5話 七魔族
最近いそがしくなってきた…。戦闘シーン多めなので期待していてください!
第5話よろしくお願いします。
「七魔族!お前を倒しにきた!そして、王たちを解放せよ!」
「ほぉこの私を倒しに……。勇者でもないあなたが私を倒せるとでも?王たちは単なる人質ですよ」
七魔族は赤い月を遮るかのように城の上に立っていて、ララは城の門の前にいた。七魔族はララを見下すかのような振る舞いをしている。
「あぁ、名を申していませんでしたね。私の名はブローデンでごさいます。以後お見知り置きを」
「私はステラ軍騎士団団長のララ・アスタだ」
「ほぉ、いい名ですな」
その瞬間、ララの横にいた相棒のガエン・ロックスがブローデンに飛びかかり剣を振り下ろした。
「お前が気安くアスタ団長の名を呼ぶなーーっ!」
「っふ。醜いな……」
「甘い!」
ロックスは向かってきた剣をかわし、ブローデンの背後に回ろうとした。
その瞬間……
ブローデンの剣がロックスの腹に刺さり、ロックスの腹からは血が流れ出していた。
「っっ!っ!ぁぁぁっ!」
ロックスの嗚咽と共にブローデンは剣を抜き、ロックスを薙ぎ払った。私は急いでロックスの元へ駆けつけた。
「大丈夫かっ!?大丈夫なら私の手を握ってくれ!」
「っ私は…もう、いいです。アスタ団長だけでも……生きてください……」
ロックスは目を閉じてしまった。私はブローデンを鋭い眼差しで睨みつけた。
「……っ!よくも……よくもやってくれたなっ!」
「私は君の本気とやってみたい!さぁかかってこ……」
「遅い……!」
ララは一瞬でブローデンの背後に回り込んで腹に向かって剣を振った。
「エターナルッ!ブレイカー!!」
「面白いっ!」
しかし、ララの剣はブローデンの剣に阻まれてしまった。ララの剣はブローデンにまったく効いてないように見えた。
「なんと無駄なことを!私に歯向かうからこうなるのです!」
「うるさいっ!エターナルライトッ!!」
「無駄だ!」
「テレポートッ!!」
ララはブローデンの背後に転移し、威力を最大にまで引き上げた剣をブローデンに突き刺した。
「ふふっっ!!」
ララの剣はブローデンの首を貫通し、剣は虚空に向いていた。ブローデンの剣は地に落ちていた。ブローデンの口からは血が出ていた。
「ふっっはっっはっっ!!」
「何をそんな笑っているっ!」
「私にここまでやったのは勇者以来だっ!褒美に『美死』をやろう!!」
「何っ!?」
ブローデンは地に落ちていた剣を拾い、虚空の空へ剣を振り上げララにゆっくり刺した。
「……っ!!あっぁぁ!」
ララの悲痛な叫び声とともにララは口から血を吐き、ブローデンに刺していた剣を手から離した。
ブローデンが剣を抜くとララは地に落ち、横たわってしまった。
「誰か……。っっ!!……」
ララの目のハイライトが消え、目を閉じた。
ブローデンたちは横たわり血まみれになったララを見て笑っていた。
⭐︎⭐︎⭐︎
俺たちは番神であるデルンが発動した転移魔法により王都に来ていた。王都に着くと、俺たちは絶句してしまった。
「王都が燃えている……だと」
「ララは大丈夫なの!?」
「少し遅かったか……」
俺が目を戦場に向けると、大勢の人が死んでいてまさに地獄絵図だった。ステラ軍も多数の犠牲者が出ているのだろう。俺はいてもたってもいられなかった。
「ファイヤーエンブレム!」
葉月が急に戦場の方に魔法を撃った。
「葉月どうしたんだ!何かあったのか?」
「いや、あそこの兵士がやられそうだったから助けたの」
俺たちはその兵士の元へ駆けつけた。兵士は立派な鎧を着ており、並の兵士ではないことがわかる。兵士は全身が血まみれになっていて、疲弊していた。
葉月は疲弊していた兵士に回復魔法をかけた。
「ありがとう、助かったよ。君たちはなぜここにいるんだ?」
「俺たちは、ララを、王都を救うためにきました」
「そうか。私はクロス・ガリエンだ。王都軍騎士団団長だ。この恩は忘れな……!」
