった。

 それを知ったジュリアンが何度も手紙を寄越してきたが、今さら何だとエミーリアは一切読まずに捨てていた。当然返事は書かなかった。

 すると彼は、卑怯にも彼の母親を差出人にして、自分の手紙に同封してきた。

 それに腹を立てたエミーリアは、二度と手紙を寄越すな!と書いた便箋をさらに同封して、開封せずに彼からの手紙を送り返したのだ。

 



 二人が午後の授業を放棄して屋敷に戻ると、なんと来客が彼らを待っていた。

 そのうちの一人はさっき話題して貶しまくっていた相手だったので、二人はあ然とした。

 しかし、それは相手も同じ、いやそれ以上だったろう。驚愕して固まっていた。

 何せ幼なじみの兄と妹の二人は、まるで双子のように瓜二つの美しい()()になっていたのだから。

 もちろん話は聞いていたのだが。


「先触れも無しに突然お見えになったので、困っているのよ」


 ジュリアン殿下と、彼の連れであるどう見ても隣国の王族と思われる女性の前で、やはり他国の元王女である公爵夫人は、全く臆することなく平然とそう言った。その後で、自分の子供に向かって目を釣り上げた。


「こんな時間に戻ってくるなんて、一体どうしたのかしら?」


「隣国へ留学することに決めたので、一刻も早くその準備をするために早退してきました」


「私もです、お母様。私もお兄様と一緒に留学しようと思っています」


「留学はともかくファニー殿下はどうなさったの?」


「王太子殿下にお任せしましたわ。それが筋ですから」


「まあ。でも、たしかに貴女のいう通りかもね。ジュリアン殿下もようやくお戻りになったことだし、いい加減王家の問題は王家で解決してもらいましょう。

 そうだわ。二人が隣国へ留学するなら、いっそのこと、我が家全員で隣国へ移住しましょう」


「えっ?」


「もし、隣国がだめなら、私の母国でもいいわね。国王の兄や次期国王になる甥である王太子殿下もいつ戻ってきてもいいと言って下さっているし」


「ちょっとお待ち下さい、公爵夫人。皆様にこの国を出て行かれては困ります」


「えっ? どうしてですの? 王族の貴方がこの国の一番大変な時に、隣国へ逃げ出したのに?

 我が公爵家ばかりがその尻拭いをしなければならないなんておかしいでしょ?」


 公爵夫人のこの言葉にジュリアンは強張った顔をした。そして、切ない目をしてエミーリアを見たのだった。



✽✽✽✽✽✽✽



 王太子であるアマンドと第三王女ファニー兄妹は腹違いである。彼女は一番下の第四子だったが正妻の唯一の娘であった。

 魔力が高いということで選ばれた伯爵令嬢だった正妻には、長年子供に恵まれなかった。

 そこで国王は、学生時代からの恋人だった侯爵令嬢を第二王妃に迎え入れた。

 そして双子の娘と息子が誕生した。しかし、その後子供の出来ない石女と呼ばれていた正妻が妊娠し、第三王女が生まれた。

 しかもその子は膨大な魔力を持っていたのだ。


 それがわかって第二王妃は焦った。ほとんど魔力がない彼女が産んだ三人の子供は、父親の血を引いてるのに、やはりわずかな魔力しか持っていなかったからだ。

 ところが、正妻が産後の肥立ちが悪くてその二年後に亡くなってしまうと、彼女は待ち望んでいた正妻になった。

 するとすぐさま目の上のたんこぶだった第三王女のファニーを、病弱と称して療養を理由に離宮へ閉じ込めて、人前に出さないようにしたのだ。

 魔力が多い子供はそれが原因で幼い時には虚弱体質になりやすい。それを利用したのだ。実際のファニーは元気一杯だったのだが。

 そして王妃は双子の娘と共にファニーをいびり続け、彼女の自己肯定感が低くなるように仕向けたのだ。間違っても王位を望むことなどないように。


 そんな王妃を国王や王弟は見て見ぬ振りをしたのだ。彼女の実家の侯爵家は貿易によって勢力を増しており、王家はその援助を受けていたからだった。

 しかも、王妃は苛烈な性格であり、彼女を怒らせると何を仕出かすかわからないという思いもあったためだ。


 婚約者がいながら、平然と浮気をしていた兄の王太子を、弟は何度も注意をしたが聞き入れられなかった。

 最初の正妻になかなか子供ができなかったのも、あの浮気女が裏で何か企んだせいだと疑って忠告したが、兄はそれを無視した。

 その結果、あの女は結局王妃にまでのし上がってしまったのだ。

 

