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ライフスター  作者: ダークマジャー。
1章 転生編
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第9話 本当は

四日に一話は投稿しようと思うのでがんばります。投稿頻度が不安定ですいません。

私は今、ナイラ王子たちと馬車に乗り結婚式をあげるアステルダム国へ向かっている。アステルダム国までは馬車で二日程かかり、草原の広がる道をひたすら進む。


「サヤラ今日も綺麗ですね。僕の婚約者にぴったりだ」


私はナイラ王子の言葉を青い月が出ている窓の方を向き無視する。この結婚は政略結婚であり、私が望んだ結婚ではない。


(私はあのひとが……)


そう思った時、馬車の外が騒がしくなった。みると護衛をしている兵士たちが戦闘体制に入っていた。次の瞬間、横を護衛していたアステルダム国の兵士が何者かによって攻撃された馬から落ち、死んだ。私は口を抑えて腰を抜かしてしまった。その間に前に座っていたナイラ王子が馬車を出て御者の所へ向かった。


「前方から魔族と思われる集団接近!総員、冷静に対処せよ!なんとしてもサヤラを守るんだっ!!」


ナイラ王子は外に出て急な状況の中でも周りの指揮を取る。その姿はナイラ王子が嫌いな私が見てもかっこよかった。

やがて馬車が止まり、兵士たちは剣を持ち馬車を中心に輪を作った。ナイラ王子は最前線で指揮をとった。


「サヤラは馬車の中にいてください。外は危険です。サヤラのことは絶対に守りますから……!あと、パーティーではサヤラに酷いことをしました。あの時のご無礼をお許しください」


そのセリフを言った時のナイラ王子の顔はパーティーでみた顔とは大違いで、まるで別人のようだった。


月が隠れた瞬間、魔族が私たちに襲いかかってきた。

襲ってくる瞬間にナイラ王子は司令を出す。


「総員、戦闘開始っ!」


ナイラ王子の怒号とともに兵士たちと魔族の戦いが始まった。近づいてわかった。圧倒的に私たちが人数不利だということに……。このままではあっという間に兵士たちが倒されてしまい、私やお父様、サランス王まで危険に晒されてしまう……。


「うぁぁぁっ!」

「や、やめろぉぉぉぉっ!あぁぁぁぁ!」


馬車の外では兵士と魔族の悲痛な叫び声が聞こえる。ふと外を観てみると魔族と兵士の死体が転がっていた。地獄絵図だ。その状況に驚いていると、目の前から馬車に向かって魔族が走ってきた。私はその瞬間死を覚悟した。


(ごめん、渡!私ここで……)


シュインッッッ!


樋鳴りがした。目を開けて前を見るとナイラ王子がいた。ナイラ王子は少し息を切らしながらこっちを観て、「大丈夫」と言いながら去っていた。ナイラ王子は私のために今、全力で戦っている。私も何かできることはないか考えた結果、私は王都にこの状況をいち早く知らせることにした。


「セントッ!」


私はこの状況を王都に知らせるために情報を送った。送り終わった瞬間、私が乗っていた馬車が突然爆発した。


「……っ!?」


私は宙に投げ出されそのまま地面に落ちた。濛々とした意識の中、立ち上がろうと目の前をみるとそこには武器を持った魔族が走ってくるのが見えた。馬車の火が肌に痛いほど伝わる。今度こそダメだと思った瞬間……