ガリエンは俺たちを見た瞬間、目を見開いた。
「その姿!まさか、お前は!?番神っ!!」
「あーそうですよー。番神ですよー」
ガリエンは俺の横にいたデルンを見て驚いていた。番神への恐怖は共通なんだろう。ガリエンは少し落ち着いて俺の手を握った。
「番神を引き連れていると言うことは、あなたは認められたのですね、星剣の保持者に」
「ああ、もちろんです。ところで、ララ……アスタ団長は知らないですか?王都に来てるはずなんすが……」
「アスタ団長のことか。アスタ団長なら王たちが閉じ込められているあそこの城にいるはずだ。あそこの城には『七魔族』がいるぞ。気をつけろ」
「やはりいるのですか……」
デルンがガリエンの言った『七魔族』に反応する。
「その『七魔族』ってなんだ?」
「答えましょう。『七魔族』というのは魔王の手下のことを言います。その手下というのは……」
「もうっ!早く、その城に行けばララがいるのね。ならさっさいこうよ!」
葉月が横から焦ったようにデルンの話を遮る。葉月は今すぐにでも城に行きたがっていた。
「そうだな。こんなところで道草食ってる場合じゃないな。俺たちが来た目的はララを、王都を助けるためだ!」
葉月とデルンは少し微笑んでいた。俺たちは体を城の方に向けた。
「ガリエン団長!ありがとうございました。またどこかで!」
「ああ!アスタ団長と王たちを守ってやれ!勇者!」
俺たちはララを助けるべく、城に走っていった。
城に着くと、そこには大きな門があった。この門の先に城があるようだ。門を通ろうとした瞬間どこからか誰かの声が聞こえてきた。
「ようこそ。お城へ。あなが、勇者ですか?」
「誰かは知らないが、俺は勇者ではない。俺は『冒険者』だ!」
「ほぉ、冒険者……。おもしろい!君は僕を楽しませてくれそうだ!王は私が人質に取っている。返してほしければ私と戦え!そして楽しませろ!」
そう言って、その声は途切れた。
俺たちが門を通り城の中へ入ろうとした時、葉月が俺の袖を引っ張ってきた。なんだと思い、葉月の方を見ると葉月は目を下に向けていた。俺も葉月が見ている方に視線を向けると、そこには大量の血が流れていた。俺と葉月は言葉も出なかった。ブローデンは表情を変えずに進んで行った。
城の中へ入るとそこには大きな広間と前には左右にかかる階段が見えた。上には大きなシャンデリアが吊るしてあった。葉月が城に入った瞬間、後ろのドアが締まり出れないようになってしまった。
ドアが締まった瞬間階段上から一人の男が降りてきた。その男はスーツを身にまとい、肩にはマントをつけていた。目には漆黒の瞳をやどしていた。
「はっはっは!あなたは、チャレンジャーです!私を楽しませてくれ……」
「……はっ!」
ブローデンが言いかけた瞬間、隣にいたデルンがブローデンに飛びかかり槍と剣を突き刺していた。
「セリフを言いかけているのに刺すなんて卑怯ですね。美しくない!」
「あなたは『無』の七魔族!私たちが倒さないといけない存在!今ここで倒します!」
「私をそう簡単に倒せるとお思いですかっ!」
ブローデンの右手が黒色に光った。その右手の光はデルンの胸めがけて解き放たれた。
「ジオボイドッ!」
「そんな魔術!ビルドストライクッッ!」
しかし、デルンが放った魔術はブローデンの魔術に打ち消され、消えてしまった。ブローデンは続けて魔術を打とうとした。デルンはさっき打った魔術の反動で体が硬直し、動けなくなっていた。
「終わりだーー!リターンボイド!」
「……!」
「させるかーっっ!」
俺は手にライフスターソードと鉄剣を握りしめてブローデンとデルンの間に割って入った。ライフスターソードはブローデンの魔術を切った。
「デルン、大丈夫か!?俺たちも一緒に戦うぜ!」
「ありがとうございます!渡!協力して戦いましょう」
デルンと一緒に戦うのは初めてだが、うまく行く気がする。デルンの戦闘を見ている感じ、かなり手強そうな相手だ。俺でも戦えるかわからない……でも、やるしかないんだ!