 王弟の嫡男ジュリアンは、国王の第一王子アマンドと同じ年だったが、誰が見ても二人の優劣ははっきりしていた。

 ジュリアンは眉目秀麗な上に文武両道、しかも魔力が多かった。それに比べてアマンドはまさしく王子らしいのはその見かけだけだったからだ。


 そして二人の成長と共に、王城だけでなく貴族の中からも、王太子にはジュリアン王子がいいのではないか、という声が上がるようになった。

 それに焦った王妃は、アマンドと公爵令嬢のエミーリアの婚約を進めようとした。エミーリアは才色兼備の上に魔力も高いとして評判だったからだ。

 しかもその兄のクリスティンは、絶えずジュリアンと並び称される全てにおいて優れた少年だった。

 彼と姻戚関係になれればアマンドを補佐してもらえると踏んだのだ。


 ところが公爵家から断わられ、王妃は驚愕した。公女とは幼なじみであり、当然受け入れられると信じていたからだった。

 確かに同じ年のアマンドとジュリアン、そしてクリスティン、それに加えて彼らより二つ下のエミーリアの四人は幼なじみでよく顔を合わせていた。

 しかし、彼女は知らなかった。アマンドだけは独自行動をとっていたことを。そして息子には付き合っている令嬢がいることを。


 彼は勉強嫌いでろくに本を読まなかったので、他の三人の難しい会話についていけないというより、関心を持たなかった。

 本来ならたとえ自分が魔法を使えなくても、将来国王になるのなら魔術に関する知識は必要だったのに、優しく説明しようとしていた彼らを拒否していたのだ。

 そして自分をおだてて何でもいうことを聞いてくれる者達とはかり一緒にいたのだ。

 そして、その中の一人の伯爵家の令嬢と思い合うようになっていた。


 それを把握していた公爵家が王家からの縁談を受けるはずがなかったのだ。

 しかも、エミーリアとジュリアンはとにかく仲がよかったのだ。それゆえに、誰もが二人はいずれ婚約するだろうと思っていたのだから。

 しかし、その後公爵家は、国王一家とだけではなく、王弟一家との付き合いまでも避けるようになった。

 なぜかというと、アマンドのことを断った直後、王弟夫人が血相を変えて公爵家に怒鳴り込んできたからだ。

 なぜ王家の申し出を断ったのだ。おかげでうちの息子が王家に睨まれ、命を狙われるではないかと。

 自分の息子を守るために何の関係もない他所のご令嬢を人身御供にしようとしていたとも捉えられる発言に、公爵家は絶句し、憤怒した。

 そして謝罪したいという王弟とジュリアンの申し出を拒否したのだった。

 