「大丈夫かっ!」


大きな樋鳴りともに上からナイラ王子が剣を振り落とし魔族を倒した。ナイラ王子をみると全身血まみれで左腕が右肩を抑えていた。


「な、なんであなたがっ!?あなたも死ぬかもしれなかったのに!?」

「言ったじゃないか!サヤラを守るって!だから、俺は死んででもサヤラを守り通す!」


ナイラ王子は私の肩を血まみれな手でもち、必死な顔で話す。その言葉にはパーティーで感じたナイラ王子の感覚はなかった。


「……!」


ナイラ王子が手を肩から離した瞬間、私は意識が一瞬消えかけ、倒れそうになった。馬車の爆発で私もダメージを負っているのだろう。


「サヤラはここにいてください。サヤラはもう何もしなくてもいい……。俺が絶対に守るから……!」


そうナイラ王子が言ったところで私の意識は完全に途絶えてしまった。


          ⭐︎⭐︎⭐︎


「サヤラたちが魔族に襲われたってどういうことなんだ!」


俺はガリエンの元へ走っていき、肩を掴んで事情を聞こうとした。ガリエンも焦っているのか、言葉が出てこず顔を下に向けた。


「私も何が起こっているのかわからないんだ」

「……!」

「落ち着け、少年」


そう言って横からララとロックスがきた。ララもロックスも険しい表情をしていた。


「王都に送られてきたのはサヤラ王女からの『助けて。魔族と交戦中』だけだったんだ。ここからわかるのはサヤラ王女たちが魔族に襲われているということしか……」


ララも黙り込んでしまった。サヤラが魔族に……。俺は不安でいっぱいになり地に膝をついてしまった。


「今ここでこんなことしていてもしょうがないじゃない!渡、サヤラさんを助けるって言ったじゃん。なら、今すぐ助けに行けばいいじゃん!」


葉月は俺に手を差し伸べる感じで言ってくれた。あぁ、あの時と同じだ。俺は葉月がいてくれたからここまで来れたんだ……。


「そうだな!俺がサヤラを助けに行かないとな!」


俺は立ち上がり、葉月の方を見て笑う。


「でも、どうやって助けに行くんだ?ここからだと馬でも1日以上かかるぞ」


俺たちはソファーに座っているデルンをみる。そして、笑いながら


「大丈夫だっ!俺たちには転移魔法を使えるデルンがいる」

「無茶だっ!転移魔法は転移できる距離が限られている。そんなところまで行くなんて魔力が足りなくなるぞ!」


ララが必死に言う。俺は転移魔法がどこでもいけると思っていたが違った。転移魔法は一回に多くの魔力を使うらしく、連続で使うのは困難らしい。


「くそっ!ならどうしたら……」


諦めかけていたときデルンがソファから立ち上がり俺の方へ向かってくる。


「大丈夫ですよ!私、番神なので!」


デルンは手を胸に当てて誇らしげに言う。でも、番神だからってどうやってサヤラの元へ転移できるのか……。


「でも、どうやって転移するんだ?転移できる距離は限られているんだろ?」

「いや違います!『転移魔法』と『魔術』を掛け合わせて強化させるんです!」


俺はあまりにも斜め上な回答に困惑した。なんせ、魔法と魔術を掛け合わせて強化することなんてできるのか?俺は不安だったが、デルンの「私に任せなさい!」と言っているような表情を見て少し安心した。


「でも、掛け合わせるってどうやってやるんだ?」

「それはこうやるんですよ……っ!スパークルテレポートッ!」


そう言った瞬間、デルンの周りには俺たちが王都に行く時にみた転移魔法の魔法陣が出現した。同じやつだと思ったら、下に敷かれた魔法陣の色がさらに黒くなり、規模も大きくなった。やがて、魔法陣はデルンを中心に部屋中に展開された。


「魔術を加えるだけでこんなに大きくなるのか……!」

「これで、サヤラさんのところへ行けるのね!」


デルンはこくっと首を縦に振る。それを見て、俺たちはデルンの元へ駆け寄った。それに続いて、ララやロックス、ガリエンが少し驚きながらも駆け寄る。


「では、行きますよ!テレポートッ!」


その瞬間、目の前の視界を白い光が覆っていく。



目を開けると、あたりは草原でそこに一本の道が通っていた。みんな、本当に来れるとは思ったはず、驚いた顔をしていた。デルンの方を見るとデルンは膝をついて息を切らしていた。


「デルン大丈夫か?」

「はい……。スパークル結構魔力を使うんですよ。でも、すぐ回復しますから」


俺はデルンに寄り添っていたら、後ろから怒号が聞こえた。


「おい!あそこっ!」


ロックスが急に指をさして叫ぶ。俺たちはロックスが指した方を見ると、言葉を失った。


「燃えている……だと」

「サヤラさんっ!」


俺は真っ先に飛び出し炎が燃え上がっているところに向かった。

到着するとそこは地獄絵図だった。アステルダム国の兵士と襲ってきた魔族の死体が大量に転がっていていた。俺はその中からサヤラを探すために炎のなかへ突っ込んで行った。


「サヤラっ!サヤラっ!」


葉月たちもきて、炎の消化をしてくれている。


「ウォーターエンブレム!」


懸命に探していると、一番激しく燃えている馬車の近くにサヤラは横たわっていた。俺はサヤラを見つけたということを周りに知らせ、葉月に馬車の炎の消化をしてもらった。サヤラの手首を触るとまだ脈があり生きていることがわかった。


「サヤラはまだ死んでいないぞ!まだ脈が残っている!」

「本当っ!サヤラさん……!」


俺と葉月は嬉しくて涙が溢れた。喜びに浸っていると、後ろからララの声がした。


「みんな来てくれ!シャーベルト王とサランス王がいるぞ!」


俺と葉月はサヤラを持ってララの方へ向かった。ララたちがいるところに着くと、そこにはサヤラと同じように横たわっていたシャーベルト王とサランス王がいた。どちらもまだ脈があるが足や手に怪我を負い出血していた。


「一体ここで何があったんだ!魔族が襲ってきたと言ったがここまで酷いとは……。クソッ!俺がそのときにいればこんなことには……!」

「少年よ。こんなことになったのは少年のせいではない」


ロックスが俺の肩を掴んで話す。そのロックスの表情は悲しげに曇っていた。


「てか、ナイラ王子は?見たところ見当たらないんだけど……」

「確かに……。デルンどこに王子がいるかわかるか?」

「やってみます。リサーチ!」


デルンの表情がだんだんと険しくなって行く。


「わかったか?」

「私が見た限りこの場所にはいないです。どこか遠いところにいるのかもしれないです」


俺からしたらあの王子がいなくなったことにそれほど悲しいと思わなかった。王子がどこに消えたなんてこの時の俺たちは知る由もなかった。









お読みいただきありがとうございます。この話はこの物語のなかでも大切になっていくので是非ともまた読み直していただけたら嬉しいです。

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