俺は目を葉月の方にやった。葉月は俺の方を見て手でOKサインを作り返してくる。俺はデルンの手に触れ、デルンの能力をコピーした。
「冒険者よ!待っていたぞ、お前は私を楽しませてくれる素質がある!さぁ楽しもうこの戦いを!」
「あぁ!俺たちの力を見せてやる!」
「行くぞ冒険者!」
ブローデンの動きは先ほどデルンが戦った時よりも素早くなっている。ブローデンはまだ本気を出していない。
「デルン行くぞ!」
「はいっ!」
デルンと俺は槍を生成しブローデンの方へ向かっていく。ブローデンは先に行った槍をその剣で切った。
「やるなっ!ならこれでどうだ!」
「「ビルドグレイトッ!」」
「お前が魔術を使えるとは、おもしろいっ!ジオボイドッ!!」
お互い放った魔術は衝突し爆発した。城中に爆発音が響き渡った。ブローデンの攻撃は終わらない。爆風が立ちこめるなか、ブローデンは次の攻撃を打つ。
「くらえっ!冒険者!ジオボイド!」
ブローデンは同じ魔術を複数生成し俺たちに放つ。しかし、俺たちには『アレ』がある!
「「葉月っ!今だ!」」
「いっっけーー!」
「「「トランジェスタ!」」」
葉月の放った魔法に合わせて俺とデルンも攻撃する。ブローデンの放ったジオボイドとトランジェスタは互いに打ち消し合い、消滅した。ブローデンの方を見るとそこにはいなかった。
「渡っ!後ろです!」
「……!」
俺の背後にブローデンが回っていた。ブローデンはその剣で俺の背中を刺そうとした。しかし、その瞬間後ろから誰かに押された。
「渡っ!あなただけでも……!」
見ると、ブローデンの剣は葉月の背中に刺さり心臓を貫通していた。葉月の口からは血が出ていた。背中には血が滲み出て、下に垂れている。葉月の血が落ちていくと共に俺は地に這いつくばってしまった。
「……っっ!うぁぁぁぁーー!!」
「おやおや、これは。冒険者を自らの身を犠牲に庇うとは!」
葉月の目のハイライトは完全に消え、意識がなくなった。葉月の首はまぶたを閉じると同時に下を向いてしまった。
城に響く嗚咽。シャンデリアを揺らすほどの気迫が城を包み込む。
ブローデンは葉月を地に置き、俺の方に向かってくる。
俺死ぬのか……。嫌だ!死にたくない!動け!動け!動けよ身体!なんでっ、なんでっ!動かないんだよっー!
俺の体は何を思っても決して動かなかった。ブローデンが目の前にきた瞬間、横からデルンが俺の鉄剣を拾い、ブローデンに襲いかかる。
「まだ私は戦えます!私はここで負けるわけにはいかないのです!」
「魔力がそこを尽きてでもまだ、戦うと言うのか、 『想』の番神よ!なら付き合ってあげましょう」
遠くでデルンとブローデンが剣を使い戦っている。俺の耳は剣を交えて響き渡る音しか聞こえなかった。
「ビルドオーバーッ!」
「まだ残していたのか!そんな力を!」
デルンの周りを白い光が包み込む。その光は眩しく輝いていた。光が晴れると俺はその状況を見てさらに絶望する。
「デルンッッ!デルンッッ!」
デルンの剣はブローデンの肩を突き刺しており、ブローデンの剣はデルンの胸を貫通していた。ブローデンが剣を抜くとデルンはその場に倒れ込んでしまった。デルンの周りには黒い血が流出していた。
「想の番神よ、魔力がなくなっても私によくぞ戦った。お前は美しく散ったんだ。安らかに眠れ」
ブローデンがデルンに言葉をかけると俺の方に向かってきた。しかし、ブローデンは笑いながら俺の方に手を広げた。
すると、俺の前には黒の魔術陣が現れ、そこから血にそまり意識を失ったララが出てきた。
「ララ……!ララ!!」
「そやつは私と勇敢に戦った者だ。やはりお前の知り合いなのか。なら、面白い!怒れ!その怒りを力に変え、私にもう一度挑んでこい!冒険者よ!」
ララの綺麗な瞳は色を失い、泣いているように見えた。俺はそんなララ、葉月、デルンを見て心の奥底から力強い怒りが込み上げてきた。
ぷつっ……
俺の中で何か切れたような音がした。俺は目を見開いてブローデンの方を睨みつけた。
「俺は……!俺は!お前を絶対にっ!許さないっっ!」
俺はララが大切に持っていた剣を引き抜き、左手に持った。その瞬間、俺の血が熱く逆流するのを感じた。
ララの力をコピーした。ララの思いを俺は感じた。ララや葉月、デルンのために俺はやらないといけない。お前を倒さないといけない。仇を取るために!