 その後まもなくしてジュリアンは一人隣国へ留学してしまい、エミーリアは王命でアマンドの婚約者にされてしまった。

 公爵家からすれば、ジュリアンを含め王家は全て憎むべき敵であった。

 だからこそ、王家から離宮でほぼ幽閉状態にされていた末王女ファニーに肩入れしたのかもしれない。

 自分自身を振り返ってみると、最初は同病相憐れむという感情だったのかもしれないとエミーリアは思う。

 しかし、兄のクリスティンは違うと思った。

 王女が本来持つ内面の優れた才能や優しさを見い出していて、そこを好きになったのだと確信していた。

 ファニーは動物や鳥、昆虫や爬虫類にまで関心を持ち、キラキラして目で観察し、それを記録していた。

 どんな生き物にもちゃんと役割があって、それを一生懸命に果たそうとしている。

 だから家族に嫌われている自分だってきっと何か役に立てることがあるはずだ。彼女はそう言って、一生懸命に勉強に励んでいた。


 そんな彼女に兄は、君の能力は素晴らしいよ。君の知識はいずれ多くの人々の役に立つよ、と言い続けてきた。そして、家族にこだわることはないよと。

 しかし、人間というものはまずは家族に愛されることで自己愛という核が持てるようになるものなのだろう。

 それがそもそもないと、いくら他人に褒められようが、そう簡単には受け入れられないのではないか。

 そのことに気付いてからというもの、エミーリアは問題の深刻さに困惑し、頭を悩ませていた。


 兄のクリスティンの方も王女の魔力に関して苦慮していた。

 魔力持ちは日頃から少しずつ魔力を放出していかなければ、体内に魔力が溜まり過ぎて危険な状態に陥ってしまう。

 そのことを案じていた彼は、少しずつ魔力を放出できるように訓練をしようとファニーに進言していた。

 ところが彼女はそれを拒んでいた。何故なら魔法を使うことは悪であると、義母である王妃と双子の姉達から思い込まされていたからだった。

 

 そして二年前、とうとうファニーは魔力を暴走させてしまった。双子の姉から虐めを受け、姉達に向かって攻撃魔法を向けてしまったのだ。

 それをクリスティンが防御魔法をかけて防ごうしようとした。

 ところが、生まれた時から十五年近く溜め込んだ魔力は膨大過ぎて、いくら魔力が多く、防御魔法を得意としていたクリスティンでも防ぎ切れなかった。

 その結果、双子の王女は守れたが、彼自身は彼女の呪詛魔術を浴びて、なんと女性の姿になってしまったのだ。

 

 当然ファニーは必死になって自分の掛けた魔法を解除しようとしたのだが、そもそも魔法を使うのは悪だと押し込まれていた彼女に、魔法を上手く操ることがなどできるわけがなかった。

 しかも罪悪感のせいでいつまで経っても精神の落ち着かなかったため、魔法の特訓などできるはずもなかった。

 

 仕方なく、クリスティンはそれまで病弱だったために、表に出なかった彼の双子の姉という架空の人物として生活することになった。そして彼本人は母親の祖国へ留学したという設定になったのだ。

 王家はファニーの力に恐れ慄き、公爵家に魔力制御ができるようにして欲しいと依頼してきた。その方が公爵家にとっても都合がいいだろうと。

 全くもって図々しい、恥知らずの連中であった。そこで公爵家はこんな条件を出した。


「今回の原因を作った双子の王女を王籍から抜いて修道院へ入れて下さい。そして王妃を離宮に移ってもらって抜け出せないようにして下さい」


 すると、なんと国王はそれをすぐさま受け入れたのだ。国王はとにかく臆病者で、怖い者を自分から排除したいと考える人間だったのだ。

 ファニーが王宮を吹っ飛ばせるほどの莫大な魔力持ちで、しかもそれを制御できないと知って恐ろしくて堪らなかった。

 ついで、最初の妻に怪しげな薬を飲ませていたという話を弟に教えられてからは、今の妻のことも怖くて堪らなかったのだ。

 というのも、国王はなんと若い侍女に手を出していたからだ。それがバレたらいつ毒を盛られるか分からないとヒヤヒヤ状態だったからだ。

 妻を離宮へ閉じ込める理由ができて却って喜んだくらいだった。

 

 こうしてファニーは公爵家で暮らすことになったのだが、以前にもまして自己肯定感が下がってしまった。

 それまで唯一心を許していたクリスティンに対しても、彼女はただただ申し訳ありません、許して下さいと謝まり続けたのだ。

 彼の顔を見るたびに不安定になってしまい、いくら魔法の練習をしても、ただ物を壊すだけで、到底力を制御できるようにはなれなかったのだった。

 

 そんな彼女に、公爵家の屋敷に住む者達は全員頭を抱えていた。

 いくら留学中とはいえ、王族であるジュリアンが、幼なじみのクリスティンやエミーリアのそんな状況を知らないわけがない。

 それなのに一度も帰国しなかった彼が、なぜ今頃のこのこと現れたのか、公爵家の面々は疑問しか浮かばなかったし、不快でもあったのだ。



✽✽✽✽✽✽✽



「私はメントゥリー帝国の第三皇女エディリーヌと申します。

 先触れも出さずに強引にお邪魔して申し訳なく思っています。でも、私、忙しい身ですので、お返事を待つ余裕がありませんでしたの。

 全くもって身勝手極まりないお話なんですが。

 追い出す前に、せめて不肖の弟子の言い訳を聞いてやって下さいませ」


 メントゥリー帝国の第三皇女エディリーヌ!

