【泥中蛙】・【沼躍蛙】
【泥中蛙】とは、沼地に住まう蛙の事である。名前そのままの生態をしており、泥沼の中から出る事は珍しい。泥沼に長い間籠る事からか、性格は臆病な事が多い。好戦的な個体が悉く狩られる事が原因だろう。
所謂乾燥肌の彼等は数分間地上に露出するだけで肌にひびが入り、約三十分にて移動が困難となり、一時間程度で絶命する。代償として得た特徴が、その長い舌と毒である。舌の長さは約5メートル。口を地上に露出させ、飛んでいる虫を食す。常に口を開けているので、人の足等が口に入れられた時、骨を噛みちぎる事が出来ない、吐き出す力もない。数分もすれば体重による圧力と呼吸器の損傷による窒息で絶命するのである。簡単に狩れる事から食用にされているかと思われるが、毒性である【泥中蛙】は好まれない。そもそも沼地に住む動物は【泥沼鼠】を除き生臭く食べるのが難しい。【泥沼鼠】は基本的に泥を被る事がなく、爬虫類や両生類を好まない傾向があり、"沼地の味"を感じさせないのである。その為、人やモンスターに食される。
とある地域にある伝統的文化を紹介したい。カーリングとゴルフを合わせた様なゲームであるそれは、穴があり、そこに石を投げ入れるという物だ。このゲームの元ネタとなったとされるのが【泥中蛙】である。ここから推測される事、過去に【泥中蛙】を穴とし、石を投げ入れるゲームがあったという事だ。因みに、この地域では【泥沼蛙】を食す文化があったそうだ。熱した石と【泥沼鼠】を【泥中蛙】に詰め、天然の鍋とする料理である。
【泥中蛙】とよく勘違いされるのが【沼躍蛙】である。【沼躍蛙】はその体を粘膜で覆っており、主に地上で活動する。【泥中蛙】よりも強く、好戦的、毒性という厄介な特徴を持つ為、酷く嫌われる。この真逆とも思われる二つが間違われる理由は【沼躍蛙】が就寝時、泥沼に潜る為である。元より力の強い【沼躍蛙】は泥沼に潜る事により、口部分に力を使う事が可能となる。勿論、【雑種鼠】は食われ、人の足を一発で噛みちぎられる。片足の無くなった人はバランスを崩し倒れ、沼に沈む。そして、太陽の元に起き上がった【沼躍蛙】に食される。大型生物を食した【沼躍蛙】は獲物の血で赤く染まり、その体が赤ければ赤い程、力と運の証明になる。稀に駆除依頼が掲載される程には発生し、対処も面倒なのである。閑話休題、この二つの判別方法は、露出している口付近の泥沼の確認である。【沼躍蛙】は毒性の粘膜を持つ為に、周りの泥沼が毒性になるのである。つまり、口を見つけた場合、周りの泥に触れる事で確認が可能なのだ。確認する程の価値があるかは怪しいが。
掲示板に出現する捜索願い。沼地にて遭難となっている場合、十中八九【沼躍蛙】によるものである。無い者を探すのは不可能であり、ギルド側もそれを理解している為直ぐに掲載が止められる。【泥中蛙】と【沼躍蛙】の判別は冒険者としての一般常識。これを知らずして遭難したとなれば、哀れみや笑いの的になるのも仕方がないのかもしれない。