「ほぉ、立ち上がりますか!私も本気を出そうとしましょう」
俺はライフスターソードとララの剣を頭上に上げる。伝わる……ララの思いが!
頭上にあげた二つの剣は赤と青が互いに混ざり合い 『星虹』の炎を放っていた。
「これが、『エターナルスターソード』だっ!」
ララの剣にライフスターソードの力が伝わり光り輝いている。
ブローデンの方へ全速力で向っていき強力な攻撃を仕掛ける。ブローデンもそれに反応しお互い素早く動く。
「エターナルスタークリアッ!」
「エムティーボイドッ!」
ブローデンの魔術を消しさり、無力化。ブローデンの攻撃についていけている。
「エターナルスターブレイカーッ!」
「ボイドリスター!!」
ブローデンの魔術を破壊。
互いに互角の戦い……。いや、俺の方が押している。押さないといけない。前へ!前へ!出ろ!俺っ!
お互いの剣が交じり合う。剣先がかすれあい摩耗していく。
「バカな!この私が押されているだと!なぜ、お前はそれほどの力を持っているのだ!」
「お前にはないモノを俺は持っている!思い、願いを俺は託された!だから、俺は負けるわけにはいかないんだーーーー!」
怒号ともに俺の腕にさらに力が入る。パワーなら負けるかもしれない。でも、俺にはパワー以外に持っているモノがある!
「エターナルスターライト!」
「まだだ!ボイドバスターッ!」
俺の攻撃が魔術を突き破りブローデンに届く。ブローデンのスーツやマントはボロボロになっていく。
さぁそろそろ決める。ここで今!
「エターナルスターディザスターーッッッ!!!」
「ジオボイドエンドーーッッ!!」
白く眩しい光がブローデンと俺を包み込みんだ。俺の最後の攻撃はブローデンの攻撃を一瞬で消し去り、ブローデンの胸に直撃した。その爆風が城の柱や窓を壊し、外にまで爆風が広がる。
「私が……!この私が人間ごときに負けるなんてーーー!」
ブローデンのは白い光が晴れる瞬間に爆発した。
上を見上げると白い粉のようなものが降り注いでいる。手に持っている剣を見ると星虹の輝きは失われ、ララの剣はヒビが入り割れてしまった。
「終わったんだ……!ようやく……」
煙が晴れると俺はすぐに葉月の方へ走った。
葉月を見ると心臓から血がでて、服がにじんでいた。葉月の手を強く握った。
「葉月ごめん!ごめん!俺があのとき隙を作ったから……!っっ……!」
葉月の額に俺の涙が落ちる。しかし、葉月は死んでいなかった。葉月は手を握り返してきた。驚き葉月を見ると、葉月はまぶたをゆっくり開け、その綺麗な瞳を俺の方に向けてきた。
「渡……。ごめん……心配かけて……」
微かな声で葉月は俺に話す。今にも消えそうなくらい小さな声だったが、その声は城中に響いた。
「喋らなくていい!俺はお前が生きていれば……!」
泣きじゃくった声で葉月に話す。葉月はそんな顔を見ても朗らかに笑った。
「大丈夫ですか!アスタ団長!」
後ろのドアがバタンッと勢いよく開き、そこにはガリエンたちがいた。ガリエンたちは俺たちの悲惨な状況を見て絶句した表情をし、走って駆け寄ってきた。
「大丈夫ですか!?って!あなたたちは先程助けてくれた方!」
ガリエンも俺たちの正体に気づいたのか、驚いていた。ガリエンが俺に駆け寄ってきたが、俺の視界はだんだんと暗くなっていきまぶたが閉じたのと同時に倒れ込んでしまった。俺は気づかなかったが相当な怪我を負っていたらしい。また俺は倒れてしまった。でも今回は人を助けられたから悔いは残っていない。
それ以降は記憶はなくなってしまった……。
お読みいただきありがとうございます。感想など書いてもらえたら嬉しいです。これからも頑張ってモチベーション作って投稿していきます!