 不肖の弟子!


 隣国の第三皇女と言えば、麗しの黒薔薇姫と呼ばれている姫君で

「彼女に出来ないことはない! 不可能を可能に変えられる魔女!」

 と噂されるほど偉大な大魔法使いだった。

 まさかこんなに若くて美しい女性だとは思わなかったと、兄妹は驚愕した。

 しかもジュリアンが彼女の弟子とは!

 公女の弟子に選ばれるのはほんの一握りの、かなり才能がある者だけで、そこに身分などは一切関係ないということはよく知られていたからだ。


「公爵夫人、本当に申し訳ありません。このお詫びは後ほどいくらでもいたします。いいえ、これまでご迷惑をおかけしてきたことを全て。

 でも、エミーリア嬢と以前約束したことを果たすために戻ってきたのです。せめてそれだけでも伝えさせて下さい」


「約束?」


「一度だけ返信してくれたことがあっただろう? そこに書いてあっただろう? 

『貴方は私を捨てて逃げた。私は諦めた。だから貴方は好きなことをすればいい。

 ただし、自分が国王になってこの国を守るくらいの気概がないのなら、二度と帰ってくるな!』

 と」


「「えっ??」」


 あまりのトンデモ発言にさすがに公爵夫人と公子は唖然とした。


「僕はあの愚王と愚鈍な王太子を廃して国王になる覚悟と力がようやくできた。だから帰ってきたんだ」


 ジュリアンが笑顔でそう言った。エミーリア嬢は一瞬大きく目を見張ったが、冷静に「どうやって?」と訊ねた。


「エディリーヌ師匠について血を吐くような特訓をして、魔導騎士達に対抗できるだけの力をつけたんだ。だから、あの二人を捕らえるのは簡単だ。

 それにすでに父上が国の上層部の大方を味方に引き入れたから、国王の交代はスムーズに行くと思う。

 それは公爵閣下や夫人、そしてクリスティンもすでに知っているはずだ」


「そうなの? お兄様?」


「ああ。だが、ファニー殿下のことはどうするつもりなんだ? 彼女も姉達のように北の修道院へでも入れるつもりか?」


「なんてこと!」


 エミーリアは鋭い目で裏切り者を睨み付けた。

 この三年間忘れることなかった愛しい少女に、まるで蛇蝎を見るよな目で睨まれて、ジュリアンは涙目になりながら、必死にその誤解を解こうと躍起になった。


「君達のことだけでなく、彼女のことも本当に申し訳ないと思っているんだ。ずっと見て見ない振りをしてしまって。

 だけど、本当にどうしていいのかさっぱりわからなくて。だから皇女殿下に相談したんだ。

 そうしたら、殿下が力を貸して下さることになったんだが、その対価を支払うためにこんなに時間がかかってしまったんだ」


「人間って図々しい生き物で、少し優しくされると、最初は感謝するけれど、すぐにそれを当たり前だとばかりにさらに要求してくる生き物なのよ。

 だから簡単に人のお願いは聞かないようにしているの。そもそも対価を支払う気概のない奴なんて信用できないしね。

 彼には私に纏わりつく、しつこくて身の程知らずの蝿やゴキブリの排除をお願いしていたのよ。攻撃魔法の訓練にもなるしね。オホホ。

 ファニー王女殿下のことはお任せ下さいな。やはり女は女同士の方が気持ちが通じるでしょうから。()()()()()には無理でも私ならば、ね?」


 エディリーヌ皇女は妖艶な微笑みを浮かべて、お子様扱いをされて珍しく頬を膨らませたエミーリアを見て、ウィンクをした。




 そして彼女は、本当に有言実行がモットーの伝説の大魔法使いだった。

 ファニーに再び呪いの魔術をかけさせてクリスティンを二年ぶりに本来の姿に戻すことに成功させたし、国王が王弟に王位を譲るように仕向けたのだから。

 なんと城崩壊の翌日、国王はエミーリアと息子アマンドの婚約を白紙撤回させて、その息子と共に、妻のいるボロボロの離宮へ向かったのだから。

 たった三日で弟子からの依頼を()()()に成し遂げた王女は、意気揚々と次の依頼人の元へと旅立って行った。

 まるで猛威を振った後、あっさり遠くへ移動してしまう、大型台風のような人物だった。



 それにしても、一体エディリーヌ皇女が何をしたのかというと、王城へ行き、ファニーの前でクリスティンの手を握り、身体に触れ、ベタベタして彼女を怒らせた、ただそれだけだった。

 昼休みにクリスティンから

「君のことはもう諦めた。もうこれ以上不毛な時間を費やしたくないもう自分には関わるな!」

 的なことを言われたファニーは、ただでさえかなりのショックを受けていたのだ。

 そこへクリスティンと親しげにする絶世の美女を見せつけたられたのだ。

 彼女は興奮状態に陥り、エディリーヌ皇女に向けて呪詛魔法を投げ付けた。しかし皇女はさっとクリスティンを盾にして身を守ったのだ。


「キャーッ! イヤーッ!」


 そのことでファニーは絶叫し、さらに興奮してめちゃくちゃに魔法をかけまくった。その結果王宮は崩壊し、見るも無残な姿となったのだ。

 しかし、ジュリアンと、ファニーに付いていた魔導騎士達が皇女の合図で防御魔法を掛けたために、大怪我をした者はいなかった。

 多少の怪我を負った者達はいたのだが、エミーリアに治癒魔法をかけてもらったので何の問題もなかった。

 ただし、恐怖で失禁し、そのあげくに失神した国王と王太子をまさか瓦礫の中に放置するわけにはいかなかった。

 そのために、王弟の住む別邸へと運んで行く役目を負った護衛騎士達だけは迷惑を被ったのだった。


 この二年間に再び溜め込んでいた魔力を全て放出して気を失ったファニーが目が覚めた時、彼女は男性の姿に戻ったクリスティンに好きだと告白され、また気を失った。

 それを見たエディリーヌ皇女はさすがに呆れてこう言った。


「いくらなんでもこれは酷い。こんな状態ではとてもじゃないけれど公爵夫人は務まらない。私の側に置いてみっちり仕込まないといけないわね」


「それなら、私のことも鍛えて下さい。いつまでもおこちゃまのままで、何の役にも立てないのは嫌なので」


「えっ? ずいぶん役に立ったでしょ。あの意気地なしを一人前の男に変えたんだから。それに、その治癒魔法はすごいわよ」


「まだまだです。私、王弟夫人が苦手なんです。あの方にやり返せるだけ強くなりたいんです」


「なるほど。そうよね。姑にいびられる結婚生活なんて避けたいわよね。いいわ。引き受けるわ」


 エミーリアは別にジュリアンとの結婚前提に話していたわけではなかった。

 しかし、三年間彼から彼女の話ばかり聞かされていた皇女からすると、エミーリアはジュリアンの恋人という位置付けになっていたのだ。

 それならば、二人の結婚生活がなるべく幸せになるようにする手伝いをしようと考えたのだ。

 しかし、それは愛弟子からすれば大きなお世話だった。三年間離れ離れになっていて、ようやくこれからはずっと側にいられると思ったからだった。


「エミーリア、君が好きだ。だがら、側にいてくれ。留学しないでくれ」


「えっ、好き? そう……なの? 知らなかったわ」


「君への手紙にずっとそう書いていたよね? 本当に読んでいなかったの?」


「ええ。読んでいなかったわ。読むわけないでしょ。私があの王太子と結婚させられる可能性があると分かっていて、留学してしまった人からの手紙なんて。

 好きだって手紙に書くくらいなら、行く前に直接言ってくれていたら、私はあんなに苦しまずに、いつまでも貴方の帰国を待っていられたのに。

 私はあの時点で貴方を諦めたの。そして私は私の好きなことをすることに決めたのよ」


 エミーリアはジュリアンに向かってにっこり笑ったのだった。



✽✽✽✽✽✽✽



 ジュリアンと入れ替わるように、エミーリアはファニーと共にメントゥリー帝国へ留学してしまった。そして第三皇女エディリーヌの弟子にしてもらい、毎日修行に励んでいるらしい。

 

「二人は最低でも三年は帰らないつもりらしいよ。寂しいけれど、ファニーは私に相応しい人間になれるように頑張るって。健気だろう? 

 それにしても、まさか、あの双子の王女が私に気があって誘惑しようとしていたなんて全然気付かなかったよ。年上だったし、色んな令息にも粉かけていたから。

 しかもファニーがそのことを知って嫉妬し、怒り狂って攻撃を仕掛けたとは思いもしていなかった。てっきり、虐められてきた恨みが爆発したのかと思っていたよ。

 それなのに、無意識のうちに双子が男だったら私を取られないのにって考えて、性別が変わる呪詛魔法を掛けていたとはね」


 クリスティンがそう言うと、全くだよとジュリアンもそれに同意した。


「呪詛魔法って、掛けた本人じゃないと解呪できないって、あっちで知ったんだ。

 だけど、ファニーが情緒不安定過ぎて、魔術コントロールが出来るようになるには時間がかかり過ぎると思ったんだ。

 それで師匠に相談したら

『貴方ってやっぱりだめね。女心がちっともわかっていないんだから。

 そもそもファニー殿下が公子を好きだからその事件が起きたのでしょう? 

 それならまた同じことを起こせば、彼女はまた性別が変わる呪詛魔法をかけるのじゃないかしら。それを公子に浴びせさせれば、彼は元の性別に戻れると思うわよ。私に任せなさい』

 ってあっさり言われたんだ。まさか、あんな簡単に成功してしまうなんて。悩んだこの二年は何だったんだと本気で落ち込んだよ」


「一応、私のことを心配してくれていたんだね」


「当たり前だろう。大切な幼なじみで親友なんだから」


「ありがとう。裏切り者なんて思っていて悪かったな。その詫びに妹との仲を取り持ってあげるよ。

 でもまあ、君の母上のことだけはどうにかしてくれよ。それを解決しないうちは大切な妹は絶対に王家には嫁がせないからね。

 もちろん、解決させるのは愚王によって乱れてしまった、この国の体制に関してもだけどね」


「分かってるよ。でも、母親のことは自分でなんとかするが、国のことは一人じゃ無理だ。卒業したら僕はすぐに即位することになっているんだ。手伝ってくれないか?」


「ああ。もちろんさ」


 親友がそう即答したので、王太子となったジュリアンはほっとした。それに


「可愛い愛弟子のために、エミーリア嬢に悪い虫が付かないようにしっかり見張っているから、自分のすべきことに励みなさい」


 そう師匠が言ってくれたのだから、きっと大丈夫。自分は自分がやるべきことをやりながら彼女を待ち続けるだけだと改めて思った。

 三年待つのは正直辛い。しかし、これも自業自得だ。

 それに、今回は愛していると本人にきちんと伝えることができたし、出した手紙には必ず返事をもらえている。

 そのことに少しだけ安堵しているジュリアンだった。




 そしてその三年後、無事魔力コントロールと躾、そしてマナーを完璧にマスターしたファニーと共に、エミーリアは帰国した。

 彼女は輝くばかりに美しく、しかも師匠の影響か、艶のある令嬢になっていた。

 彼女に婚約して欲しいと申し込みをしてくる者が山のように現れた。

 しかし、かつて彼女を王太子の婚約者にしたいと考えていた王弟妃の依頼に応じて、公爵家からの申し込みを素気なく断ってきたような家との縁なんて、間違っても結びたくはなかった。


 断っても断っても湧いて出て来る、しつこくて身の程知らずの蝿やゴキブリに辟易していたエミーリアのために、留学中にそれらを追い払う術を獲得していた王太子が全て駆除していった。

 そのことで絆されたのか、はたまた、彼がストレートに思いを告げるようになった効果なのかはわからないが、帰国して一年後、エミーリアは王太子、いや国王の妻である王妃となっていた。

 麗しの黒薔薇姫の弟子であるエミーリアとジュリアンが並び立つと、その威厳とオーラが燦然と輝き、全ての人や物を凌駕した。

 姑となった元王弟妃は、当然ながら嫁となったエミーリアに怯えて、近付いてくることはなかった。そのおかげで二人は、ずっと穏やかで幸せに過ごすことができたのだった。





読んでくださってありがとうございました。


次作は短めの連載になります。そちらもよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
卑怯者の妻エンドか…なかなか渋い
全ての原因は国王と王弟の女性を選ぶ目の無さでは?ジュリアンの手際の悪さや王太子の傲慢さとか、そういう血筋なのかもしれませんが。 女の人は好いた男でもいったん他人にランクダウンさせたらなかなか上がらな…
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